「ガンダム」シリーズのメカニックデザイナー石垣純哉が徹底解説!「映画ドラえもん」最新作登場メカへのこだわり
世代を超えて愛されている人気シリーズ「映画ドラえもん」。現在、シリーズ第41作目となる『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ) 2021』が公開中だ。反乱軍から逃れ、地球にやって来たピリカ星の少年大統領パピと出会ったのび太とドラえもんが、パピとその故郷を守るため宇宙を舞台に大活躍する姿が描かれる。
タイトルに「2021」とあるように、今作は1985年公開の第6作『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争』のリメイク。宇宙戦艦をはじめ次々に登場するメカたちも、時代に合わせリニューアルされている。そんな今作でメカデザインを務めたのが、メカニックデザイナーの石垣純哉だ。「機動戦士Vガンダム」「新機動戦記ガンダムW」「機動新世紀ガンダムX」や「ガンダムビルドファイターズ」「マクロスゼロ」「マクロスF」など、数々の人気シリーズでメカニックを中心にデザインワークを手掛けてきた。日本アニメ界を代表する作品群で活躍中の石垣に、今作のメカデザインのポイントや作品に込めた想いを聞いた。
「メカデザイナーの立場でいえば、レジェンド級の方たちが参加してきたシリーズ」
テレビシリーズを含め「ドラえもん」には初参加となる石垣。今回映画に参加したきっかけは、スタジオ・トラピゾイドの仲間である山口晋監督だ。『超劇場版ケロロ軍曹 誕生!究極ケロロ 奇跡の時空島(じくうじま)であります!!』(10)「機動戦士ガンダムAGE」などでも仕事をしている。
子どものころから知っている「ドラえもん」への参加を打診された石垣は、「こんなチャンス2度とないなと、内容は関係なくやりますと山口さんに返事をしました」と振り返る。これまでも「映画ドラえもん」シリーズには、「機動戦士ガンダム」のモビルスーツの生みの親であるメカニックデザイナーの大河原邦男(『映画ドラえもん のび太の宇宙開拓史』)、SFアートの第一人者でメカデザインやSF設定でも知られる宮武一貴(『映画ドラえもん のび太の宇宙漂流記』)がメカデザインを手掛けてきた。そんな巨匠が参加してきたシリーズに名を連ねる喜びもあったという。「メカデザイナーの立場でいえば、レジェンド級の方たちが参加してきたシリーズですから。自分としては、やらない選択肢はなかったですね」。