まだ観ていない?Netflixランキング上位を独占した、必見韓国コンテンツを一挙紹介!

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まだ観ていない?Netflixランキング上位を独占した、必見韓国コンテンツを一挙紹介!

「愛の不時着」と「梨泰院クラス」「イカゲーム」など、世界的人気を誇るヒット作を次々と生んでいる韓国ドラマ。Netflix内のランキング「今日の総合TOP10(日本)」において毎月5作品以上を韓国ドラマが占めるほど、国内でもいわゆる"韓ドラ"のファンは日々増えてきている。とはいえ、「気になるけど、どの作品から見ればいいかわからない」という人も少なくないはず。そういう入門者のために、韓国のゴールデン・グローブ賞と呼ばれる第58回百想芸術大賞の受賞作やノミネート作を中心に、必見の話題作を紹介したい。

大本命「イカゲーム」& ジュノ(2PM)の復帰作「赤い袖先」など、必見のドラマまとめ

【写真を見る】韓国映画界で今最も旬な俳優ク・ギョファン
【写真を見る】韓国映画界で今最も旬な俳優ク・ギョファンC&B Photography

K-ドラマの世界的な火付け役となった「イカゲーム」は現地時間5月6日、韓国ソウルにて開催された第58回百想芸術大賞でTV部門大賞とTV部門監督賞(ファン・ドンヒョク監督)、TV部門芸術賞(チョン・ジェイル音楽プロデューサー)を受賞し、三冠を達成した。主人公のソン・ギフン(イ・ジョンジェ)が大金をかけた命がけのサバイバルゲームに巻き込まれ、生き残るために奮闘する姿を描いた「イカゲーム」は94か国でランキング1位を獲得し、Netflix史上最も視聴されたシリーズとして好評されている。

朝鮮王朝史上最も波瀾万丈の人生を送った名君イ・サンと女官の恋を描く「赤い袖先」は、アイドルグループ2PMのジュノの除隊後の復帰作として配信前から話題になった。授賞式に先行して実施されたTikTok投票で100万票以上を集めるなど、人気の面で強さを誇った作品でもある。ジュノは「赤い袖先」でTV部門主演男優賞を受賞し、しっかりと俳優としての立ち位置を形成した。

Netflix史上最も視聴されたシリーズとして好評されている「イカゲーム」
Netflix史上最も視聴されたシリーズとして好評されている「イカゲーム」[c]Netflix

昨年末のニューヨーク・タイムズ紙の「2021年ベスト海外TVドラマ」にも選ばれた「D.P. -脱走兵追跡官-」はシーズン2の製作も決定するなど、視聴者から熱く支持されている作品。軍隊内部の暴力と脱走事件を取り上げて社会問題にアプローチしつつも、バディもの特有の俳優同士によるケミストリーが楽しめるエンタメ作品としても完成度が高い。特に独立映画系で演技を磨いてきたク・ギョファンは、百想芸術大賞でTV部門新人男優賞を受賞し、現在ヨン・サンホ監督脚本によるドラマ「怪異」に出演するなど絶好調だ。

少年審判の裏側に肉薄し、なぜ未成年が凶悪犯罪に手を染めてしまうかを強い社会性の眼差しで丁寧に描き切った「未成年裁判」は、TV部門脚本賞(キム・ミンソク)を受賞した。残念ながら受賞には至らなかったが、TV部門主演女優賞にノミネートしていたキム・ヘスは迫真の演技が見どころ。また、シリーズの方向を決定づける大事な初回エピソードで、残酷な殺人を犯した少年犯罪者を怪演した新人女優のイ・ヨンも、この作品で世間に名を馳せた。

性別を超えた怪演を見せた新人女優イ・ヨン
性別を超えた怪演を見せた新人女優イ・ヨン[c]Netflix

Netflixオリジナルシリーズ「今、私たちの学校は…」は、 ゾンビジャンルを学園ものに取り入れた異色作。極限状態に置かれた人間の本能をむき出しに熱演したイ・ユミと、最凶の不良を強烈に演じたユ・インス、冷静沈着な学級委員長に扮したチョ・イヒョンという、個性豊かな役をこなした出演陣が作品の完成度を高めたと評価されている。

二十五、二十一」は、夢を追えない社会を背景にそれでも希望を求めて成長していく若者を描いた青春ドラマだ。主人公たちの恋の行方に視聴者は釘付けになり、キャスト5人が歌うOST「With」もヒットするなど旋風を巻き起こした。成人男性と未成年の恋愛を肯定的に描いたことや、アメリカ同時多発テロ事件をラブロマンスの展開として使っている点が議論を呼び、一部ネットユーザーからは批判の声も上がっていたが、主人公のナ・ヒドを演じたキム・テリは同作で百想芸術大賞のTV部門主演女優賞とTikTok人気賞を受賞するという快挙を成し遂げた。

夢を追えない社会を背景にそれでも希望を求めて成長していく若者を描いた青春ドラマ「二十五、二十一」
夢を追えない社会を背景にそれでも希望を求めて成長していく若者を描いた青春ドラマ「二十五、二十一」[c]Netflix

日本での劇場公開が決定したあの大ヒット作も!必見の映画まとめ


新型コロナウイルス感染拡大の影響が続き、劇場へ観客を呼び戻すことに苦心した今年の映画界。それでも韓国ではヒットメーカーや新鋭たちによる大作・傑作が相次いで公開され、賑わいを見せている。特にソマリアで内戦に巻き込まれた韓国と北朝鮮の大使館員たちによる実際の脱出劇を豪華キャストで映画化し、日本でも7月1日(金)に劇場公開が決定した大ヒット作『モガディシュ 脱出までの14日間』(21)は、百想芸術大賞の映画部門で大賞と作品賞(リュ・スンワン監督)、芸術賞(チェ・ヨンファン撮影監督)の三冠を受賞し、今もっとも注目を集めている作品だ。

第58回百想芸術大賞で三冠を受賞した大ヒット作『モガディシュ 脱出までの14日間』(21)
第58回百想芸術大賞で三冠を受賞した大ヒット作『モガディシュ 脱出までの14日間』(21)写真:EVERETT/アフロ

ネットユーザー・評論家・記者から高く評価され、昨年の青龍映画賞で主要タイトルを独占した『キングメーカー 大統領を作った男』(21)は、 今年の百想芸術大賞でも映画部門の監督賞(ビョン・ソンヒョン監督)、主演男優賞(ソル・ギョング)、助演男優賞(チョ・ウジン)を受賞し、話題の中心になっている。同作は世の中を変えるために挑戦する政治家キム・ウンボム(ソル・ギョング)と、存在も名前も隠されている選挙の戦略家ソ・チャンデ(イ・ソンギュン)が、激しい選挙戦に飛び込んで始まる物語を描く作品で、日本では8月12日(金)に公開が確定している。

日本で8月12日(金)公開が確定した『キングメーカー 大統領を作った男』
日本で8月12日(金)公開が確定した『キングメーカー 大統領を作った男』[c]2021 MegaboxJoongAng PLUS M & SEE AT FILM CO.,LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

日本で4月に公開した『手紙と線路と小さな奇跡』(21)は、韓国初の私設駅づくりに尽力した人々の実話を元にしたヒューマンドラマ。先頃開催されたイタリアの第24回ウディネ・ファーイースト映画祭では観客賞にも輝いた本作は、百想芸術大賞では助演女優賞(イ・スギョン)を受賞した傑作である。

過去の百想芸術大賞で監督賞を受賞した『はちどり』(18)のキム・ボラ監督、『声もなく』(20)のホン・ウィジョン監督の後を継ぐ女性映画監督たちの躍進ぶりも目覚ましい。デートアプリを通じて出逢った男女をコミカルに描く『恋愛の抜けたロマンス』(21)は、インディーズ界で実績を重ねてきたチョン・ガヨン監督の商業デビュー作で、日本でも7月8日(金)に劇場公開が決定している。親友の恋愛をのぞき見するような赤裸々さで共感を呼ぶスタイルを貫き続けてきた彼女は、今年の百想芸術大賞で映画部門シナリオ賞を受賞した。

デートアプリを通じて出逢った男女をコミカルに描く『恋愛の抜けたロマンス』(21)
デートアプリを通じて出逢った男女をコミカルに描く『恋愛の抜けたロマンス』(21)[c]CJ E&M

他に注目してほしいのは、天才的な数学の才能を持つ脱北者を主人公にしている『不思議の国の数学者』(21)と、90年代の釜山を舞台にしたハードな犯罪ドラマ『熱い血』(21)の2作品。オミクロン株の蔓延で寂しい風が吹いた劇場でも、それぞれ興行的成功を収めている。1970〜1980年代にミシン縫製工場などで過酷な労働に従事していた女性たちの証言を現代に伝えるドキュメンタリー映画『ミシンを踏む女性たち』(21)は、ポン・ジュノ監督が選ぶベスト映画2021に入っている作品。

これから韓国ドラマや映画を見始める人にも、次のお気に入り作品を探したい人にも、是非様々なジャンルから気になる一作を見つけてもらいたい。

文/荒井 南

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