続編も決定!ルッソ兄弟が語る『グレイマン』の舞台裏「銃が与える精神的な影響についても、きちんと伝えようと思った」

インタビュー

続編も決定!ルッソ兄弟が語る『グレイマン』の舞台裏「銃が与える精神的な影響についても、きちんと伝えようと思った」

「ライアンはタフさ、おもしろさ、温かさに加え、カリスマ性もある俳優で、緊張感のあるシーンにおいても、すごく信憑性のある演技ができます」(ジョー)

アクションへのこだわりを語ってくれたアンソニー&ジョー・ルッソ兄弟
アクションへのこだわりを語ってくれたアンソニー&ジョー・ルッソ兄弟

――ジョーさんは以前からコート役のライアン・ゴズリングをお好きだったそうですが、マーベル映画を作っていた時から彼に目をつけられていたのですか?

ジョー「ライアンはきっと世界中から愛されていると思いますが、僕も何十年もの間、彼の演技に惹かれてきました。ライアンはタフさ、おもしろさ、温かさに加え、カリスマ性もあるという、すべてを兼ね備えた俳優です。さりげない役から、少し変わった役、実にユニークな役まで演じられますし、緊張感のあるシーンにおいて、すごく説得力のある演技ができます。

ある理由から命を狙われる身となった元CIA工作員の“シエラ・シックス”ことコート・ジェントリー(ライアン・ゴズリング)
ある理由から命を狙われる身となった元CIA工作員の“シエラ・シックス”ことコート・ジェントリー(ライアン・ゴズリング)

シエラ・シックスというキャラクターは、内面が表現できないと、ただの冷たい人だと捉えられがちな実に難しい役柄。でも、ライアンは彼の繊細さをとても上手く表現してくれたので、本当に適役だったと感じました」

――冷酷非道なヒール、ロイド役を演じたクリス・エヴァンスのぶっ飛んだ演技にしびれましたが、演出してみていかがでしたか?

ジョー「クリスもすばらしい役者で、エキセントリックな悪役ぶりもすごくおもしろかったです。実際、いまの時代は、世界のあちこちでああいう過激派の人物が存在していますよね。また、男性ならでは嫌な感じを醸しだす人、カオスを作りだす人、思いやりがまったく欠けている人、個人主義の人…といったところを、クリスは絶妙に表現してくれました。彼はずっと正義に生きるヒーローのキャプテン・アメリカ役を演じてきましたが、今回は主役じゃなく、ヒールとしてああいう振り切った演技ができたので、かなり楽しめたんじゃないかなと思います」

――ゴズリングさんとエヴァンスさんは初共演となりましたが、おふたりの相性をどう感じましたか?

コートの命を狙う非情で冷酷な元同僚、ロイド・ハンセン(クリス・エヴァンス)
コートの命を狙う非情で冷酷な元同僚、ロイド・ハンセン(クリス・エヴァンス)

アンソニー「2人とも傑出した俳優でとても知性的だし、経験も豊富で、なによりも共演者といかにして一番良いものを引き出しあえるかということに長けています。本作の核にあるのが、コートとロイドというまるで水と油のように真逆のキャラクターをどう描くかということで、彼らはそこをしっかり理解してくれました。2人の化学反応がすばらしかったです」


――世界各国で繰り広げられるド迫力のアクションに驚嘆しました。一番苦労したシーンや、思い入れのあるシーンについて教えてください。

アンソニー「どのアクションシーンも大変でしたが、僕たちはそのぶん、ワクワクし、興奮しました。一番時間と労力を掛けたのはプラハでのシーンです。ライアンがベンチに手錠でつながれ、動けない状態となったあと、トラムを使って追跡するシーンですが、何か月もかけて準備をしたあと、ロケハンもして熟考し、非常に込み入ったシーンになりました」

――息を呑むようなスリリングなシーンでしたが、具体的にどうやって撮影されたのですか?

アドレナリン噴出もののトラムでのアクションシーン
アドレナリン噴出もののトラムでのアクションシーン

アンソニー「とても複雑な撮影で、トラムのシーンだけでも、プラハにある本物のトラムで内側外側も含めて撮影し、それとは別に同じような作りのバスをトラムに見せかけ、より速いスピードで道路を走らせて撮影しました。また、いろいろなシーンを撮るのに、広大なスペースが必要だったので、プラハの広い空き地を使ってグリーンスクリーンにトラムを置き、それを揺らしての撮影も行いました。つまり3か所で撮影しましたが、俳優陣やスタントマンを含め、何百人もの人が関わった撮影だったので、かなりの時間を費やしました」

――バリエーション豊かなアクションシーンが積み重なっていくなかで、コートとロイドという敵対する2人の人間ドラマが盛り上がっていきましたし、クライマックスでの2人の対決シーンにも興奮しました。お2人はマーベル映画でも秀でたアクションシーンを手掛けられてきましたが、アクション映画を作るうえでのルールやこだわりがあれば教えてください。

トラムでのアクションシーンの舞台裏
トラムでのアクションシーンの舞台裏

アンソニー「ジョーと私がアクションを撮るうえで大切にしていることは、やはりキャラクターを探究していくなかで、物語を進めていくことです。『グレイマン』に関して言えば、コートとロイドの周りでいろいろなキャラクターが登場し、物語がより複雑化していきますが、すべてを取り払うと基本的には相反する2人が少しずつ近づいていって、最後に対決するという構図の物語です。最後に2人だけのシーンを設けたのもそういう理由からです」

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