「ファンタビ」グリンデルバルド役のマッツ・ミケルセンに独占インタビュー!「ニワトコの杖を握った時はワクワクして、持って帰りたいほどでした(笑)」
「ハリー・ポッター」魔法ワールドの最新作にして、「ファンタスティック・ビースト」シリーズの第3弾『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』(公開中)。本作で世界に破壊と混乱をもたらす史上最悪の黒い魔法使い、ゲラート・グリンデルバルド役を演じるのが、デンマーク出身の国際的な俳優、マッツ・ミケルセンだ。前作まで同役を演じていたジョニー・デップの後を引き継ぎ、紳士然としつつも危険な香りを漂わす野心あふれるキャラクターを体現している。なんと今回、そんなミケルセンにオンラインインタビューを実施!魔法の杖を手にした感想やグリンデルバルドの恐ろしさ、宿敵となった盟友との関係についても語ってもらった。
「ジョニーが演じてきた役に、敬意と愛を持って取り組みました」
本作から新たに魔法ワールドの仲間入りをすることになったミケルセン。この世界でおなじみのアイテムを一つ挙げるなら、魔法の杖をおいてほかにないだろう。しかも、グリンデルバルドが所持しているのは、「ハリー・ポッター」にも登場した、最強の杖と言われる“ニワトコの杖”だ。まずは、撮影に入って初めてこの杖を握った時の気持ちを聞いてみた。
「小道具なのはもちろんわかっていたのですが、それでもすごくパワフルなものを感じました。みなさんもご存知のように、私が手にしているのは、シリーズでも特に重要なニワトコの杖です。だから、このまま返したくない、持って帰ろうとさえ思いました。でも、ちゃんとスタッフから返却を求められたので、返さざるを得なかったです(笑)」
魔法界と人間界の支配を企み、勢力を拡大するグリンデルバルド。彼の野望を阻止するため、おっちょこちょいの魔法動物学者、ニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)は恩師のアルバス・ダンブルドア(ジュード・ロウ)らと協力し、5つの魔法のトランクに隠された“秘密の作戦”で立ち向かう。
ミケルセンといえば、これまでにもル・シッフル(『007 カジノ・ロワイヤル』)やロシュフォール(『三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』)、カエシリウス(『ドクター・ストレンジ』)など魅力的な悪役で強烈な印象を残してきた。圧倒的な魔法の強さに加え、あふれ出るカリスマ性で人々を魅了してしまうグリンデルバルドを演じるにあたり、どのようなアプローチを行ったのだろうか?
「娘と息子がいるので、『ハリー・ポッター』の映画は封切り時に全部観ています。合わせて、20回くらいは観ているかもしれません(笑)。『ファンタスティック・ビースト』も何度も見返し、(監督の)デイビッド(・イェーツ)やジュードとも話し合って役を作り上げました。ただ、この役には比較対象があります。以前に演じてきた人がいるので、そこに対する敬意を表したかった。ジョニーと役の橋渡しをしながら、同時に私なりのキャラクターにも作り上げたいと考えていました。願わくば、敬意と愛を持ってそれらを成し遂げたと思いたいです」
「敵か味方かわからない相手だからこそ、洗脳のしがいがある」
大勢がグリンデルバルドの思想に傾倒し、賛同者になっていく。さらに彼が恐ろしいのは、善人と思われる人の心も手中に収めてしまうところ。前作『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(18)では、マグルのジェイコブ(ダン・フォグラー)と恋愛関係にあったクイニー(アリソン・スドル)までもが、グリンデルバルドの陣営に加わってしまった。しかしミケルセンは、「クイニーが100%自分の側についているかどうかは、実はグリンデルバルドにもはっきりとわかっていない」と分析する。
「敵か味方かわからない相手だからこそ、洗脳のしがいがあるのではないでしょうか。丸め込めればしめたものだし、たとえできなくても―まあ、古いことわざにもあるように“敵は近くに置く”が正解ですから。それに、クイニーは“開心術”の使い手で相手の心を読むことができ、それはグリンデルバルドにとっても大きな武器になる。いつ裏切りに遭うかわからないのもスリリング。グリンデルバルドはそういうゲームが好きなんです(笑)」