ムロツヨシ「いつか必ず本当の満席の景色を!」初主演映画『マイ・ダディ』初日舞台挨拶で出演者に約束

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ムロツヨシ「いつか必ず本当の満席の景色を!」初主演映画『マイ・ダディ』初日舞台挨拶で出演者に約束

ムロツヨシ初主演映画『マイ・ダディ』の初日舞台挨拶が9月23日にTOHOシネマズ六本木ヒルズにて開催され、ムロツヨシ、奈緒、中田乃愛、永野宗典、金井純一監督が登壇。公開初日を迎えた想いや撮影裏話を語り、チーム”マイ・ダディ”の結束力をアピールした。

【写真を見る】母親役に初挑戦した奈緒
【写真を見る】母親役に初挑戦した奈緒

本作は、『嘘を愛する女』(18)、『哀愁しんでれら』(21)など、多くの良質な作品を世に生み出してきた映像クリエイター支援プログラム「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM」2016年準グランプリ受賞企画の映画化。8年前に最愛の妻が他界し、小さな教会の牧師をしながらガソリンスタンドでのアルバイトに励み、中学生の娘ひかりを男手一つで育ててきた御堂一男。しかしある日突然ひかりが倒れてしまい、白血病であると診断される。担当医師から告げられたのは、ひかりが自分の子ではないという衝撃の事実と、ひかりに適合するドナーは数百万人に一人しかいないという残酷な現実。愛する娘を救いたい一心で、一男はひかりの本当の父親を探すことを決意する。

「しゃべり足りない!」と嘆くムロ
「しゃべり足りない!」と嘆くムロ

冒頭の挨拶でムロは「上映後の舞台挨拶で皆さんが作品の世界観に入っているところ申し訳ないのですが、マスコミの取材が入っている舞台挨拶なので、いまから、ムロ、ふざけます!」と笑顔で力強く宣言。ムロ節炸裂の楽しい舞台挨拶を予感させるコメントでイベントがスタートした。

初主演映画が公開初日を迎えたことを喜びつつも「悔しい気持ちもある」と明かしたムロ。一席空き状態の客席を見渡しながら「僕は、“満席”が好きな男です。この状況下ではこれが満席と頭では理解していますが、やっぱり本当の満席ではないのが残念です」と胸中を吐露。「いろいろな宣言が解除され元の状態に戻ったら、どんな手を使ってでも、本当の満席の景色をここにいるキャストみんなに見せてあげたいです」と力強く語り、「どんな手を使っても、たとえお金を払ってでも!」とコメントしたところで、「ん? 俺、お金払うの?」とおどけつつ、「お金を払ってもいいと思えるくらい、満席にしたい気持ちが強いです。これからも、この映画の宣伝活動をしていきます」と力強く宣言した。

母親役は憧れだったという奈緒。初の母親役を振り返り、「家族がテーマの映画で母親役ができたことがうれしかったです。緊張もしたけれど、責任を全うしないといけないという気持ちでいっぱいでした」と語る。撮影前にムロから「(中田)乃愛ちゃんのこと、きっと奈緒ちゃんも好きになると思う、と聞いていました。その言葉通り、3人で会ったとき一瞬で乃愛ちゃん、の虜になりました。そこからはムロさんと2人でずっと(娘に)デレデレでした」と目を細めていた。

ムロ、奈緒をメロメロにした中田の笑顔
ムロ、奈緒をメロメロにした中田の笑顔

奈緒との共演シーンについてムロは「赤ちゃんが生まれた瞬間に、奈緒ちゃんとおでことおでこをくっつけるシーンがありました。とても自然な流れでそういうお芝居ができたこと、実際に心の距離も縮まって“あ、いいな”と思いました。ポスターにもなっている素敵なシーンです」と満足の表情を浮かべた。中田がコメントするたびに、娘を見つめるような眼差しを向けるムロ。ムロが「久しぶりに会ったら、髪がのびていてよかったよ。17歳の女の子が髪を剃るなんてね」と撮影を振り返りしみじみ語るが、中田自身は髪を剃ることはあまり気にしていなかった様子。劇中さながらの父娘のやりとりに会場は拍手と笑い声に包まれる。ちょっと戸惑い気味のムロが「まだ、思春期なのかな?」と娘のご機嫌を尋ねる場面もあった。

ムロとの共演について奈緒は「本当に会いたかった方なので、初日は少し緊張しすぎて無愛想だったかも」と反省しつつ「柔らかい空気を作ってくれる素敵な方。すぐに打ち解けられたのはムロさんのおかげです」と感謝の言葉を述べた。また、ムロがまだ奈緒を知らなかったころ、撮影スタジオですれ違った時に、同じ撮影組でもないムロから「お疲れさまです」と挨拶されたこと、奈緒がまだ福岡に住んでいた頃に、「muro式.」の千秋楽を見に行っていたこと、その際に客席バックで撮影した写真に奈緒が映り込んでいたことなど、縁を感じずにはいられないエピソードが次々と飛びだし、ステージは終始和やかなムードに包まれていた。また、この日の舞台挨拶では、“家族のつながり“を描いた本作にちなみ、『マイ・ダディ』を作ろう!と題して、映画のタイトルパネルを全員で作成し、できあがったパネルを手にフォトセッションを行った。


手作りパネルのできばえは?
手作りパネルのできばえは?

最後のあいさつで金井監督は「今日からがスタートです。ムロさん、そしてみなさんと走り続けたいと思います」とニッコリ。永野は出身地の宮崎県で上映館がないことに触れ、「この映画を観た人生と観ない人生では生き方が大きく違ってくると思います。作品からのメッセージを受け取るためにも、宮崎県の上映をお願いいたします!」と懇願し、中田は「一人でも多くの人にこの作品が届いてくれたら、それだけでとてもうれしいです」と笑顔を浮かべた。奈緒は「映画がもっともっといろんなところに届くといいなと思っています。そのためにも皆さんの力を貸してください」と会場を見渡しながら呼びかけた。

ムロは「この状況下での公開をネガティブに考えず、なにかしらプラスにしようと思っています」とし、改めて「いつか必ず“本当の満席”にしたいと思っています」と宣言。続けて「“満席”を実現する日が来るまで、いろいろな作品で頑張りつづけます。“ムロは満席が好きなんだよな”“あいつの作品なら観に行ってもいいかな”と思っていただけるよう、これからも舞台、映画、ドラマ、いろいろと頑張っていきます」とし、「この作品がロングランになるよう、クチコミで広げてください。ほめてください!けなしてください!皆さまの一言が誰かの“観てみようかな”につながります。誰かにつなげてください!」と力強く呼びかけ、舞台挨拶を締めくくった。

取材・文/タナカシノブ

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