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映画『あな番』犯人はどう決めた?リピート鑑賞時の注目ポイントなど、監督&プロデューサーに直撃インタビュー

インタビュー

映画『あな番』犯人はどう決めた?リピート鑑賞時の注目ポイントなど、監督&プロデューサーに直撃インタビュー

「『真犯人フラグ』真相編ではいろいろなことが明らかになる。『あな番』ファンの方にはきっと楽しんでいただけるはず」(鈴間)

衝撃シーンの連続!今度は誰が亡くなるのか?
衝撃シーンの連続!今度は誰が亡くなるのか?[c]2021『あなたの番です 劇場版』製作委員会

――第1部が衝撃のラストを迎えた「真犯人フラグ」も話題を呼んでいます。「真犯人フラグ」に取り組むうえで、これは新たな挑戦だったと感じられていることがあれば教えてください。

鈴間「『あな番』は毎回ショッキングな出来事が起こり、勢いで前半戦を走り抜けましたが、一方『真犯人フラグ』の前半戦は我慢の連続でした。誰かが死んだり、ショッキングな出来事が起こらないなかで、あらゆる情報を視聴者の方に届けていくというやり方に挑戦しています。『展開が遅い』というご意見もいただいていますが、実はこの前半戦の時間の積み重ねがとても重要で。『あな番』で視聴者の皆さんの考察力のすごさを実感しましたので、今回はファクトが出ないまま、いろいろなヒントを出していくというパターンに挑んでみたいと思いました。

後半戦では、前半にお渡ししたヒントがいろいろと回収されていきます。関係なさそうに見えたこと、あおっているだけに感じるようなものも、意外と肝心な伏線になっていますので、楽しみにしていただけるとうれしいです」

佐久間「主人公・相良凌介(西島秀俊)の家族が誘拐されることをきっかけに物語が進んでいくドラマですので、凌介の心情はセンシティブに描いていかなければと感じています」

鈴間「翔太くんのように、大切な人が殺されてしまっていたら復讐や反撃という心情を描くことができますが、凌介の場合は、まだ家族が生きているはずだと諦めていない状況にあります。そういった主人公を描くことは、とても難しいことなんですよね」

佐久間「リアルな世界では、悲しいことがあったとしても、平静を装って仕事に行ったりするものですよね。でもそれをドラマでやると『なぜこの人は落ち込んでいないんだろう』という形に見えてしまいがちです。難しいですね」

――「真犯人フラグ」の真相編は、1月9日(日)より放送となります。見どころを教えてください。

鈴間「真相編では、ショッキングな死に方をする人が出てきます。『あな番』ファンの方には楽しんでいただけるのではないかなと思っています(笑)。壮大なお話になりますので、毎話『これはこういうことだったのか』という事実が出てきます。第2部には“真相編”というタイトルをつけましたが、10話をかけていろいろなことが明らかになっていきます。最終回だけ観ればいいというドラマにはなりませんので(笑)、ぜひ楽しみにしていただきたいです」

佐久間「真相編はかなりドライブ感がありますよね。どんどんストーリーが展開していくので、後半戦も楽しみにしていただけるとうれしいです」

――どちらも秋元康さんが企画・原案を担当されています。これまで数々のヒットドラマを手掛けていますが、秋元さんがドラマに携わることでどのような変化、効果が生まれるのでしょうか。


尾野ちゃん(奈緒)はなんと妊婦に!お相手は一体…
尾野ちゃん(奈緒)はなんと妊婦に!お相手は一体…[c]2021『あなたの番です 劇場版』製作委員会

鈴間「福原さんが“秋元ジャンプ”という表現をされていましたが、まさにその通りで。私たちがある筋道を作り、最後に『こうしたほうがおもしろくない?』というびっくりするようなアイデアをくれるのが秋元先生。例えば『ここにもう一つパンチがほしいな。尾野ちゃんが黒島ちゃんに緑の液体を吹きかけるのはどう?』と言われた時も本当に驚きました。そんな場面、誰も思い浮かびませんよね(笑)。“秋元ジャンプ”を実現すべく、そこまで持っていくにはどうしたらいいだろうか?と考えていくことが、私たちのミッションだと思っています」

佐久間「秋元さんからの『おもしろいものを作ってほしい』という期待値が高いので、いつも緊張します(苦笑)。黒島がホームから突き落とされるという展開や、『真犯人フラグ』で新居のコンクリートにローファーが埋まっているのも、秋元さんのアイデアです。『どうやって撮ろう』と驚かされるものも多いですが、そういったものに食らいついていくことで新しいことに挑むことができているなと感じています」

取材・文/成田おり枝

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