「ファンタビ」グリンデルバルド役のマッツ・ミケルセンに独占インタビュー！「ニワトコの杖を握った時はワクワクして、持って帰りたいほどでした(笑)」

「対立するグリンデルバルドとダンブルドアも、使っているメソッドは一緒だったりする」

魔法界では国際魔法使い連盟の新たなリーダーを決める選挙が迫っており、グリンデルバルドも候補者に名乗りを上げる。対するダンブルドアは、ニュートや彼の兄でイギリス魔法省に勤務する闇祓いのテセウス(カラム・ターナー)、呪文学の教師ユーラリー(ジェシカ・ウィリアムズ)、名門魔法族の末裔ユスフ(ウィリアムズ・ナディラム)、ニュートの助手を務めるバンティ(ヴィクトリア・イェーツ)、そしてジェイコブ…といった寄せ集めチームを結成する。

実はダンブルドアとグリンデルバルドは、若いころに志を同じくした盟友だった。“血の誓い”という盟約を結んでおり、互いに攻撃することができない。そこでグリンデルバルドは、未知の力を秘め、前作でダンブルドア家との関係も示唆された青年クリーデンス(エズラ・ミラー)を使って、ダンブルドアに揺さぶりをかけようとする。

「グリンデルバルドはダンブルドアを直接攻撃することができない。だからといって、ダンブルドアがいたのでは絶対的な権力を手に入れることができない。作中には各キャラクターの思惑がはっきり描かれているのですが、問題は、それをどうやって達成するかということ。今回のストーリーはすばらしいと思います。魔法界の隅々にまで案内してくれますから」

続けて、「考えてみればダンブルドアも同じことをしていますよね」とグリンデルバルドとダンブルドアの共通点にも言及。両者ともに協力者を募って陣営を確立し、それぞれに指示を送っているからだ。「グリンデルバルドの信念とやらもあながち不純とは言えない。目的を果たせば世の中が良くなるとかたくなに信じていますから。ただそのやり方は、万人が賛成できるものではないのです。2人の目的を考えた時に、もしかしたらダンブルドアのほうが良い、善だったというふうにみなさんは思うかもしれません。でも、実は使っているメソッドは一緒だったりします」

「ダンブルドアとグリンデルバルドの関係は『ハンニバル』に通ずるところがあるかもしれません」

強い絆で結ばれながら、袂を分かってしまったダンブルドアとグリンデルバルド。この関係について考えた時、ミケルセンが猟奇殺人犯ハンニバル・レクターを演じたドラマ「ハンニバル」に近いように感じられる。主人公のFBI捜査官ウィル・グレアム(ヒュー・ダンシー)とハンニバルは、患者と精神科医という関係から、追う者と追われる者として立場が変化していくが、敵対しながらも互いを想い合うような複雑な関係性が描かれていた。

“ダンブルドアとグリンデルバルド＝ウィルとハンニバル”ではないか？と思い切って聞いてみると、ミケルセンも「撮影時に意識はしなかったのですが、言われてみると、似ているかもしれません」と興味を示してくれた。「ハンニバルたちは人生の後半で、ある意味のソウルメイトを互いに見いだしました。一方、グリンデルバルドとダンブルドアの場合は、若者として出会って、同じ夢をシェアします。出会うタイミングの違いはありますが、進む道を違えても、強い絆が残っているというのは共通するところだと思います」

加えて、グリンデルバルドはかつての盟友を失い、一抹の寂しさを感じているとミケルセンは指摘する。「グリンデルバルドもダンブルドアもすぐれた魔法使いであり、昔は同じ夢を見る同志でした。2人は自分たちが理想とする世界を作ろうとしていたんです。だから長いこと固い友情で結ばれていたけれど…結局、その友情は壊れてしまいました。お互いに対しては落胆の気持ちも持っています」