内山昂輝が語る、狗巻棘の感情表現。圧倒的に少ない言葉、セリフに込めた想いとは?

インタビュー

内山昂輝が語る、狗巻棘の感情表現。圧倒的に少ない言葉、セリフに込めた想いとは?

『呪術廻戦』の原点であり、‟愛と呪いの物語”を描いた『劇場版 呪術廻戦 0』が公開中。テレビアニメ『呪術廻戦』の前日譚が描かれる本作で狗巻 棘役を演じている内山昂輝。劇場版では、主人公・乙骨憂太(声:緒方恵美)と出会う東京都立呪術高等専門学校で1年生だったころの狗巻が登場する。通常会話はすべておにぎりの具のみという独特なボキャブラリーと口元を隠したミステリアスさ、そして戦闘時には呪言という強力な能力で魅せる狗巻役の内山が、アフレコと自身の高校時代を振り返る。

東京都立呪術高等専門学校の同級生である狗巻棘とパンダ
東京都立呪術高等専門学校の同級生である狗巻棘とパンダ[c] 2021「劇場版 呪術廻戦 0」製作委員会 [c]芥見下々/集英社

「いろいろな表現を試しながらシーンに合う言葉を選んでいった」

どの作品においても「キャラクターの魅力」を考えすぎないようにしているという。「自分が役を演じ、世に放たれた作品に関しては観る人に自由に感じ取ってほしい。やる側が魅力を意識し始めるとあざとくなる可能性もあるので、普段から“このキャラクターの魅力はこうだ”と決めつけないようにしています」と語る内山。狗巻が多くのファンを惹きつける理由について「キャラクターデザイン、それが動いたときのかっこよさ、かわいらしさと、呪言を発するシーンでの映像の迫力だったりするのかな。絵や映像に支えられている部分が大きいと感じています」と説明する。

アフレコを振り返り、狗巻へのアプローチを解説してくれた
アフレコを振り返り、狗巻へのアプローチを解説してくれた撮影/野崎航正

圧倒的にセリフが少なく戦闘時以外はおにぎりの具のことしか言わない狗巻を演じるにあたり、どのようなディレクションがあったのだろうか。「最初のアフレコの前は、言葉数が限定されているなかで感情表現を豊かにするのか、あるいはサラッと言葉だけを置きにいくのか、どういうふうにしようかなと考えていましたが、アフレコが始まったら感情表現を豊かにしてほしいというリクエストでした。狗巻は『この言葉(具材)でこの感情を表現したい』という翻訳表を原作サイドからいただき細かなディレクションがあり、それを念頭において演じました。どの言葉にもちゃんと意味があって、結構細かいニュアンスを伝えようとしていることがわかりました。収録段階ではいろいろなパターンを試しました。1つの単語につき、かなりのテイク数を録った記憶があります。いろいろな表現を試しながら、シーンに合う言葉を選んでいった感じです」。

狗巻は、禪院真希(声:小松未可子)、パンダ(声:関 智一)の3人の中で、乙骨とは一番“横に並んでいる”印象が強い。「乙骨からしたら、どうコミュニケーションをとればいいのか、戸惑う場面も描かれていて、言葉数や話せる言葉を考えても、狗巻と交流を深めていくのは難しいだろうなと思っていました。狗巻も敵意があったわけではないけれど、真希やパンダとのすでに出来上がった関係性とは違って、最初はぎこちない感じがあります。僕は、テレビアニメの収録時に0巻を読んでいなかったので、今回、彼ら4人の関係性を知って、あの時の2年生たちはこの乙骨と離れた後だったんだ、と思いました」と明かした。

劇場版では東京都立呪術高等専門学校1年生時代の狗巻らが描かれる
劇場版では東京都立呪術高等専門学校1年生時代の狗巻らが描かれる[c] 2021「劇場版 呪術廻戦 0」製作委員会 [c]芥見下々/集英社

映画の見どころがアクションであることは言うまでもない。「特に後半のアクションに次ぐアクションは、映画館の大スクリーン、大音響で映える作品になっています。テレビシリーズの映像も、毎週放送される作品とは思えないくらいのレベルでしたが、それがさらなる高みまで到達しています。僕もアフレコの時から劇場で観るのをすごく楽しみにしていました」と微笑む内山。アフレコを振り返り「狗巻は呪言を使った分だけ、そのダメージが自分に跳ね返ってきます。圧倒的な威力を発揮しますが、すべて自分に戻ってくるからこそ覚悟を決めて攻撃します。僕が大切にしたかったのは、その度合いです。どのくらいの覚悟を持ってその攻撃を仕掛けようとしているのか。呪言の威力と狗巻のリスクをどんなふうに設定するかについては、細かく確認しながら収録していきました」とアプローチを解説した。

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