ウェス作品を彩るマエストロが5年連続の快挙!『フレンチ・ディスパッチ』がゴールデン・グローブ賞作曲賞にノミネート
『グランド・ブダペスト・ホテル』(14)や『犬ヶ島』(18)のウェス・アンダーソン監督の最新作となる『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』(2022年1月28日公開)。このたび本作で作曲を務めたアレクサンドル・デスプラが、第79回ゴールデン・グローブ賞の作曲賞にノミネートされた。
映画ファンから絶大な信頼を寄せられているウェス監督の記念すべき長編第10作となる本作の舞台は、20世紀のフランスの架空の街にある「フレンチ・ディスパッチ誌」の編集部。一癖も二癖もある記者たちが国際問題からアート、ファッション、美食に至るまで深く斬り込んだ唯一無二の記事を書きあげ人気を博していたが、ある日編集長が仕事中に急死。その遺言によって廃刊が決まってしまい…。
『ファンタスティック Mr.FOX』(10)以降のウェス監督の長編作品すべてでタッグを組んでいるデスプラは、今回でゴールデン・グローブ賞作曲賞に5年連続13回目のノミネート。これまで2度受賞を果たしており、3度目の戴冠にも期待が高まるところ。また、ゴールデン・グローブ賞といえばアカデミー賞の重要前哨戦としても知られており、デスプラはこれまでアカデミー賞作曲賞には11度ノミネートされ、『グランド・ブダペスト・ホテル』と『シェイプ・オブ・ウォーター』(17)で受賞を果たしている。
ゴールデン・グローブ賞では1部門のノミネートに留まったが、同じくアカデミー賞の前哨戦として知られるシカゴ映画批評家協会賞では5部門、ラスベガス映画批評家協会賞やワシントンDC映画批評家協会賞では4部門にノミネートされるなど本年度の賞レースで存在感を示している本作。第79回ゴールデン・グローブ賞の受賞結果の発表は現地時間1月9日(日)。その1ヶ月後には第94回アカデミー賞のノミネーションが発表される予定となっており、本作から届けられる吉報に注目していきたい。
文/久保田 和馬