花江夏樹×梶裕貴×村瀬歩が語り合う、『グッバイ、ドン・グリーズ!』にあふれる好奇心と思春期の苦悩 - 2ページ目|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
花江夏樹×梶裕貴×村瀬歩が語り合う、『グッバイ、ドン・グリーズ!』にあふれる好奇心と思春期の苦悩

インタビュー

花江夏樹×梶裕貴×村瀬歩が語り合う、『グッバイ、ドン・グリーズ!』にあふれる好奇心と思春期の苦悩

「チボリの角度の違った考え方、世界の切り取り方は印象的」(梶)

――印象に残っている、好きなセリフはなんですか?

梶は幼い頃から医者を目指す秀才のトト役を演じる
梶は幼い頃から医者を目指す秀才のトト役を演じる[c]Goodbye,DonGlees Partners

梶「3人の少年とはまた角度の違った考え方、というか世界の切り取り方をしているのが、チボリという同級生の女の子。そんな彼女が、写真は自分にしか見えていない一瞬を切り取って、共有することができることを語るセリフが印象的でしたね。人によっては同じものを見ても感じ方が違うだろうし。それが写真なら、撮影した人と見る人でも、また全然違うだろうし。家族や学校などのコミュニティに所属していると、そこでのルールが世界のすべてのように感じられてしまうもの。そんな『物事の考え方、捉え方というのは一つじゃないんだ』ということを悟り、教えてくれたチボリはすごいなと。普通自分では、ましてや子どもには、なかなか気づけないことですよね」

写真が大好きで笑顔が魅力的なチボリ
写真が大好きで笑顔が魅力的なチボリ[c]Goodbye,DonGlees Partners

花江「同じ写真の話になりますが、ドロップが『本当はチボリが赤を撮りたかったんじゃないか』と話すセリフがあるんです。それは自分にとっては失敗だったり、微妙だなと思っていても、別の捉え方ができるんだと気づかされたセリフでしたね」

村瀬「僕はドロップの『間違ってばかりだよ』というセリフが好きです。彼らの年齢だと失敗しちゃいけない、レールの上を歩いていかないといけない生きづらさや閉塞感があるなかで『間違ってばかりだけどそれでいいじゃん』と。それをカラッとした感じで言うのが台本を読んでいる時から印象的で『間違ってもいいのか』と、素になってしまいました。いしづか監督はハッとさせるひと言を差し込んでいるなと感じます」

「友人と浜辺をわけもなく歩いたのが、なんかエモいなって(笑)」(村瀬)

――最後に、お三方がこれまで体験した“冒険”エピソードを教えてください。

大冒険の果てに手にする“宝物”とは?
大冒険の果てに手にする“宝物”とは?[c]Goodbye,DonGlees Partners

花江「小学生のころ、なにかひとつ自分のなかで特技とかキャラ付けみたいなものとかが欲しいと思い、近所の公園の裏山にあった5、6mくらいくぼんでいた場所で『この谷へ飛び降りても大丈夫なキャラになろう』と思い、飛びました。下には落ち葉があり怪我もなく、みんなからは拍手をもらえましたが、家に帰ってからめっちゃ足が痛かった。いま考えると危ないですよね。あれは冒険だったな」

梶「高校卒業の数日後、クラスの男友達と2人で、住んでいた沿線で一番の都会、池袋へ『自転車で行ってみようよ』と。電車で40分はかかる距離を、です(笑)。朝4時か5時に出て、おしゃべりをしながら、7時間ほどかけて。帰りは会話すらなく、黙々と5時間(笑)。その時はつらすぎて『なんでこんなことを…?』なんて思いましたが、いまとなっては学生時代らしいすてきな思い出になったと感じています」

アイスランドから来た少年ドロップ役を演じた村瀬
アイスランドから来た少年ドロップ役を演じた村瀬[c]Goodbye,DonGlees Partners


村瀬「4年ほど前に、仲がいい5人で北海道へ3泊4日の旅行をしました。しっかりとしたスケジュールは組まず『今日は小樽へ行く?』『動物見たいな』『じゃあ動物園へ行く?』という感じでレンタカーを走らせて。コテージに泊まったり、浜辺をみんなでわけもなく歩いたり、なんかエモいなって思いながら(笑)。基本的に外に出たがらない僕にとって大きな冒険でした」

取材・文/小林治


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