森川智之が戦闘機でテイクオフ!本物すぎる『トップガン マーヴェリック』吹替声優発表の撮影模様を独占レポート&インタビュー

インタビュー

森川智之が戦闘機でテイクオフ!本物すぎる『トップガン マーヴェリック』吹替声優発表の撮影模様を独占レポート&インタビュー

「『トップガン』は僕の声優人生と同い年。運命を感じます」

――本日は撮影お疲れ様でした。森川さんでもあまりない経験だったかと思いますが、振り返ってみていかがでしたか?

「あまりないというか、初めてですよね(笑)。普通だったら経験できないようなことをさせてもらえたので、すごく刺激になりましたし、僕自身もマーヴェリックに近づいたかな?と思いました。今日のコックピットに座った経験を踏まえて、このあともう一度収録してみたいなという思いもあるのですが…。でも自分で言うのもなんですけど、吹替収録を振り返ってみて『大丈夫だ!』と思いました。戦闘機に乗る前も乗ったあとのいまも、マーヴェリックを演じたマインドは一緒だったので、安心しています。

ついに本物のマーヴェリックになった!?
ついに本物のマーヴェリックになった!?

今日の撮影で緊張したのは、戦闘機から降りる時ですね。僕自身は落ちようが怪我しようがどうでもいいのですが、高価な機体に傷を付けて、高額な請求でも来たらどうしようと(笑)。でもやっぱり、実際に戦闘機に乗り込んだ時はテンションが上がりました。航空中央音楽隊のみなさんの演奏もすばらしかったです。本当に映画のなかにいるような気分になったし、隊員の方もおっしゃってましたが、あの曲を聞くとみんなトム・クルーズになる。本当に貴重な経験をさせていただきました」

颯爽と飛行場を歩く姿はマーヴェリックそのもの
颯爽と飛行場を歩く姿はマーヴェリックそのもの

――森川さんはこれまで何作もトムの声を吹替えてきましたが、今作でマーヴェリック役が決まった時の気持ちを教えてください。

「僕は『トップガン』の公開当時、ちょうど声優を始めたくらいの時に劇場で観たんです。観たあとは自分もマーヴェリックになったような気持ちで、颯爽と映画館を出てきたことを覚えています。あのころはレイバン“風”のサングラスをかけて、カワサキのバイクには乗れなかったので自転車でしたが(笑)。なので出演が決まった時はもちろんすごくうれしかったですし、決まる以前に、続編製作の噂を聞いた時点で感動しましたね。今回はトムが製作にまで関わるということで、最高の『トップガン』ができるんだろうなと思っていました」

1986年に公開された『トップガン』
1986年に公開された『トップガン』[c]EVERETT/AFLO

――マーヴェリックを演じるにあたり、どんな心構えで臨みましたか?

「トムがガチで戦闘機に乗り、ほかのキャストを引っ張りながら、過酷な状況であれだけの演技をして…というのを目の当たりにすると、自分自身も覚悟して演じきらなければという想いがありました。ギリギリの状況でしゃべっているので、飛行中のマーヴェリックやクルーのセリフなんかもう、超リアルですよ。それに合わせて呼吸も浅くしなければならないので、収録している時は吐きそうでした(笑)。映画を観た人が、吹替版と字幕版で同じ感動を得られるよう、声優も常に努力しなくてはいけないと思います。そのためには、もちろん訓練をしっかりすることと、あまり自分の声質に頼らず、本物のお芝居をしようと心掛けています。あとは常にトムのお芝居をじっくり観ていますね」

トムは自ら戦闘機に搭乗、過酷な撮影でもとことん本物にこだわった
トムは自ら戦闘機に搭乗、過酷な撮影でもとことん本物にこだわった[c]EVERETT/AFLO

――トムの作品の現実離れしたアクションシーンを声だけで演技するのはひと苦労だと思うのですが、吹替で意識していることはありますか?

「もちろんすべてが体験できるわけではないので、やはり想像力を大切にしています。トム自身が超人的な方じゃないですか。汗をかかないとか、水中で6分間息を止められるとか(笑)。そんなトム・クルーズの吹替を担当している身としては、そこに少しでも自分が近づけるようにしたいと思っていますし、ほかの方の吹替とはちょっと違うスタンスで挑んでいます」

常に全力投球のトム・クルーズに刺激を受けると語る森川
常に全力投球のトム・クルーズに刺激を受けると語る森川[c]EVERETT/AFLO

――トムと言えば、自ら飛行機を操縦したり、スタントマンを付けずに危険な場所から飛び降りたりなど、全部自分でやってしまうパワフルさが魅力ですよね。前作から36年経ったいまも第一線に立ち続けている彼から、刺激を受ける部分はありますか?

「僕もちょうど声優歴が36年なので、すごくつながりを感じています。僕は仕事人間で休みもいらないくらいなんですけど、トムはもっとそんな感じじゃないですか。止まることを知らないというか、自分がやりたいことをすべて成し遂げるパワーがありますよね。『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』の撮影で骨折したというニュースを聞いた時、通訳の戸田奈津子さんがトムに『大丈夫なの?』って連絡したんです。そしたらトムから返信が来て『いい画が撮れた。楽しみにしておいて』って(笑)。最高ですよね。そういった仕事への熱い想いというのは、トムと通じる部分があるんじゃないかな、と思っています」

『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』の撮影で、トムが骨折したという伝説のシーン
『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』の撮影で、トムが骨折したという伝説のシーン[c]2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

――『トップガン』への想いと、今作『トップガン マーヴェリック』の見どころについて教えてください。

「『トップガン』は僕にとって、青春映画のNo.1です。いみじくも僕がこの仕事を始めた年に公開されて、こうやって仕事を続けて36年後にマーヴェリックを演じることができるなんて、すごく運命を感じるし、やっぱり特別な作品だなって思います。 

36年ぶりに目にするマーヴェリックは、果たしてどんな人生を歩んできたのか?
36年ぶりに目にするマーヴェリックは、果たしてどんな人生を歩んできたのか?[c]EVERETT/AFLO

今作は、36年経ったいまだからこそできる、という話になっているんです。映画ファンとしては当然、前作同様の感動を期待していると思うんですけど、もう完全に凌駕していますね。この映画をつくろうと思ったら、自分が国をつくるしかないくらいのレベルですよ(笑)。アクションの派手さや、本人が戦闘機に搭乗しているといったリアリティももちろんありますが、前作から引き継がれたヒューマンドラマもしっかりと描かれているので、自分でも驚いたのですが泣いてしまいました。


36年経ったマーヴェリックがそこにいたんです。彼だけじゃなくほかのクルーも…。みんなあそこからあのまま生きてたんだという、熱い想いがこみ上げてきました。目に見える部分だけではなくて、ちゃんと“人間”を描いているからこそ、感動があるんですよね。みんなの夢を全部叶えてくれるような、そんな映画です。前作を知らない若い世代にもぜひ観てもらいたい。いまの時代はCGが当たり前になっていますが、偽物一切なしの“本物の凄さ”をぜひ実感してもらえたらうれしいです」

『トップガン マーヴェリック』は5月27日(金)公開!
『トップガン マーヴェリック』は5月27日(金)公開![c] 2022 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.

森川をはじめ、まさに声優界の“ベスト・オブ・ベスト”な吹替キャストが集結した『トップガン マーヴェリック』。公開まであと少し、楽しみに待ちたい。

取材・文/編集部

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