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『ゴーストバスターズ』はなぜ1984年から現在まで、観客を魅了し続けるのか?

コラム

『ゴーストバスターズ』はなぜ1984年から現在まで、観客を魅了し続けるのか?

日本の一流アーティストも手掛けたキャッチーなゴーストたち

これらのガジェットを手にメンバーが立ち向かうのが、ニューヨークに出現したゴーストたち。図書館を徘徊する本格ホラー系のライブラリー・ゴースト、食欲旺盛なユーモア系のオニオン・ヘッド、エロティックなドリーム・ゴースト、そして世界に破滅をもたらすラスボスの破壊神ゴーザなど多彩なゴーストが登場した。なかでも見せ場を作ったのが、ゴーザの番犬テラードッグとゴーザの化身マシュマロマン。前者は四つ足のアクティブな野獣系、後者は丸くてかわいいけれど45メートルの巨体で街を破壊する怪獣系でクライマックスを盛り上げた。

おなじみのガジェットで逃げだしたゴーストを撃退!(『ゴーストバスターズ/アフターライフ』)
おなじみのガジェットで逃げだしたゴーストを撃退!(『ゴーストバスターズ/アフターライフ』)

本作のゴースト作りには、日本を代表する特殊メイクアーティストの江川悦子が参加している。当時アメリカに在住し駆けだしだった彼女は、造形などのアシスタントとして見せ場作りに貢献した。ちなみに本作の前に彼女が参加したのがデヴィッド・リンチ監督作『デューン 砂の惑星』(84)。のちに帰国し、ハリウッド仕込みの特殊メイクで大活躍する江川だが、助手時代から大作に縁があったようだ。

『ゴーストバスターズ2』では死刑にされたマフィア兄弟が怪物化したスコレーリ・ブラザーズ、ドロドロの生命体ピンク・スライム、進化系オニオン・ヘッドなどのほか、ゴーストバスターズの援軍として自由の女神も出陣!前作に負けない超個性派ゴーストたちは、またもニューヨークを大混乱に陥れた。

レガシーを受け継いだ最新作はオリジナルへのリスペクト満載


今回オバケ撃退に繰りだすのは少年少女たち(『ゴーストバスターズ/アフターライフ』)
今回オバケ撃退に繰りだすのは少年少女たち(『ゴーストバスターズ/アフターライフ』)

そんなシリーズの最新作が、2022年上半期の話題作『ゴーストバスターズ/アフターライフ』だ。舞台はオリジナルシリーズの30年後、田舎町で孤独な晩年を送ったイゴンの幼い孫たちが、祖父のレガシーを受け継ぐ物語。監督はライトマンの息子ジェイソン・ライトマンで、父とはまた違う切り口で新世代のゴースト退治を描いている。

主人公の科学少女フィービーにクリス・エヴァンスと共演した『gifted/ギフテッド』(17)に主演し絶賛されたマッケナ・グレイス、彼の兄トレヴァーに「ストレンジャー・シングス 未知の世界」や『IT/イット“それ”が見えたら、終わり。』(17)でブレイクしたフィン・ウルフハードと、注目の天才子役が出演。彼らと共に怪事件に巻き込まれる教師役は「アントマン」シリーズのポール・ラッドで、笑いのツボもしっかり押さえている。ほかにも意外なゲスト陣、テラードッグやマシュマロマンなど人気ゴーストも登場と、オリジナルへの愛情がたっぷり詰まった作品だ。

映画という枠を超え、カルチャーとしてすっかり定着している『ゴーストバスターズ』。新作の公開に続き、2年後の40周年にもなにかサプライズが待ってるかも?いまだ古びることのないその魅力を、映画館で堪能してみては。

文/神武団四郎

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