批評家が選ぶ、歴代「バットマン」ランキング!“フレッシュ”なおすすめ映画10選

コラム

批評家が選ぶ、歴代「バットマン」ランキング!“フレッシュ”なおすすめ映画10選

もっとも高い評価を獲得したのは、やはり「ダークナイト」3部作の第2作『ダークナイト』の94%フレッシュ。公開当時には『タイタニック』(97)に次ぐ北米歴代興収第2位のメガヒットを記録し、本作がアカデミー賞作品賞候補にならなかったことで大論争を巻き起こすほど、アメコミ映画の歴史を塗り替えた一本だ。そしてもちろんジョーカー役を演じたヒース・レジャーがアカデミー賞助演男優賞を受賞した伝説的な怪演は、いまでも語り草となっている。

もっとも高い評価は『ダークナイト』の94%フレッシュ
もっとも高い評価は『ダークナイト』の94%フレッシュ写真:EVERETT/アフロ

「ダークナイト」3部作は、第1作の『バットマン ビギンズ』も84%フレッシュ、第3作の『ダークナイト ライジング』も87%フレッシュといずれも高評価ぞろい。このシリーズの批評、興行両面での大成功は、娯楽性よりもダークでスタイリッシュな雰囲気を持ち、監督の作家性を尊重する後々のDC映画のカラーを作りあげたといってもいいのではないだろうか。

レゴの世界で活躍!『レゴバットマン ザ・ムービー』も90%フレッシュの高評価
レゴの世界で活躍!『レゴバットマン ザ・ムービー』も90%フレッシュの高評価写真:EVERETT/アフロ

そんな「ダークナイト」3部作に割って入るように、人気玩具のレゴで作られた独創的なアニメーション映画シリーズのひとつ『レゴバットマン ザ・ムービー』が90%フレッシュを獲得していたり、1966年に製作されたアダム・ウェスト主演の初の長編作品が79%フレッシュでランクインするなど、いかなるタイプの作品も広く愛されていることがよくわかる結果に。


『ザ・バットマン』のロバート・パティンソンもハマった『バットマン リターンズ』
『ザ・バットマン』のロバート・パティンソンもハマった『バットマン リターンズ』写真:EVERETT/アフロ

1980年代後半から1990年代にかけて製作されたシリーズは、マイケル・キートンがバットマンを演じた作品のみが高評価を獲得しているが、参考までに『バットマン フォーエヴァー』(95)は40%。『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』(97)はわずか12%と酷評が目立つ。とはいえ『バットマン&ロビン』では当時頭角を表したばかりのジョージ・クルーニーがバットマン役。彼がその後ハリウッド映画に欠かせない俳優へと成長を遂げたことは言うまでもなく、評価こそ低くとも重要な作品であることは間違いない。

『ジャスティス・リーグ』の劇場公開版は40%ロッテンの低評価に…
『ジャスティス・リーグ』の劇場公開版は40%ロッテンの低評価に…写真:EVERETT/アフロ

もう一つ見逃せないポイントは『ジャスティス・リーグ』だ。ジョス・ウェドン監督による2017年の劇場公開版は批評家、観客双方から低評価が目立ったが、その後ファンからの熱烈な要望を受け、撮影終盤で降板していたザック・スナイダー監督が、自ら初期構想に基づいて再編集を施した『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』として生まれ変わり、大きく評価を持ち直している。やはり「バットマン」映画において、監督が誰であるかは非常に大きな要素といえるだろう。

『THE BATMAN-ザ・バットマン-』ではロバート・パティンソンがブルース・ウェイン/バットマンに!
『THE BATMAN-ザ・バットマン-』ではロバート・パティンソンがブルース・ウェイン/バットマンに!写真:EVERETT/アフロ

最新作の『THE BATMAN-ザ・バットマン-』では、「猿の惑星」シリーズのリブートに成功したマット・リーヴス監督がメガホンをとり、「トワイライト」シリーズのロバート・パティンソンが“2年目のバットマン”の内面に潜む脆さを体現。『ダークナイト』を彷彿とさせつつも現代的にアップデートしており、それに匹敵する高評価も獲得、興行的にも大成功している。また一つ「バットマン」映画の新たな時代が到来したといえよう。

文/久保田 和馬

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