アニメ「SPY×FAMILY」第1クールを総復習!“仮初めまみれの日常”で家族になっていく物語
“家族”を守るためなら容赦はしない!殺し屋のヨル
ヨル・ブライアは、弟を安心させ、周囲から怪しまれず殺し屋という仕事を続けるため、ロイド、アーニャと疑似家族を作る。アーニャの試験を通して、少しずつ2人と距離を縮めたヨル。6話ではチンピラに誘拐されたアーニャを助け、「私はその子の母親です!」と啖呵を切る。そんなヨルに、「つよくてかっこいいははすき。ははみたいになりたい」と言って頭を撫でるアーニャ。普通でなくとも自分らしくアーニャのためにしてあげられることをしたいと、心に誓うヨルであった。
また、第8話ではヨルの弟、ユーリ(声:小野賢章)が訪問してくるエピソードが描かれた。親を早くに亡くし、どこか天然で世間知らずなところのある姉を自分が守らなければいけないという思いを抱えるユーリは、ロイドが姉に相応しい男かどうかを見定めようとする。お互いを守るためそれぞれが裏の顔を持ち、姉弟で支え合ってきたヨルとユーリ。ブライア家というもう一つの家族も「SPY×FAMILY」を構成する大事な要素であり、それがロイドたちフォージャー家とどのように交わっていくのかも見どころの一つだろう。
ロイドとヨルが大好きで、健気に期待に応えようとするアーニャ
そしてアーニャにとってロイドとヨルとの生活は、彼女が求めるワクワクもあり、アーニャにとっての帰る場所になった。第3話では家族で街へ出かけ、「おでけけきねんび」とはしゃぐ姿が実に子どもらしくかわいい。偶然助けたおばあさんからは「あなたたちとってもすてきな家族ね」と言われ、面接試験で「両親に点数を付けるなら?」と質問された時は「ひゃくてんまんてんです。ちちもははもおもしろくてだいすきです。ずっといっしょがいいです」と答えるなど、疑似家族であっても、アーニャにとって家族は家族なのかもしれない。ロイドの期待に応えられなかった時は泣きながら足にすがりつき、ロイドが出かける時は帽子を渡すなど手伝いもする。アーニャの健気な立ち居振る舞いからは、ごく一般的な家族の風景が見えてくる。
「SPY×FAMILY」はスパイアクションのストーリーでありながら、ある疑似家族が奮闘する姿を通して、人生の楽しさや苦労、思いやりの大切さも教えてくれる。第2クールでは、ロイド、アーニャ、ヨルたちはどんな活躍を見せてくれるのか?放送が待ちきれない!
文/榑林史章
※種崎敦美の「崎」は立つ崎が正式表記