今石洋之が明かす、庵野秀明から受けた刺激。『プロメア』から『スター・ウォーズ:ビジョンズ』への進化
「庵野さんの役に立てることがあればうれしい。いつもそう思っています」
TRIGGERが『スター・ウォーズ:ビジョンズ』に参加するというニュースが明らかになると、SNS上でも大きな話題となった。TRIGGERは2011年の設立から今年でちょうど10周年を迎え、常にアニメファンに信頼され、期待されるスタジオへと成長してきた。設立者の一人でもある今石監督自身、「スタッフたちに任せても、しっかりといいものが出来上がってくる。現場のスタッフの熟練度はかなり上がっています。そういった信頼感は、この10年で培われてきたものかなと思います」とスタジオの進化を実感しているという。
今石監督はいつも「“自分が楽しいものを観たい”という思いで作品に取り組んでいる。おもしろくない、つまらない作品って自分が許せないんですよね(笑)。また働くうえでは、若いころは“誰よりも楽しそうにやる”ということを心がけてきました」とそういった背中を見せることが、スタッフを熱気に巻き込む秘訣の様子。エネルギッシュにものづくりに向かっている今石監督だが、そんな彼にとって「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズの庵野秀明監督はいつも刺激をくれる存在だと明かす。
今石監督は多摩美術大学を卒業後、初仕事として「新世紀エヴァンゲリオン」の動画を担当。TRIGGER設立後も「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズに携わるなど、庵野監督作品に名前を連ねている。「最近の庵野さんは実写をやられていることが多いので、そうすると僕が手伝えることがなくて…。最初に入った会社でお世話になった庵野さんのことはやはり尊敬していますし、恩人だと思っています。なにか役に立てることがあればうれしいなといつも思っています」とニッコリ。
「庵野監督から受ける刺激は、ものすごく大きい。こんな言い方をしちゃうといいのかわからないけれど」と前置きしながら、「自分より頭のおかしな人ってあまりいないんですが、庵野さんを見ていると『この人ほどおかしくなれない。負けたな』と思う」と楽しそうに話していた。
『スター・ウォーズ:ビジョンズ』は、ディズニー公式動画配信サービス Disney+(ディズニープラス)で独占配信中。
取材・文/成田おり枝