「言葉にならないほどの傑作」「この映画…すごすぎる」反響から伝わる、『空白』の人の心をえぐる魅力

コラム

「言葉にならないほどの傑作」「この映画…すごすぎる」反響から伝わる、『空白』の人の心をえぐる魅力

誰の身にも起こりうる事態…身近な題材ゆえの恐怖や臨場感

さらにどこまでもヘビーでありながらも、いつ誰の身にも起こり得るというテーマの身近さや臨場感もまた、本作を傑作へと押し上げる重要なポイントの一つだ。

「とてもいい作品だった。どの立場も他人事ではなかったし、何度も胸が苦しくなって涙が出ました。映画と思えないほどリアルだった。多くの方にぜひ観ていただき同じ気持ちを共有したいです」(30代・女性)
「ニュースで見る出来事は遠くの他人事に捉えがちだか、この映画も観ていると、父親、店長、女性従業員、それぞれの立場に立たされているような臨場感がある」(60代・女性)

地方の街並みも、物語にリアリティを与えている
地方の街並みも、物語にリアリティを与えている[c] 2021 『空白』製作委員会

加えて汚いところまで見せていく、型にはまらないキャラクターの描き方や、どこか寂しげな地方の街並みなども合わさったリアリティを感じさせる仕上がりには、ドキュメンタリーを観ているかのような切迫感を感じたという人も。

「フィクションか、ノンフィクションか、どこかにあり得る気がして怖かった。でも、終わってみておもしろいなって思う。いるなぁ、こんな人って思う」(40代・女性)
「まるでドキュメンタリーを見ているかのような、身近に起きている出来事が丁寧に映しだされていた」(30代・女性)

またSNSやマスコミによって登場人物たちが翻弄されるという、日頃から目にしているような光景も随所で差し込まれており、「現代のSNSの普及がもたらした変化による皮肉さがよく描かれているなと。全員被害者であり加害者でもある。というより、全員が被害者なのでは?と感じました」(30代)との声も寄せられた。

一筋の光が差すようなラストには、観賞後も思わず考えさせられる

観た人がなにかを語りたくなるような作品となっている『空白』
観た人がなにかを語りたくなるような作品となっている『空白』[c] 2021 『空白』製作委員会

現代社会にも横たわる、他者への不寛容が引き起こす地獄という問題が浮き彫りにされているため、観ていてつらさもある本作だが、ラストには希望を感じさせる展開が繰り広げられる。観客の心にそっと寄り添ってくるような結末ゆえに、多くの人の印象に残ったようで、クライマックスに関するコメントも届いている。

「人の悪意、善意、敵意、好意の豪雨をこれでもかと浴びたあと、最後に雲間からのぞくほのかな光。なんだかものすごく救われた気持ちになりました」(40代・女性)
「闇や恐怖の中に光がある、すてきな終わり方だと感じた」(20代・女性)
「最初はヤバい親父…と思ったが、ラストまで観ると感じ方が変わる。良い映画だった」(30代・女性)
「途中、みんなの気持ちを思うと、とても重苦しくて逃げだしたい気持ちになりましたが、ラストのそれぞれへの一筋の光にとても救われました。たくさんの人に観てもらいたい作品です」(50代・女性)
「前半は、恐ろしく執拗で、見ていて息苦しさを感じましたが、古田新太の迫真の演技と、心の変化の表現に引き込まれていきました。途中、会場から笑い声が上がるシーンもありながら、感動的なエンディングにつながります」(50代・男性)
「真相はわからなくても、最後のシーンで“空白”は埋まりました」(40代・女性)


心に残るラストや白黒つけない作風には、観賞後、帰路に着くまでいろいろなことを考えたという、以下のような言葉も届いていた。


【写真を見る】「なんなんだこの映画…すごすぎる」『空白』に寄せられた感想の数々を紹介
【写真を見る】「なんなんだこの映画…すごすぎる」『空白』に寄せられた感想の数々を紹介[c] 2021 『空白』製作委員会

「観終わったあと…なんとも言えない感情で。きっと観た人それぞれ感じ方の違う『空白』になったのではないかと思いました。鑑賞した帰りに家族のことをずっと考えさせられた作品で…この作品が伝えたかったことをひたすら考えながら帰りました(泣)」(30代・女性)
「観終わってからずっと考えてます。誰も悪くないのにって。見事にエグられました」(40代・女性)
「久しぶりに、本当に良い映画を観させていただいたと感じました。母と2人で観ましたが、帰りの車中、ずっと映画の余韻で話が止まりませんでした」(40代・女性)
「普段エンドロールが終わるとすぐに立つのですが、それができませんでした。可能ならばしばらく座っていたかったくらい、本当に好きな映画です。じわじわと流れる重たい空気が、最後にほんの少しだけ緩んだように感じました。本当に素晴らしい映画をありがとうございます。劇場で上映しているうちに、あと数度観たいと思います」(30代・女性)


映画の公開を記念した、スペシャルサイトの『空白』感想投稿キャンペーンでは、ここで紹介した以外の感想も掲載されている。鑑賞後は誰かと語り合ったり、深く考えたくなる作品であるため、ぜひチェックして作品に対する思いを投稿してみてほしい。

文・構成/サンクレイオ翼

※吉田恵輔の「吉」は“つちよし”が正式表記


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