ペネロペ・クルスがシングルマザーに扮する『パラレル・マザーズ』日本公開決定、ポスタービジュアルも

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ペネロペ・クルスがシングルマザーに扮する『パラレル・マザーズ』日本公開決定、ポスタービジュアルも

ペネロペ・クルス主演、ペドロ・アルモドバル監督最新作『パラレル・マザーズ』が11月3日(木・祝)より日本公開されることが決定。あわせてポスタービジュアルも解禁となった。

自らの人生を投影した前作『ペイン・アンド・グローリー』(19)で、引退同然の映画監督が再び創作に生きる力を取り戻すまでを描いたアルモドバル監督。待望の新作では、ライフワークでもある母の物語に戻り、同じ日に母となった女性2人の数奇な運命と不思議な絆を描く。さらに、アルモドバル監督のなかで年を重ねるごとに重要となっていった「スペイン内戦」を彼らしいアプローチでドラマに織り込み、深く広い多様な世界観を作り上げた。

主人公ジャニスには、アルモドバル監督のミューズ、ペネロペ・クルス。本作では、答えの出ない問いを抱え続けるジャニスの複雑な心情を、揺れる眼差しで体現。想定外の妊娠に戸惑う17歳のアナ役には、これが長編映画2作目の出演となるミレナ・スミットが抜擢され、無垢なアナを繊細に演じ切った。また、「母性本能がない」と自称するアナの母親テレサ役に、『マシニスト』(04)のアイタナ・サンチェス=ヒホン。アルモドバルファンにはおなじみのロッシ・デ・パルマも顔を出し、スクリーンに味わいを添えている。

クルスが今回演じたジャニスというキャラクターについて監督は「緊張感やドラマがあり、これまでにないような主人公を描きました。ジャニスは、ペネロペが私の監督作やほかの作品で演じたなかで最も難しく、おそらく最も心を痛めた役だと思います。結果として、彼女が演じる役はいつもそうですが、今回も本当にすばらしいものになりました」と語っている。

監督が語った通り、クルスの演技は世界的に高く評価され、昨年のヴェネツィア国際映画祭では最優秀女優賞に輝き、ほかにもパームスプリングス国際映画祭、ナショナル・ボード・オブ・レビュー、ロサンゼルス映画批評家協会賞など数々の海外映画賞で主演女優賞を獲得。第94回アカデミー賞では主演女優賞に加えて、作曲賞にもノミネートされた。さらに作品としても、ゴールデングローブ賞(非英語映画賞)や英国アカデミー賞など由緒ある映画賞で作品賞にノミネートされるなど、高い評価を得た。


解禁されたポスタービジュアルは、アルモドバル監督作ではおなじみの赤色(アルモドバルレッド)を背景に、アナを抱きしめる複雑な表情のジャニスがとても印象的な仕上がりに。タイトルでもある“パラレル”=平行するボーダーが交差し合い、監督こだわりのコンセプチュアルなデザインとなった。また、「その絆が愛を変える。」というコピーが添えられ、意味深な内容を想起させる。この巨匠の集大成にして新たな最高傑作に大いに期待してほしい。

文/山崎伸子

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