「二度と観たくない傑作」「近年最もグロい」世界中の映画祭を戦慄させた“R18+”台湾ホラーとは?
世界中がコロナ禍というパンデミックを経験したことで、決して絵空事ではなくなった“謎のウイルス”の感染拡大を描いた台湾発のホラー映画『哭悲/THE SADNESS』が7月1日(金)に日本上陸を果たす。世界各国の映画祭に出品されるや多くの観客を戦慄させ、日本公開に当たっての映倫の審査ではR18+(18歳未満の鑑賞不可)指定を受けた本作は、いったいどのような映画なのか…。アメリカの批評集積サイト「ロッテン・トマト」に寄せられた批評家たちの声と共に紹介していきたい。
謎のウイルスが“突然変異”!人々が突如凶暴に…
本作の舞台は“アルヴィン”という謎のウイルスに長い間対処を続けてきた台湾。風邪のような軽微な症状しか伴わないにもかかわらず、不自由な生活を強いられることに不満を抱いた人々は、いつしか警戒を解くようになっていた。しかしそんな矢先、ウイルスは突然変異。人の脳に作用し凶暴性を助長し、台湾の街は暴力であふれかえることになる。
感染者たちは皆、罪悪感に涙を流しながらも衝動を抑えきれず、満面の笑みを浮かべたまま思い付く限りの残虐な行為に及んでいく。そんななか感染者の殺意からかろうじて逃れ、数少ない生き残った人々と病院に立て籠もるカイティンは、離ればなれとなったジュンジョーとの再会を望んでいた。彼女からの連絡を受け取ったジュンジョーは、ひとりで狂気に満ちた街をさまよいはじめることに。
メガホンをとったのは本作が長編初監督となるロブ・ジャバズ監督。大のホラー映画好きでもある彼は様々な名作ホラー映画のエッセンスを織り交ぜながら、世界でもコロナウイルスの感染拡大を抑え込むことに成功した台湾を舞台に、あえてパンデミックで機能不全に陥る様を描きだす。そして「この物語に必要なのは、血と極端な暴力」と、映画やゲームなどで“ゾンビ・アポカリプス”に慣れすぎた人々の心を揺さぶるために、かなり踏み込んだ描写に挑んだという。