愛犬を想う気持ちは世界共通…レディー・ガガやオーランド・ブルーム、『ハウ』にリンクするスターたちの愛犬家エピソード
保護犬を家族に迎えたジェニファー・アニストン
そんな世界の愛犬家たちの一人で、『マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと』(08)に主演した大の犬好きであるジェニファー・アニストンは、新型コロナウイルスによるパンデミック後に保護犬の里親になったそうだ。もともと飼っていた2匹の犬たちの新しい仲間としてアニストン家に迎えられた保護犬を、彼女はロード・チェスターフィールド(チェスターフィールド卿)と命名。骨を咥えたままソファーで寝てしまったキュートな子犬のチェスターフィールド卿をInstagramで紹介し、フォロワーたちをキュンキュンさせた。自宅でストレッチやトレーニングに励むアニストンにじゃれつくなど、家族の末っ子としてのびのびと成長している模様を日々の投稿しているが、『ハウ』でも民夫がハウとの生活をSNSで発信しており、フォロワーたちと交流する様子も描かれている。愛犬家たちにとって、SNSは犬仲間と情報交換をする大切な手段ともいえるだろう。
誘拐された愛犬を取り戻すために必死に奔走したレディー・ガガ
昨年、レディー・ガガの飼い犬であるフレンチ・ブルドッグ2匹が誘拐されるという、ショッキングな事件が発生した。『ハウス・オブ・グッチ』(21)の撮影でイタリア滞在中のガガに代わって、愛犬3匹を散歩させていたドッグ・ウォーカーが襲撃に遭い、2匹がさらわれてしまったのだ。このショッキングな報せを受けたガガは、直ちにSNS 上で、50万ドルという破格の懸賞金をかけて愛犬たちの返還を求めるメッセージを発信。その甲斐あってか2匹は無事に保護されるに至った。ちなみに、誘拐から逃れられたもう1匹は、ファッションブランド「コーチ」の広告塔を務めたこともある有名犬アジア。
『ハウ』では、偶然のアクシデントが重なり、ハウが行方不明になってしまう。SNSで目撃情報を募るのは同じだが、当然ガガのように大規模な捜索はできない民夫は、ポスター貼りやチラシ配りなど地道なやり方で愛犬捜しに奔走する。どちらも、愛犬を大切に想い、無事を祈る気持ちが切実に伝わってくるエピソードと言えるだろう。
愛犬を失った悲しみを胸に刻んで前へと進むオーランド・ブルーム
必死に捜索活動を続けていた民夫のもとに、無情にも「ハウによく似た白い大型犬が事故死した」という報せが届く。この事実を簡単に受け入れられるわけもなく、深い絶望感からなかなか抜け出せずに、「ふと、リードの感触が蘇るんです。それがつらくって…」とこぼすなど、ハウのことが四六時中頭から離れないペットロスに陥る彼の姿が痛々しい。
民夫と同じく、「ロード・オブ・ザ・リング」や「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのオーランド・ブルームも“失踪した愛犬との別れ”というつらい試練を味わった。自身のInstagramにも“小さな相棒”としてたびたび登場させていたプードルのマイティが、カリフォルニア州で突如失踪。懸命の捜索もむなしく、やっと見つかったのはマイティの首輪だけだった。深い悲しみの末、愛犬の死をなんとか受け入れたブルームは、自身の胸に“MIGHTY”というトリビュートタトゥーを入れて、哀悼の意を示した。
華やかな世界で暮らすハリウッドスターたちにとっても、愛犬は守るべき家族であり、かけがえのないパートナー。『ハウ』には、そんな世界共通の気持ちが描かれており、改めて人と犬との関係性の深さを再確認させてくれる。
ちなみに、死んだと思われていたハウは、偶然が重なった結果、遠く離れた青森で生きていることが観客に伝えられる。そこから横浜で暮らす民夫に会うため、ハウの長く数奇な旅が始まり、その道中で出会う人々の心の傷を癒していく。はたして、ハウは無事に民夫のもとに帰ることができるのか?彼らの絆の強さに思いを馳せながら、その優しすぎる意外な結末をスクリーンで見守ってほしい。
文/サンクレイオ翼