「ウルトラマンのように生きたい」米津玄師が明かす、庵野秀明の"作品至上主義"への共鳴 - 2ページ目|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
「ウルトラマンのように生きたい」米津玄師が明かす、庵野秀明の"作品至上主義"への共鳴

インタビュー

「ウルトラマンのように生きたい」米津玄師が明かす、庵野秀明の"作品至上主義"への共鳴

「少年時代は、空想屋」

今回、「M八七」(エム ハチジュウナナ)という楽曲を書き下ろした米津。“力強さと優しさ”を大事なテーマとして、楽曲制作を進めていったという。

「ウルトラマンは、強く、優しいからこそ、ヒーローなんだと思うんです。“強く優しく生きる”というのは非常に難しいことだなと思っていて。ウルトラマンは地球にやってきて、人類を守ることになりますが、人間は身勝手なもので、国同士の諍いあいがあったり、強大な力を持っているウルトラマンを前に利用しようと画策し合ったりもする。一方で、禍威獣や外星人とも対峙しなければならない。その引っ張りあいのなかで、非常に孤独な戦いを強いられる。それでもなお強く優しく、凛として戦うという姿には、自分もできることならそういうふうに生きていきたいなと感じました」とウルトラマンへの憧れと共に、「“孤独な痛み”と“強さ”って強く密接したものだと思っていて。生まれてきてから、まん丸のまま生きていける人は、そうそういないと思うし。対面にいる人間を慮るというのは、相手との違いを知ったうえでないと、誰かに優しくできるということはできないと思います」と持論も告白。その言葉どおり、「M八七」は、切なさと優しさ、そして希望がキラリと光るような楽曲として完成している。

米津玄師は、孤独のなかでも、強く優しくあるウルトラマンに憧れを抱いたという
米津玄師は、孤独のなかでも、強く優しくあるウルトラマンに憧れを抱いたという[c]2022「シン・ウルトラマン」製作委員会 [c]円谷プロ

制作の過程では「少年時代を思い返したりもした」とふわりと微笑んだ米津。一体、どのような少年だったのだろうか。

「内にこもりがちな少年でしたね。空想屋というか、ファンタジーのなかにいて、どこか現実を生きていないような感じ」とにっこり。そんな自分に変化をもたらしてくれたのが、音楽だという。「音楽をやることによって、こんなにたくさんの人が聴いてくれるんだと、誰かとのつながりを感じられたことも幸せなこと。音楽によって、自分はここまで引っ張ってこられたんです。形が違えば、いまだに空想ばかりして、独りよがりな人間だったかもしれないなと思います。音楽に対して、感謝しています」と心を込める。


『シン・ウルトラマン』では庵野や樋口監督をはじめとした製作陣の満場一致で、米津に主題歌が任された
『シン・ウルトラマン』では庵野や樋口監督をはじめとした製作陣の満場一致で、米津に主題歌が任された[c]2022「シン・ウルトラマン」製作委員会 [c]円谷プロ

そして今回のウルトラマンとの再会もそうだが、音楽が思わぬ場所へと導いてくれる実感があると続ける。「自分はありとあらゆるものに祝福されながら生きてきて、いまこうして立っている。これからも想像もしえない出来事が待っていると思います。そのうちの一つが『シン・ウルトラマン』であって、一方では自分自身も誰かにとってのウルトラマンのような存在になっているのかもしれない。そうやって祝福を連鎖させていくことが、いま自分がやるべきことなのかなと思っています」と音楽を通して、生きる力や使命感を握りしめている。

■米津玄師 「M八七」 発売中
【収録曲】
1. M八七 (映画「シン・ウルトラマン」主題歌)
2. POP SONG (PlayStation CM曲)
3. ETA
【販売形態】
・「ウルトラ盤」(CD + レーザーカプセル + リフレクターケース) 2,200円(税込)
・「映像盤」(CD + DVD + シルバーデジパック) 1,980円(税込)
・「通常盤」(CD + 紙ジャケ) 1,210円(税込)
※詳細は特設サイトをご確認ください。
作品情報へ

関連作品

  • シン・ウルトラマン

    3.9
    7628
    『シン・ゴジラ』を手掛けた庵野秀明と樋口真嗣が再タッグを組みウルトラマンを映画化
    U-NEXT