平野綾、声優デビュー20周年の現在地。「涼宮ハルヒの憂鬱」と「レ・ミゼラブル」への感謝
子役からキャリアをスタートさせ、舞台俳優、声優、歌手として力強く前進し続けてきた平野綾。声優デビュー20周年、ミュージカルデビュー10周年を迎えた今年は、ディズニー・アニメーション・スタジオ最新作『ミラベルと魔法だらけの家』(公開中)の日本版声優として初めてディズニー作品への出演を果たし、「幼いころからの夢が叶いました」と笑顔を弾けさせる。
最高のアニバーサリーイヤーとなったが、これまでの道のりにおいては「周囲から求められることに応えなければというプレッシャーや、自分に対してのハードルを上げすぎてしまって、苦しいと感じる時期もありました」と告白。コロナ禍を経て改めてエンタテインメントに携わる喜びをかみ締めている彼女が、これまでの葛藤と共に、自身にとってのターニングポイントとなったアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」、ミュージカル「レ・ミゼラブル」への感謝を明かした。
「とても大事なタイミングでディズニー作品に出演させていただけた」
本作は、魔法にあふれた不思議な家に暮らす少女、ミラベルの活躍を描くミュージカル・ファンタジー。平野のディズニー作品への思い入れは深く、「ディズニーの英才教育を受けているかのように育って、生活のすべてにディズニーが関わっているような毎日だったんです」とにっこり。
「父親の仕事の影響もあって、家には分厚いディズニーの図鑑のような本があったりして。セリフを一言一句間違えずに言ってみたり、ディズニーソングを歌いながら育ちました。夢の世界としての憧れがあったので、まさかディズニー作品に自分が携わることができるなんて。自分としてもうれしいですし、親孝行できたなとも感じています」と感激しきり。しかも今年は彼女にとってのアニバーサリーイヤー。「奇跡的なものを感じます。とても大事なタイミングでこの作品をいただけて、本当にうれしいです」と目尻を下げる。
平野が演じているのは、ミラベルの姉のイサベラ。家族のなかで一人だけ“魔法のギフト”が与えられなかったミラベルに対して、イサベラは花を咲かせる魔法のギフトを授かり、周囲はいつもカラフルで美しい花でいっぱい。誰からも憧れられるような、完璧な女性だ。しかし次第に、彼女が“完璧でいること”への葛藤を抱いていたことが明らかとなる。
平野は「オーディションの段階で、イサベラが自分の気持ちを吐露する場面があることがわかっていました。そういうイサベラだからこそ、今回私のもとにオーディションのお話をいただけたんだなと思って。正統派のプリンセスらしさもありながら二面性があったり、おもしろさがじわじわと出てくるキャラクター」とイサベラへの愛情をにじませながら、「ミラベルはもちろんですが、イサベラも近年のディズニーが大切に描いてきた多様性を象徴するようなキャラクターだと感じています」と分析する。