Awesome City ClubのPORINが魅せられた『バブル』の世界観…「崩壊と再生が繰り返される映像表現が新鮮」

インタビュー

Awesome City ClubのPORINが魅せられた『バブル』の世界観…「崩壊と再生が繰り返される映像表現が新鮮」

テレビアニメ「進撃の巨人」の荒木哲郎監督が、「進撃の巨人」をはじめ「SPY×FAMILY」で話題の制作スタジオ、WIT STUDIOと再タッグを組んだオリジナルアニメーション『バブル』(公開中)。脚本に「魔法少女まどか☆マギカ」の虚淵玄、キャラクターデザイン原案には「DEATH NOTE」「バクマン。」の小畑健、さらに『プロメア』(19)などにも参加した澤野弘之が音楽を手掛けるほか、キャスト陣として志尊淳宮野真守梶裕貴畠中祐広瀬アリスらが名を連ねている。謎の泡(バブル)により重力が壊れた東京を舞台に、運命的な出会いを果たす少年と少女の姿が描かれる。

崩壊した東京を舞台に、孤独な少年と不思議な力を持った少女との出会いが描かれる
崩壊した東京を舞台に、孤独な少年と不思議な力を持った少女との出会いが描かれる[c]2022「バブル」製作委員会

日本が世界に誇るトップクラスのクリエイターが集結し、透明感あふれる映像美と、縦横無尽なカメラワークで炸裂するハイスピードのアクション、音に導かれて出会う孤独な少年ヒビキ(声:志尊)と謎の少女ウタ(声:りりあ。)のピュアな恋物語が見どころだ。

そんな本作についてMOVIE WALKER PRESSでは、『花束みたいな恋をした』(21)のインスパイアソング「勿忘(わすれな)」などのヒットも記憶に新しく、第72回NHK紅白歌合戦にも出場したAwesome City ClubのPORINにインタビュー。本編を鑑賞した感想やヒビキとウタの魅力、音楽で注目したポイントなどを聞いてみた。

『バブル』について語ってくれたAwesome City ClubのPORIN
『バブル』について語ってくれたAwesome City ClubのPORIN

「ヒビキの持つナードさ…内向的な雰囲気は現代を生きる若者を象徴している」

本作を観てすぐに感じたことについて、「映像の美しさに惹き込まれた」と振り返るPORIN。“崩壊と再生”というメッセージが強く印象に残っているようで、「東京を舞台に崩壊と再生が繰り返される、このような映像表現そのものが新鮮に感じました。崩壊した世界で人々が生きていくというのは普遍的なメッセージにも思われますが、見慣れた場所がなくなっていく描写には、やはり衝撃を受けました」と説明する。

水没し、ライフラインが断たれ、廃墟と化した東京
水没し、ライフラインが断たれ、廃墟と化した東京[c]2022「バブル」製作委員会

主人公ヒビキは幼いころから特殊な聴覚を持っており、常にヘッドフォンをして周囲から距離を取っている。彼のようなキャラクターは、PORINにとっても「好きなタイプ」と好印象だったようだ。

「ヒビキの持つナードさというのかな…。内向的な雰囲気は現代を生きる若者を象徴している感じがしました。一見コミュニケーションが苦手そうな感じがするけれど、本当はみんなと同じように人とつながりたいタイプ。心は温かくてアウトプットが苦手なだけ、みたいなところは、『自分と“似ている”』と共感する人も多いのではないでしょうか。劇中で彼が感じていた、街の音がうるさすぎるという表現も“わかる”と思いました。現代社会は人があふれかえり、便利になりすぎて、逆に退化していると感じる点もあるので、喧騒が邪魔に聞こえるヒビキの気持ちにはとても共感できました」。

ヒビキは類稀な身体能力を持ち、バトルクールのエースとして活躍する
ヒビキは類稀な身体能力を持ち、バトルクールのエースとして活躍する[c]2022「バブル」製作委員会

「ウタは表情や仕草が印象に残る、とてもアイコニックな存在」

ヒビキの前に突然現れたウタは不思議な力を持った少女で、鮮やかなブルーの髪色が特徴だ。PORINも以前髪色を青くしていたことがあり、実は「青髪の女の子といえばPORIN」というイメージから今回のインタビューをオファーしている。

その経緯を伝えると、「青髪ショートカットは無敵です(笑)」と笑顔に。「ウタは言葉数が少ないキャラクターですが、その分、表情や仕草が印象に残り、とてもアイコニックな存在と感じました。ウタはファッションにも原色を取り入れていて、とてもカラフル。見ているほうも元気になるキャラクターだと思います」。

【写真を見る】PORINが「無敵(笑)」と絶賛する“青髪ショートカット”がかわいい、ヒロインのウタ
【写真を見る】PORINが「無敵(笑)」と絶賛する“青髪ショートカット”がかわいい、ヒロインのウタ[c]2022「バブル」製作委員会

2人にしか聞こえない“音”をきっかけに心を通わせるヒビキとウタ。アウトプットが苦手で自分の世界にこもりがちだったヒビキだが、ウタだけでなく仲間たちにも心を開いていく。ヒビキの心情の変化について聞いてみると、「ヒビキとは真逆で、ウタは動物的。本能の赴くままに生きているウタに、気づいたら心が動かされ、どんどん惹かれていったんじゃないかな、と想像しています」と分析する。


バトルクールで息の合ったプレーを見せるヒビキとウタ
バトルクールで息の合ったプレーを見せるヒビキとウタ[c]2022「バブル」製作委員会

続けて2人の関係性には、「恋愛のような感じもしたけれど、友愛のような印象もあって…」と思い返す。「人とのつながりの大切さを感じさせてくれた関係性でした。東京が崩壊する、そんな状況下でも出会いと別れはあるし、誰かとの交流を求めたりするものなんだなと思いました。ウタが“心を取り戻した”という意味の発言をするシーンはとても印象的で、取り戻した喜びと同時に、寂しい感情が出てくるという複雑な心境にはなりますが、心に強く残っています」。

「にんぎょ姫」をモチーフにしたせつないストーリー
「にんぎょ姫」をモチーフにしたせつないストーリー[c]2022「バブル」製作委員会
■PORIN
2013年東京にて結成した男女ツインボーカルの3人組 Awesome City Club のメンバー。2018年には自らディレクターを務めるアパレルブランドyardenを立ち上げる。2021年には「勿忘」で大ヒットを記録し、第72回紅白歌合戦へ初出場、また第63回日本レコード大賞では優秀作品賞を受賞するなど話題に。今年3月にアルバム「Get Set」をリリースし、2年ぶりとなる全国ツアーを開催。夏には「SUMMER SONIC 2022」をはじめ多くの夏フェスへの出演が決定。また、現在、TBS系トークバラエティ「ドーナツトーク」にレギュラー出演中。音楽活動のみにとどまらず、幅広い分野で活躍している。

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