池松壮亮&伊藤沙莉W主演!松居大悟監督がクリープハイプの新曲を受けてラブストーリーを描きだす
<スタッフ・キャストコメント>
●松居大悟(監督・脚本)
「誰にも見つからないように、誰にも気づかれないように、離れてしまった手と手を無理やり引きあわせて、それを運命だとか必然だとか、都合のいい単語でくくって知らないふりをしてる。単に時間が経っただけなのに、時間が関係性を引き離すなんて思い込んでるのは自分のエゴで。構ってほしかっただけなのかもなぁ。前より思いだす機会が増えたのは、年齢なのか、時代なのか、思い出そのものが大きすぎるのか。
オリジナルで、初めてのラブストーリーです。尾崎くんがきっとバンド人生を賭けて紡いだ曲を聴きながら、コロナ禍でうんうん悩んだ物語は、小さくて眩しいあの日を思いだす映画になりそうです。盟友の池松君と、鮮やかな伊藤沙莉さんと、素敵な役者スタッフたちと作りました。きっと花束みたいとか色々言われるんだろうな。言われるよもう。言われる前に言うよ。でも当たってるしなぁ。そんな迷いにこの先何度も包まれる気がするけど、それ以上に、かけがえのない優しい想いに包まれる人に届いたらいいなと思います。愛がすべてなんかじゃないけど、愛がすべてで。愛ってなんだよ。愛がなんだだよ。また別の映画のタイトルを言ってしまった。『ちょっと思い出しただけ』です、俺はまだ本気出してないだけ、みたいとか言うなよ。俺は本気出したよ。マスクの向こうでニコニコさせられますように。楽しみにしてくれたら嬉しいです」
●池松壮亮(照生役)
「決定的に戻れないあの頃、コロナ以前からの6年間を描いたラブストーリーです。あの頃を成仏する映画や、あの頃を慈しむ映画は時代の変わり目にはたくさん作られるものですが、いまと過去を同時にすくいとろうというこの作品の心意気にとても共感しました。
思いだせないことと、忘れられないこととが、人生そのものをかたどっているように思います。過去にしがみつくではなく、過去を無かったことにするではなく、全ての地続きにいまがあると信じています。あらゆる人の人生の過去が、その人の人生にあったことを感謝出来ますように。過去といまが、無かったことになりませんように。昔の気持ちを思いだして、色々あったけどいまはもう大丈夫。でも、ちょっと思いだしただけ。そんな私たち自身についての映画になってくれることを願っています」
●伊藤沙莉(葉役)
「松居大悟×池松壮亮×クリープハイプという私にとってかなり熱いゴールデンタッグの作品に携われることが決まってからインまで、はやる気持ちでいっぱいでした。
綺麗事を言うつもりなんてさらさらないし、ポジティブ、ネガティブな出来事を全て肯定するべきなんて全く思いませんが、私は確かに過去に存在したそれがあってのいまなんじゃないかな、と常々思っています。そういう過ぎた思い出や記憶を、ちょっと思いだしただけな時間もまた、悪くない一瞬だと思います。ああ、あったなこんな時。とかああ、あの人元気かな。とかそんな悪くない一瞬を、2人の時間を通してふと感じていただけたらいいなぁと思います。そしてやはり音楽の力ってすごいと思います。私は音楽に常に支えられていますし、それがあるだけでそのシーンや作品の深みが増したり彩が増します。そんな音楽の力も感じていただけるといいなと思います」
文/鈴木レイヤ