安彦良和監督「標的は『トップガン!』」『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』大ヒットに感謝
ドアンと共に生活を送るアムロと同じ15歳の少年、マルコスを演じた内田は「マルコスがいることにより、アムロが15歳の少年であることが分かります」とキャラクターの立ち位置を解説。さらに「マルコスから見たドアンで子供たちにとっての大人の大きさが分かります」と語り、「マルコスの視線からヒューマンドラマを感じてもらえるのは、とてもおもしろいと思っています」と本作の“見方”に触れていた。
本作で映画での声優を初めて務めた、島の子どもたちの母親のような存在カーラ役の廣原には、「本当にうまい!」「カーラが素敵!」という声が多く寄せられている。「しっかりしたカーラの内に秘めた思いを伝えられるかどうかドキドキしていました」としながらも、「光栄な言葉をいただけてほっとしました」と安堵する廣原に、会場から大きな拍手が贈られていた。主題歌「Ubugoe」を歌う森口は「深い歌詞、壮大なメロディ、イントロから掴まれるアレンジ」と楽曲の魅力を語り、さらにSNSで見つけた「感動した!」という感想コメントをスクショしていることを明かし「毎日エゴサしています。(うれしいコメントは)スクショして大切に持っています!」と満面の笑みを浮かべていた。
来場者15万人突破、興行収入は約3億円という数字について安彦監督は「数字はピンとこないけれど…」としつつ、「標的は『トップガン』ですから(笑)。トム・クルーズを撃ち落として、やっと勝利と言えると思います」とニヤリとしながら来場者に語りかけ、「今日は、スクリーンで作品を観させてもらいました。やっぱり作り手なので大きいスクリーンで観ると、ここはNGだったな、もっとできたなと思うところが目につきます」と苦笑い。「ギリギリまで粘って作りたかったけれど、納期もあるからそうはいかない。目を瞑ったカットばかり目についてしまったけれど、やっぱりやってよかったです。声優さん、スタッフのプロ根性を見せてもらった作品です。いい仕事をさせていただいてありがとうございます」と深々とお辞儀をしていた。
これまでのイベントで「ガンダムはこれが最後」という発言が話題になっている安彦監督。「皆さんは、まだまだ若いと言ってくれるけれど…。年なのでなにが起きるかわかりません。階段で転ぶこともあるし…(笑)。まあ、気をつけて過ごしたいと思います」と続編を期待する声にはっきりと回答しなかったものの、会場は本作の完成、公開への労いと、次回作への期待を込めたこの日一番の大きな拍手に包まれ、イベントは幕を閉じた。
取材・文/タナカシノブ