読めばもう一度観たくなる!『マトリックス』新章を読み解く、主要キャラクターの裏話をチェック!|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
読めばもう一度観たくなる!『マトリックス』新章を読み解く、主要キャラクターの裏話をチェック!

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読めばもう一度観たくなる!『マトリックス』新章を読み解く、主要キャラクターの裏話をチェック!

1999年に公開された第1作、2003年に公開された第2作・第3作と、世界中で空前の社会現象を巻き起こしてきた「マトリックス」シリーズ。その新章となる『マトリックス レザレクションズ』(公開中)がついにそのベールを脱いだ。そこで本記事では、物語のキーパーソンとなるネオとトリニティー、そしてモーフィアスの3人に着目しながら、本作をより楽しめるポイントを紹介していこう。なお、本記事には、若干のネタバレが含まれているので、気になる方は要注意のほど。

現実だと思っていた世界は“マトリックス”と呼ばれる仮想現実で、人々はAIによって支配されていた…。斬新なストーリーや常識を覆す映像表現とアクションで、その後のあらゆるカルチャーに多大な影響を与えてきた「マトリックス」。最新作となる本作で描かれるのは、まだマトリックスに支配された世界。天才ゲームデザイナーのネオは自分の生きている世界観に違和感を抱く。やがて覚醒を遂げたネオは、マトリックスに囚われているトリニティーを救うために新たな戦いへと身を投じていく。

予告映像にネオの新設定のヒントが隠れていた!?

【写真を見る】今度のネオは“天才ゲームデザイナー”に!?三部作と新章で変化したこととは
【写真を見る】今度のネオは“天才ゲームデザイナー”に!?三部作と新章で変化したこととは[c]2021 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

本作におけるネオ/トーマス・アンダーソン(キアヌ・リーブス)の設定は、これまでのシリーズ3部作とは若干異なっている。第1作では昼間はプログラマー、夜はハッカーとして暗躍していたトーマス。しかし最新作での彼の立ち位置は“大ヒットゲーム「マトリックス」を生み出した天才ゲームデザイナー”。実は予告編の段階でそのヒントが隠されており、頭の上にゴム製のアヒルを乗せていたのは、プログラマーがバグや欠陥を見つけ出して修正するために行なう「ラバーダック・デバッグ」という手法を示唆していたのだとか。

また劇中のトーマスのオフィスには、最も権威あるゲーム賞のひとつとされる「The Game Awards」のトロフィーが置かれている。先日現実世界で開催された「The Game Awards 2021」では、「フォートナイト」の開発元として知られるEpic Gamesが手掛けた「The Matrix Awakens: An Unreal Engine 5 Experience」がお披露目。実写と見分けがつかないグラフィックと没入感で映画ファンやゲームファンから熱視線を集め、まさに現実と仮想世界の境界線が取り払われることに。

トリニティーとバイクの知られざる関係とは

キャリー・アン=モスはラナ・ウォシャウスキーと阿吽の呼吸で役を作り上げていった
キャリー・アン=モスはラナ・ウォシャウスキーと阿吽の呼吸で役を作り上げていった[c]2021 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

『マトリックス リローデッド』(03)でハイウェイを逆走して発電所へと突っ込むド派手なアクションシーンを披露し、すっかりトリニティーの代名詞となったバイク。最新作でのトリニティーは、記憶を無くしたバイクマニアの主婦ティファニーとして登場。演じるキャリー・アン=モスは三部作当時のインタビューで、元々バイク恐怖症であり、撮影のために徐々に恐れを克服していったことを明かしている。

「三部作の撮影は本当にハードで、正確に演技をこなすのが大変で黙って立っているだけでも一苦労だった」と振り返ったモス。しかし18年ぶりの本作では、メガホンをとったラナ・ウォシャウスキー監督と“無言のコミュニケーション”が取れたようで「ラナの分身になったような気分だった」と述懐。「ただトリニティーというキャラクターを、監督と一緒に作り上げていこうと考えてました」と、阿吽の呼吸で撮影が行われていたことは、本作でのトリニティーの描かれ方を見れば一目瞭然だろう。

モーフィアスは昔のモーフィアスではない?

新モーフィアスはエージェント・スミスの役割も兼ねる!?
新モーフィアスはエージェント・スミスの役割も兼ねる!?[c]2021 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

そしてこれまでの三部作と大きく異なっているのは、モーフィアス役がローレンス・フィッシュバーンからヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世に替わっていることだ。本作におけるモーフィアスは、ゲームデザイナーのトーマスが“モーダル”のなかで「エージェント・スミスの役割を持ったキャラクターに、モーフィアスとしての“救世主ネオを導く”という使命を持たせたら?」と考え、そして生みだされた存在となっている。

冒頭ではエージェント・スミスとしてバッグスを追いながら、自身の真の役割に気付いてからはネオを導く存在として覚醒。三部作と異なり陽気な振る舞いで新たな魅力を見せながら、ネオを鼓舞する熱い心は健在。それにはリーヴスも「トーマスも昔のトーマスではないように、モーフィアスは昔のモーフィアスではない。今回のモーフィアスはとるべき道もネオとの関係もまったく違っている」と、ウォシャウスキー監督のキャラクター造形を高く評価していた。

『マトリックス レザレクションズ』は大ヒット公開中
『マトリックス レザレクションズ』は大ヒット公開中[c]2021 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

他にも劇中には三部作との密接なリンクを感じさせる要素が多数登場する。本作をより深く読み解くために、たくさんのヒントが散りばめられた三部作をしっかりとおさらいし、年末年始は映画館で何度でも新たな「マトリックス」の世界に没入してみてはいかがだろうか。

文/久保田 和馬

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