King & Prince永瀬廉がダーティな新境地、『真夜中乙女戦争』撮影現場レポート!「最初から最後まで“私”の変化を見てほしい」
ベストセラーエッセイ「いつか別れる。でもそれは今日ではない」「20代で得た知見」などで10~20代から支持を集める作家Fの同名初小説を、『チワワちゃん』(19)や『とんかつDJアゲ太郎』(20)など、話題作を次々と手掛ける29歳の俊英、二宮健監督が、スタイリッシュかつ斬新な映像美で完全映画化した本作『真夜中乙女戦争』(2022年公開)。何事にも無気力な主人公の大学生“私”を演じているのが、今年の「24時間テレビ」でメインパーソナリティーを務めた「King & Prince」のメンバーで、近年俳優としても勢いを増す永瀬廉。そんな永瀬がこれまでにない新境地を魅せている、本作の撮影現場レポートをお届けする。
若い世代のスタッフが結集した現場に、永瀬廉も「新鮮な気持ちです」
本作は、平凡で退屈な日々を送る青年が、自分自身と東京を破壊するまでを描いた物語。脚本も二宮監督自らが手掛け、上京したての大学生の主人公“私”を演じる永瀬をはじめ、“私”が大学で密かに想いを寄せる凛々しく聡明な“先輩”を池田エライザが演じ、“私”が出会う危険なカリスマ“黒服”を柄本佑が見事に体現している。
『弱虫ペダル』(20)で第44回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」(21)の“りょーちん”こと及川亮役など、俳優としても大きな話題を集めている永瀬。今作ではこれまで演じたことのないダークな役柄に並々ならぬ思いで挑んでおり、撮影現場ではリラックスしながらもどこか緊張感のある空気が漂っていた。
撮影は今年の春に約1か月間、物語のシンボルとなる“東京タワー”をはじめ、都内近郊で実施された。29歳の二宮監督を筆頭に、現場には若い世代の制作スタッフたちが集結しており、永瀬自身も「いままでの現場とは違いますし、新鮮な気持ちです」と明かす。
この日撮影が行われたのは、一人暮らしを始めた“私”の部屋での初シーン。東京都内に実在するアパートの一室を使い、狭くて雑多に物が置かれた“私”の部屋を初めて目にした永瀬は、「大学1年生のころに泊めてもらった友達の家を思い出して、懐かしい気持ちになりました(笑)」と語る。大きな機材が運び込まれた“私”の部屋の中では、二宮監督こだわりのカメラワークを実現するため、監督の指示のもと制作スタッフと永瀬が細かく段取りを繰り返す。スマホで話す“私”を中心に、部屋の中を360度回しながら撮影する「回転カット」で、退屈な毎日のループ感を表現するという二宮ワールド全開の撮影には、永瀬自身も「完成したらどうなっているのか楽しみです」と感嘆の声を漏らす。
これまで二宮監督作品の劇伴などを製作してきた堤裕介は、その才能を見出され、今回は音楽だけでなく、初の撮影担当に大抜擢。狭い部屋の中での難しい撮影だが、永瀬が「やってみます!」と意気込むとスタッフからも「よーしやろう!」と声がかかるなど、阿吽の呼吸で撮影が進んでいく。
この日の撮影は、上京したてという設定の序盤のシーン。地味でやぼったい洋服を着ている“私”だが、徐々に洗練された服装へと変化していくのも見どころの一つだ。その変化について永瀬も「服装と同時に“私”の心境の変化もあります。それに撮影中はものすごい着数と種類があったので、僕自身『次どんな衣装だっけ?』と楽しみでしたね」と、日々様変わりする衣装が撮影中の楽しみにもなっていた様子。