「自分の声が好きじゃない」…花江夏樹&川上洋平が語り合う、お互いから受けた刺激

インタビュー

「自分の声が好きじゃない」…花江夏樹&川上洋平が語り合う、お互いから受けた刺激

「誰もやっていない道を突き進んでいく」(花江)、「いつでも通過点。死ぬまでもがき続ける」(川上)

――“ドン・グリーズ”たちの冒険を通して、人生に秘められた可能性や世界の美しさを感じさせてくれる本作。観れば観るほど味わい深くなるような映画だとも思いますが、リピート鑑賞す際に「ここに注目するとさらにおもしろい」という場面がありましたら教えてください。

ドロップのセリフは名言の宝庫!
ドロップのセリフは名言の宝庫![c]Goodbye,DonGlees Partner

花江「ロウマ、トト、ドロップの3人での会話はテンポよく流れていくので、1度目に観た時には頭から抜けていってしまうセリフもあるかと思います。でもみんな意外といいことを言っているんですよね。それを押し付けすぎないのが、この映画のいいところだと思うんですが、結末を知ったうえでもう一度観るとなると、ぜひドロップのセリフに注目してほしいです。彼の言葉の意味がまた違って感じられるような瞬間もあると思うので、2回観たほうがより楽しめる映画だなと思っています」


ロウマは、チボリが自分の好きなものを語る姿にハッとさせられる
ロウマは、チボリが自分の好きなものを語る姿にハッとさせられる[c]Goodbye,DonGlees Partner

川上「僕は、ロウマとチボリちゃんのシーンを推したいです。最初はロウマの恋愛対象としてチボリちゃんを見ていたんですが、次第に『チボリちゃんは、物語の案内人役であり、いしづか監督なのかな』と思うようになりました。監督が伝えたかったことが彼女のセリフにも込められているし、ロウマとチボリちゃんのシーンだけ、少しこの映画の世界観が変わる。いろいろな人の触れ合いが感じられる映画だと思います」

――思春期真っ只なかの“ドン・グリーズ”たちは、もがきながら自分自身や生きる意味を見つけていきます。お2人が夢にたどり着くまでに「もがいたな」と思うご経験はありますか?

メンバーへの想いを明かした川上
メンバーへの想いを明かした川上撮影/興梠真穂

川上「僕はずっともがきっぱなしです。もがいていなかった時がない(笑)。大きなステージに立てたことも、いろいろなことに携わらせていただいているいまの状況も、すべてを通過点だと思わないとダメだなと肝に銘じていますし、死ぬまでもがいていくんだろうなと。そんななかで、メンバーという仲間の存在はやっぱり心強いです。ただ以前から『お前が楽器をできなくなったらクビだからな』とか、一方では『僕が曲を書けなくなったり、歌えなくなったらすぐに辞めます』とも言っていますし、そういった厳しさみたいなものも共有しながら、お互いに刺激し合っているような感じで。友だちでもあるけれど、切磋琢磨できる関係だなと思っています」

【写真を見る】花江夏樹&川上洋平を、独占撮り下ろし!充実の対談となった
【写真を見る】花江夏樹&川上洋平を、独占撮り下ろし!充実の対談となった撮影/興梠真穂

花江「めちゃくちゃいい関係ですね!僕としては、好きなことの延長でこの職業にたどり着いたので、もがいているというより、楽しさのほうが大きい感じがしています。10代の頃からずっと、“誰もやっていない道を突き進んでいけば、需要があるんじゃないか?”ということをイメージして仕事に励んできましたが、そのやり方もとても楽しいですし、おそらくこの先もそうやって進んでいくんだろうなと思っています。“誰もやっていないところ”という意味では、ロウマ役でやったお芝居も、『グッバイ、ドン・グリーズ!』の世界観であるからこそ、できたお芝居だなと思います。

僕はデビュー当時から、本作でやらせていただいたような実写寄りのお芝居が大好きで。なぜかというと、お芝居自体もリアルに近いので、僕自身とても納得ができるんです。例えば、Aパートの終わりとBパートの終わりで、“ここはすごく盛り上がるところだから、あえてセリフをハッキリ言う”という演技を求められることもあります。そういった場合でも、ちゃんと気持ちがついていくような流れになっていることが大切だなと感じていて。『グッバイ、ドン・グリーズ!』はすべての感情の流れが腑に落ちることばかりで、リアルなお芝居を追求することができました。ものすごく楽しかったです」

取材・文/成田おり枝


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