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映画『あな番』犯人はどう決めた?リピート鑑賞時の注目ポイントなど、監督&プロデューサーに直撃インタビュー

インタビュー

映画『あな番』犯人はどう決めた?リピート鑑賞時の注目ポイントなど、監督&プロデューサーに直撃インタビュー

「犯人は、観客の方が一番びっくりする人物にしたかった」(鈴間)

真犯人は一体誰なのか?
真犯人は一体誰なのか?[c]2021『あなたの番です 劇場版』製作委員会

――公開前の予想では、ドラマでの真犯人だった黒島(西野七瀬)が、今回も黒幕なのでは?という意見が多く見受けられました。劇場版の犯人はどのように決められたのでしょうか。

鈴間「パラレルワールドとはいえ、黒島が持っている狂気は変わらないので、そのように予想される方も多いだろうなと思っていました。逆に『今回も黒島が犯人というわけはないだろう』『いやワンチャン、また黒島なんじゃないか?』といろいろと考えていただけるとうれしいなと。今回の犯人については、亡くなる人をまず決めて、では誰がその人を殺したのか…?と考えた時に観客の方が一番びっくりする人物にしたいなと考えていました。“あの人”は、ドラマでも暗い一面が垣間見えるところもあったり、今回は『あの人が殺されてしまうの!?』と驚かれるような被害者もいますが、その人ともこの2年の間にある関係値ができていても不思議ではない。結果的に、いい犯人になったんじゃないかなと思っています」

――細かい伏線を確かめようというリピーターの方もいらっしゃいます。観返した時にポイントとなるヒントを教えてください。

佐久間「犯人はその被害者へのボディタッチがかなり多いんです。いろいろな場面で、肩や背中に手を添えています。どれくらいの強さで触るのか、また触った時の音もどれくらいのものにするのかとてもこだわっていますが、きっと1回観ただけではさりげない行動に見えると思います」

――今回は“指輪”にも注目したいですね。

鈴間「そうなんです。ここでは指輪をつけている、ここでは指輪をつけていないということがとても重要になっています」

佐久間「『真犯人フラグ』もそうですが、ここではこのアイテムを映さなければいけないなど、気を配るところが多くて…(苦笑)。またオープニングタイトルに入る前に目のアップが映りますが、それは真犯人の目なんです。これは何度見返しても誰かはわからないかもしれない。ほとんど僕の自己満足の世界かもしれません。『あな番』では、観てくださる方に『この人も怪しい』と感じてもらえるような芝居をしてもらって、こちらも怪しく見えるように撮ることも重要。久住さん(袴田吉彦)だって、怪しく見えるように撮りますから(笑)!」

――確かに皆さん怪しいです(笑)。そういったサスペンスドラマでありながら、本作では黒島と二階堂(横浜流星)の愛の物語もより深く描かれていました。全編を通して「愛する人を守る」ということが一つのテーマになっていたように感じます。


黒島&二階堂の愛の物語がより深く描かれる
黒島&二階堂の愛の物語がより深く描かれる[c]2021『あなたの番です 劇場版』製作委員会

鈴間「“どんな理由があっても人を殺してはならない。その人は誰かの大事な人だから”ということが、本作の一つのテーマになっています。ドラマで黒島がやってきたことも決して許されることではありませんから。そのテーマを伝えるために、黒島はどういう選択をすることが必要なんだろう…?と考えていくと、結果的にラブストーリーとして完成しました。パラレルワールドでは、ドラマ以上に二階堂を好きになっていく黒島がいて、一方では自分のなかの狂気を抑えることができないというジレンマもある。ドラマで作り上げたキャラクターをより深く考え、肉付けしていくことで、自然と愛の物語が生まれたなと思っています」

佐久間「僕自身ラブストーリーを撮るのが久しぶりでしたので、撮り応えもあり、とても楽しかったです。黒島のセリフのトーンや表情も、かなりこだわって撮らせていただきました。皆さん、いいお芝居をたくさんしていただきました」

――本シリーズでは、俳優の皆さんが個性豊かなキャラクターを生き生きと演じられています。原田知世さんと田中圭さんの座長ぶりとはどのようなものなのでしょうか。

原田知世&田中圭が真ん中にいることで、明るく温かな現場になっているという
原田知世&田中圭が真ん中にいることで、明るく温かな現場になっているという[c]2021『あなたの番です 劇場版』製作委員会

鈴間「知世さんはいつもニコニコされていて、いらっしゃるだけで場が和みます。また圭さんは、ほかの役者さんにとっても“この人のためなら”と思わせてくれる愛らしさがある。包容力とかわいらしさがあって、お2人がいることでみんながポジティブになれるような座長です」

佐久間「本当にそうですね。田中さんからは、いつも『このシーンをおもしろいものにしよう』という熱意がみなぎっていて、演出家的な魂を持っていらっしゃる方だと思います。こちらのリクエストに全力で応えてくれるし、アイデアもたくさん出してくれる。いつもとても助かっています。『あな番』の現場は、本当におもしろい役者さんばかりがいらっしゃる。僕にとってもとても刺激的な現場でした」

――また「あな番」メンバーに会いたいと思っているファンの方も多いはずです。さらなる続編などはいかがでしょうか?

鈴間「またみんなで集まって撮影ができたら、本当に楽しいでしょうね。ご要望があって、そういう機会が生まれたらとてもうれしいです。試写でお会いした際、脚本の福原さんは『これはまた書けますね!』とおっしゃっていました(笑)」

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