「ダイアナさんのように、自分を隠さずに生きていきたい」米倉涼子がダイアナ妃への思いを語る

インタビュー

「ダイアナさんのように、自分を隠さずに生きていきたい」米倉涼子がダイアナ妃への思いを語る

世界中で“ダイアナ・フィーバー”を巻き起こしたダイアナ元皇太子妃の、没後25年となる今年。その生涯を、膨大なアーカイブ映像から厳選してつづったドキュメンタリー映画『プリンセス・ダイアナ』(9月30日公開)と、クリステン・スチュワートがダイアナ妃を演じた『スペンサー ダイアナの決意』(10月14日公開)が登場。36歳という短い生涯を駆け抜け、いまなお愛され続けている彼女の生き様がスクリーンに蘇る。2作品の公開を記念して発足された“ダイアナプロジェクト”でアンバサダーに就任した俳優、米倉涼子は「ダイアナさんは、共感を抱いていた女性の一人。ものすごく光栄です」とにっこり。もがきながらも自分の生きる道を見つけていったダイアナ元妃への共感や、彼女からもらった勇気について語ってくれた。

【写真を見る】ショートヘアがかっこいい。”強く美しい女性”を体現する米倉涼子が、ダイアナ妃への想いを語る
【写真を見る】ショートヘアがかっこいい。”強く美しい女性”を体現する米倉涼子が、ダイアナ妃への想いを語る撮影/興梠真帆 スタイリスト/大沼こずえ 衣装協力/ジャケット¥374,000、デニムパンツ¥101,200(ともにフェンディ/フェンディ ジャパン)、ピアス(WG×DIA)¥4,708,000、リング(PT×DIA)¥3,707,000、ブレスレット(WG×DIA)¥2,651,000(すべてジョゼフィーヌ/ショーメ)、Tシャツ、靴(スタイリスト私物)

「つらい日々のなかでも、子どもたちにどれほど愛情を注いでいたのかが伝わる」

1961年に、スペンサー伯爵家の令嬢として誕生したダイアナ。チャールズ皇太子と恋に落ち、20歳で結婚すると瞬く間に人気者に。新しい英国王室の象徴やファッションアイコンとなる一方、チャールズ皇太子の不倫、さらには自身の不倫問題も話題となるなど、常に世間の注目を集める存在だった。

離婚成立後はとりわけ国際的慈善活動に取り組み、死の直前まで人道支援に心を注いだ“愛の人”としても、世界中に希望を与えていたダイアナだが、“ダイアナプロジェクト”のアンバサダーに就任した米倉は「ダイアナさんのことは昔から好きで、尊敬もしています。ものすごく光栄です」と笑顔を弾けさせ、「何年も前ですが、ドキュメンタリーでダイアナさんを追いかけたこともあって、また2013年に公開された映画『ダイアナ』ではダイアナさん役の吹替えを務めさせていただきました。そういった意味でも彼女への想いは強かったので、今回のお話をいただいてとてもうれしかったです」とダイアナとの縁を明かした。

クリステン・スチュワートがダイアナ妃を演じた『スペンサー ダイアナの決意』
クリステン・スチュワートがダイアナ妃を演じた『スペンサー ダイアナの決意』[c]Pablo Larrain

没後25年となる今年は、ダイアナにまつわる2本の映画が公開となる。『スペンサー ダイアナの決意』は、ダイアナが皇太子妃として過ごした、最後のクリスマス休暇の3日間をクローズアップした人間ドラマ。チャールズ皇太子の不倫や王室の抑圧などによりギリギリの精神状態に追い込まれたダイアナが、自分自身の生き方を選ぶまでを映しだす。

米倉は「ダイアナさんのある3日間に焦点を当てた映画ですが、彼女がものすごくつらい日々を過ごしていたことが手に取るようにわかる。周囲の誰も彼女に手を差し伸べてくれないような状況で、“カゴの中の鳥”ってこういうことを言うのかなと感じて。私だったら耐えられないと思います」とダイアナの苦悩に寄り添いつつ、「そんななかで、彼女が子どもたちにどれほどの愛情を注ぎ、また子どもたちにどれだけ支えられていたのかということが伝わってきました。彼女の軸には子どもたちがいて、子どもたちがいたからこそ、彼女は立っていることができたんだと思います」と母としての表情も印象に残ったという。

王室生活でギリギリの精神状態に追い込まれたダイアナ妃の姿が描かれる
王室生活でギリギリの精神状態に追い込まれたダイアナ妃の姿が描かれる[c]Frederic Batier

ダイアナを演じたクリステン・スチュワートは、本作の演技で第94回アカデミー賞主演女優賞にノミネートされるなど、高い評価を受けた。「本作のダイアナを見ていると、ものすごく苦しくて、悲しい気持ちになって。クリステンさんのお芝居には、そういった気持ちにさせてくれる力があった」と称えた米倉は、「目の表情や、ダイアナさんを思い出させるような彼女の役作りはステキだなと思いました。王室に嫁いだダイアナを演じるために、イギリス英語を意識してお芝居をされていたのも印象的」とコメント。「ずっと苦しい状態にいる役柄を演じるのって、とても大変なことだと思うんです。撮影期間中は、クリステンさんもものすごくつらかったんじゃないかな」と思いを巡らせる。ダイアナ妃が苦悩の果てに取った決断、そしてその決断をしたあとの彼女の表情と、希望が見えるラストに、見る者も心を打たれるに違いない。

「『プリンセス・ダイアナ』を観て、救われる想いがした」

一方の『プリンセス・ダイアナ』は、チャールズ皇太子との馴れ初めから世紀の結婚式、その後に亀裂の入った夫婦関係、2人の王位継承者の誕生など、ダイアナが1997年に非業の死を遂げるまでを、当時の記録音声と記録映像で明らかにするドキュメンタリー映画だ。


米倉は「つらい日々を過ごしていたダイアナさんだけれど、『プリンセス・ダイアナ』では、彼女が自分のやりたいことや、決めたことに対して、きちんと意志を持って行動に移そうとしていたんだということを垣間見ることができました。100パーセントの力を出し、頑張って生きていたんだということがわかって、なんだかすごくうれしかったです」と王室を飛びだしてから、世界中の注目を浴びる自分の立場も使いながら人道支援に励むダイアナを見て、「救われる想いがした」としみじみ。

ダイアナ妃の貴重なアーカイブ映像で振り返るドキュメンタリー『プリンセス・ダイアナ』
ダイアナ妃の貴重なアーカイブ映像で振り返るドキュメンタリー『プリンセス・ダイアナ』[c]Kent Gavin

「『プリンセス・ダイアナ』では、メディアが流した映像とともに客観的にダイアナ妃の人生を振り返り、『スペンサー ダイアナの決意』では彼女が当時どんな気持ちだったのかをダイアナ妃の視点で見ることができる。ぜひ、2本セットで観ることをオススメします」と笑顔。ドキュメンタリー映画でダイアナの人生を辿ったことで、「結婚した時と30代とでは、ダイアナさんはまったく違う顔をしていましたよね。晩年のダイアナさんの顔には、意志が宿っていて、生き様がしっかりと顔に刻まれているなと思いました」と発見することも多かったという。

また本作からは、ダイアナ妃のストーリーとともに、それに対する一般市民の反応や、彼女がどれほど執拗なマスコミの取材攻勢を受けていたのかということも確認できる。米倉は「ダイアナさんと私ではまったく立場は違いますが、私もカメラに追いかけられたことがあるので。ずっと追いかけられていると、パニックにもなるし、悪いことをなにもしていないのに、どうして隠れるようにしなければいけないんだろうと思ったり」と打ち明けながら、「ダイアナさんはあんなにパパラッチに追いかけられているなか、自分で運転をしてお買い物に行っていましたよね。そういった姿からも、“自分はこれをやりたいんだ”という意志を曲げない、強い人なんだなと感じました」と随所にダイアナの強さを感じたと話す。

■米倉涼子
1975年生まれ、神奈川県出身。1992年に芸能界入り。翌年よりモデルとして活躍後、1999年に俳優へ転身。以降ドラマ・映画・舞台・CM等に幅広く出演。代表作として、ドラマ「黒革の手帖」(EX)をはじめとした松本清張シリーズ、「Doctor-X~外科医・大門未知子~」(EX)、「新聞記者」(NETFLIX)など。ミュージカル「CHICAGO」では、主演のロキシー役でこれまで3度のブロードウェイ公演(12・17・19)に出演。今年11月には、ブロードウェイデビュー10周年を記念して前人未到の4度目の出演を控える。(東京凱旋公演は12月に東京国際フォーラムホールCにて上演)
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