栗田貫一&山寺宏一が語り合う、2代目の葛藤と「ルパン三世」50年目の“船出”「いまでも『カリオストロの城』に立ち返る」
「ルパンは太陽のような存在。元気を出せなくなったら、自分から辞めようと思っています」(栗田)
ーー栗田さんの役を追求する姿が、山寺さんにとって刺激にもなっているとのこと。そういったエネルギーが、ルパン役にも反映されているように感じます。
栗田「ルパンって、誰よりも元気で生きていなければいけない存在だと思うんです。誰と対峙しても、太陽のような存在でいる人。だからこそ、もし僕が元気を出せなくなってしまったら、いつでも自分からルパンを辞めようと思っています。太陽を暗くするわけにはいかないですから」
ーー新ファミリーで歩みだす「ルパン三世 PART6」。改めて、意気込みをお聞かせください。
栗田「僕が突然、山田さんの代わりにルパン役として現場に立った時、ものすごいレジェンドに囲まれていました。そしてまた、いまの時代のレジェンド声優たちに囲まれてルパンを演じています。『僕でいいのかな?』と思うくらいです。沢城みゆきという人は、あっという間に不二子になってしまったし、この10年はみんなの馬力に驚かされることばかり」
山寺「(石川五ェ門役の)浪川大輔も褒めてあげてください!」
栗田「うーん、あったかな(笑)?」
山寺「こうやってオチに使われたりして、浪川はものすごく愛されキャラなんです。彼がいると場が和む。もちろんそれだけじゃなくて、ものすごくかっこいい五ェ門を演じていますから!」
栗田「ふふふ。彼だってすごい馬力があります。僕はそれにのまれてはいけないと頑張ってきたし、きっと小林さんもそうだったと思います。これからはさらに大塚明夫というレジェンドが加わる。いろいろなものをわかち合って、また頑張っていきたいです」
山寺「とにかく僕は、自分自身が小さなころに『ルパン三世』を観て感じたワクワク、ゾクゾクした興奮を味わってほしいなと思っています。もしシリーズに触れたことがない人がいたら『こんなにおもしろいアニメがあるんだ!』と新たに発見してほしいし、ファンの方々には『やっぱりルパンっておもしろい』と感じていただけたらうれしいです。兄貴分のような明夫さんが『ドキドキする』と言いながら臨んでいらっしゃるのは、『うんうん、わかる』という気持ちです(笑)。これからもみんなで助け合って、励まし合って進んでいきたいです」
取材・文/成田 おり枝