「イカゲーム」は肩を負傷したまま撮影していた?イ・ジョンジェ、“セクシーすぎる悪役”の撮影秘話を明かす
――作品に対する満足度はどうですか。
「とても高いです。特にタイのマフィアたちとの銃撃シーンが一番に残っています。台本には『レイが建物の中に入ると、タイのマフィアたちは座っている』『シャッターが上がると、血が付いた姿のレイが立っている』としか書いてなかったです。なのにタイに到着すると、いきなりアクション監督に『格闘シーンがあったほうが良さそう』と言われて(笑)。急遽練習して撮影しましたが、すごくいい感じに仕上がりました。レイがどんな風に敵と戦って相手を制圧する人なのか、このシーンで見せてあげたかったですね」
――代役を立てずにすべてのアクションシーンを演じたらしいですね。怪我もされたようで、大変でしたね。
「もう歳だから体が思い通りに動かないのが一番つらくてもどかしかったです。撮影中に肩を負傷してしまって、現地の病院に行ったら手術しなければならないと言われましたが、撮影を優先すべきだと思ったので、手術は後回しにしました。その後、すぐに『イカゲーム』の撮影が始まったので、結局未だに手術を受けられていない状態です」
――映画『ハント』では初めて監督としてデビューされますね。1999年の『太陽はない』で共演したチョン・ウソンさんをキャスティングしたようですが。
――「もう、片思いですよ(笑)。チョン・ウソンさんとは『太陽がない』のあとにも共演する機会があるだろうと思っていましたが、気付いたらこんなに月日が経ってしまいました。同じ作品にキャスティングされるまで待つよりは、2人で意気投合してなにかを作ってみないかという話は10年前からしていましたが、なかなかうまく行かなくて。でもやはり新しいことに挑戦したいという熱望があったので、『ハント』という作品を準備しながらチョン・ウソンさんに声をかけました」
――1993年にドラマ「恐竜先生」でデビューして、間もなく俳優30周年になりますね。いつも新しいことにチャレンジしている印象ですが。
「正直、限界を感じる時も多いです。もっとたくさんの人に新しい姿を見せたいという欲はありますが、自分の中のエネルギやアイデアが枯渇してしまっている感覚があって、プレッシャーを感じることもあります。そういう時は運動や散歩をしながらリフレッシュしています。ファン・ジョンミンさんやパク・ジョンミンさんのような、すばらしい俳優たちの演技を見て刺激も受けますし。インスピレーションを得ることができるとしたら、どこにでも行きたいし、なんでも挑戦したいですね」
取材・文/楊智媛