続編への布石も!何度でも味わいたい、劇場版「プリズマ☆イリヤ」はリピート必須
現在公開中の劇場版「Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ Licht 名前の無い少女」。公開から1か月を経たいまなお、上映劇場にリピーターが殺到している本作は、「Fate/kaleid linerプリズマ☆イリヤ」シリーズでも最高峰のクオリティだったと賛辞を贈るべき作品である。では、本作のどんな点に「Fate」ならではの注目点、そして“プリヤ”の魅力が詰まっていたのかを、怒涛の展開となった物語を振り返りながら検証していきたい。
一つ一つの戦闘が、最終決戦級!
本作では、これまで続いてきたイリヤ陣営とエインズワース家陣営の戦いに一つの終止符が打たれた。このように大きな展開を迎えたからには当然、それだけ映画のなかで大きな戦いが、それも多数繰り広げられたということだ。ここでは、各戦闘シーンを順番に振り返ってみたい。
まずはイリヤ&バゼットVSベアトリス。強敵ベアトリスの進撃を止めるために、イリヤの持つバーサーカーのカードを用いた秘策を凛に授けられ、バゼットのサポートを受けながら2対1での戦闘が行われることに。あくまでもベアトリスを「救う」ために戦うイリヤと、戦いのなかで明かされるベアトリスの過去、そして彼女が戦う理由が、強く胸に迫る。
次に美遊&クロVS桜の戦い。死してなおも操り人形として戦わされている桜に対し想いを抱えるクロ。そして、桜が生きていれば士郎を想う者同士、良い友人になれたであろう美遊。そのあり得たであろう未来が一瞬だけ映るシーンは、本作屈指のすすり泣きポイントといえるだろう。
そしてイリヤVSジュリアン。言うなれば本作の目玉、主人公VS裏主人公の決戦だ。自分の想いや、かつての決意に嘘をつきながら孤独に戦い続けてきたジュリアン。彼のことも、パンドラのことも、すべてを救うために戦うイリヤに対し、初めてジュリアンが自分の奥底の感情をぶつける姿は、凄まじいカタルシスを感じさせるもの。“プリヤ”という作品が描きたいものに、本作で描かれたようなイリヤが戦う意味と、彼女の信念があるように感じさせられる。
ここまで振り返ってきた一つ一つの戦闘のなかには、「Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ドライ!!」までのテレビシリーズで語られた物語のなかで募らせてきた想いの数々、その終着点が描かれており、感情を揺さぶるものばかりだ。ファンならずとも、ここで感動しない方が無理というものだろう。