志尊淳&広瀬アリス、『バブル』をスクリーンで観る快感明かす!梶裕貴は「宮野真守になりたい」
「進撃の巨人」の荒木哲郎が監督を務め、現在放送中の「SPY×FAMILY」で注目のWIT STUDIOが制作する最新作『バブル』(公開中)。13日に丸の内ピカデリーにて初日舞台挨拶が開催され、志尊淳、広瀬アリス、梶裕貴、畠中祐、千本木彩花、逢坂良太、荒木哲郎監督が登壇した。
主人公ヒビキの声を担当した志尊は、長い年月をかけて作られた本作について、「これが創作ということなんだ」と作品作りの醍醐味を知ったと微笑む。マコト役の広瀬は映画館で鑑賞した際に「体感してほしい映画」と思ったそうで、「たくさんの人に届く日が来たことをうれしく思います」と満足の表情を浮かべていた。カイ役の梶は本作誕生のきっかけとなった1枚の絵に触れ、「ここから『バブル』が始まったんだな」としみじみ。「僕たちは、アフレコのタイミングで(作品作りに)参加していますが、そこに至るまでのスタッフさんたちの努力、時には意見のぶつかり合いなどを経て、作品が出来上がったと思うと、大きな映画館のスクリーンで上映されることがどれほどうれしいことなのか、気持ちが想像できます」と、制作スタッフへの労いを伝えていた。
映画館で体感してほしいおすすめポイントについて、志尊は「アクションの躍動感」と回答。映画館では奥行きを感じるとし、細部にまでこだわり抜いた作品を大スクリーンで観てほしいと呼びかけた。広瀬はパルクールのバトルシーンの迫力に触れ、「冒頭30秒くらいで、アトラクションに乗ったようなドキドキワクワクが味わえます」とアピール。自分が作中のキャラクターになり、パルクールをしているような感覚が味わえると説明し「最初から最後まで高揚する気持ちを楽しんでほしいです」とおすすめした。
「パルクールのバトルシーンをアニメにするのは、本当に大変な作業だったはず」と語った梶は「全身に至るまで肉体を使う動きだし、1対1ではなく同時に多くのキャラクターが動いています」とアニメーション作りの細かさを指摘。さらに澤野弘之が担当する音楽の魅力に触れつつ、「映画館では重低音で振動を感じると思います。目でも耳でも楽しんでほしいです」と見どころを語った。電気ニンジャ・リーダー役の畠中は「登場人物の表情」をおすすめポイントに挙げ、「悲しそうな顔、うれしそうな顔、いろいろあるけれど、それぞれのキャラクターが見せるなんとも言えない表情に胸が締め付けられます。細かく描き込まれた情報を見逃さないでほしいです」と力強く語っていた。
ウサギ役の千本木は現実にある背景を見どころとし、さらに「キャラクター同士がわちゃわちゃしているシーンもおすすめです」とニッコリ。イソザキ役の逢坂はカメラワークが気になったと指摘し、「実写を観ているような錯覚に陥ります。作中にドローンが出てくるのですが、そのドローンで撮影した映像をそのまま観ているような感覚にもなります」と本作ならではの注目ポイントに触れていた。
パルクールの動きについては「アニメでしかできない映像表現」にこだわったという荒木監督。「現実ではカメラマンは空を飛ぶことはできません。実際にはプレイヤーを追いかけ、ついて行き、飛び越えることもできないけれど、アニメだったらその表現が可能。カメラの自由度はアニメにしかない」と考えたそうで、視界を埋めるスクリーンでこそ真価を発揮する映画だと感じているとし、改めて「大きなスクリーンで映像を観ていただける劇場公開は本当にうれしいです」と喜びを噛み締めていた。
イベントではアンデルセン童話の「にんぎょ姫」をモチーフにしている本作にちなみ、「自分以外に姿を変えられるとしたら?」という質問に答えるコーナーも。声優のすごさを実感したという志尊は「実力派声優になりたいです。皆さんの能力をお金で譲ってもらえないかと思っています」と茶目っ気たっぷりに回答し、笑いを誘った。広瀬はずっと男の子になりたい願望があると前置きし「どうせなるなら、イケメンになりたいです。志尊くんのようにランウェイを歩いてキャーキャー言われたいです!」とニコニコ。そんな広瀬のコメントに志尊は「めちゃくちゃ気持ちいいですよ。あの瞬間のためにがんばっていると言っても過言ではないです」と正直な気持ちを語っていた。
梶はシン役の「宮野真守になりたい」と回答。「志尊くんのなりたい実力派声優、広瀬さんのなりたいイケメン、両方が入っているのが宮野真守です」と解説。するとMCから、この日のイベントに参加できなかった宮野がこの質問に対し「かわいいかわいい梶きゅんになりたいです!」と回答したことが明かされる場面も。「宮野くんは、僕に対して飴と鞭を使い分けています。この日は飴の日だったのかな?」と照れた表情を浮かべていた。広瀬の回答と似ていると語った逢坂は「志尊さんのようなイケメンになって、人から注目されたいです」とコメント。「志尊くんになってきったないラーメン屋さんに行きたいです。なんであんなイケメンがこんなところに!と言われたいです」と具体例を挙げ説明していた。荒木監督は本作制作時に1日1回訪れていた公園の「カモ」になりたい回答。その理由は「聞くところによると、カモたちはシベリアにまで飛んでいるらしいんです。僕はずっと練馬区在住なのに…」とまさかのカモへの嫉妬を明かす。すると「最強ロボットになりたい」と答えた畠中が、「ロボットなら空も飛べます!」とおすすめし、笑いを誘っていた。
最後の挨拶で志尊は作品に携わったことを「最高の経験」とし、「世の中いろいろなことがあるけれど、戦うみなさんに観ていただきたいです」とアピール。荒木監督は「ユニークなラブストーリーだけど、アクションもたくさんあります。完成したときに、好きだなと思えた作品です。人柄のいいフィルムになったと思っています」と胸を張り、作品に込めた想い、制作に携わった人たちの心が伝わることを望んでいると笑顔で語っていた。
取材・文/タナカシノブ