横浜流星、米倉涼子&綾野剛との共演に喜び!「すてきな先輩と一緒にお芝居できて幸せ」
日本アカデミー賞作品賞を受賞した映画を新たな物語として描くNetflixシリーズ「新聞記者」(1月13日よりNetflix全世界独占配信)のワールドプレミアイベントが1月10日にイイノホールで開催され、米倉涼子、綾野剛、横浜流星、藤井道人監督が登壇。横浜が「こんなにもすてきな先輩方と一緒にお芝居できたことを幸せに感じています」と米倉と綾野との共演を喜んだほか、それぞれが若者に力強いメッセージを送った。
近年の政治事件やスキャンダルに正面から切り込み、衝撃的な内容とスリリングな展開で第43回日本アカデミー賞最優秀作品賞を含む主要3部門を獲得した映画『新聞記者』(19)。映画版に引き続き藤井道人が監督を務め、映画版とは違ったアプローチでさらに深く現代社会の問題を浮き彫りにしていく。“新聞業界の異端児”と呼ばれる東都新聞社会部記者・松田杏奈を米倉、理想を抱きつつも組織の論理に翻弄される若手官僚の村上役を綾野剛が、新聞配達をしながら大学に通う就活生の木下亮役を横浜が演じている。
使命感と共に葛藤をにじませる女性を演じた米倉は、「きっとここにいる95パーセントくらいの人は、ものすごく元気で強くてパワフルな米倉涼子(だと感じていると思う)。いまもこんな派手な格好をしていますが、対照的な役をやっています。ちょっと我慢した部分も多かったですが、すごくいい経験をさせていただいた」と新境地への充実感を吐露。
妥協せずにものづくりに向かう藤井監督との仕事にも「どんな質問をしてもすぐに返ってくる。どんな時にも意見がある。どんな時にもこんなふうにしてほしいという想いが伝わる。そんな監督に出会えてラッキー」と大きな笑顔を見せていた。藤井組の常連でもある綾野は「藤井組の最強のチーム力をこの作品に踏襲した」、横浜も「作品に入る前に、藤井監督から『自分が描きたかったところの役目を任せたい』と言っていただいた。断る理由はなかった」と明かしていた。
この日が成人の日であることにちなみ、会場には10代、20代の若者を中心とした観客が集まった。若者たちの質問に答えるひと幕もあったが、「この仕事が自分に向いていないと思った瞬間はありますか?」と聞かれた米倉は、「この仕事が天職なのかどうか確信したことがない。ただやってやるという想いと、せっかくやり始めたことはやり通したいという想いがある。隣の芝が青く見えるタイプ。すべて自分で納得したことがなくて。あの人のほうがいいなぁといつも思ってしまう。ということは、まだまだ自分に足りないなということが多いということ。自分には向いていないのかもと思ったことを、超えてやろうと思う。悔しいなと思いながら生きている。そういう気持ちが沸き立たないと次のエネルギーにならない」と熱弁。「どんな居場所も楽なことなんてない。これからもっと泥まみれになってください」と力強いメッセージを送った。
横浜は「いまの自分に満足していないからこそ、頑張れる」と告白し、「自分の代わりなんていくらでもいる。自分も10代のころは比べてしまうこともあった。向いていないんじゃないかと思うこともあった。ただ自分が決めた道だし、芝居が好きだし、やめるという選択肢はない。いつなにが起きるかもわからないし、時間もどんどん過ぎていくので、落ち込んでいる暇もないし、誰かと比べている暇もない。いまに全力を尽くすことで、そういうことを考えなくなった。1秒でも大切にして、自分のやりたいことはなんだろうと考えていればいいのかなと思います」と自身の経験を重ねながらエールを送る。
モチベーションを上げる方法を尋ねられた綾野は、「最高の仲間を見つけること」と回答。「自分を磨いてくれて、自分がかなわないと思う人と一緒にい続けること。僕の周りは天才が多過ぎて、凡人の自分が必死にそこに食らいついていくことで、後天性で生まれてくる発想を信じられる。いい仲間をひとりでも見つけることかな」と優しく語りかけていた。
取材・文/成田おり枝