杉山すぴ豊、アメコミ系YouTuberコウスケ、IMALUが徹底討論!スーパーマンが「地球と家族、どっちが大切?」究極の選択を迫られる
これまで映画やアニメ、ドラマなど何度も映像化がされてきた、世界一有名なDCコミックスのスーパーヒーロー、スーパーマン。その最新テレビドラマシリーズで、日本でも2022年4~7月にかけてNHK総合で放送された「スーパーマン&ロイス <シーズン1>」が、放送ではカットされたシーンも含め、シーズン1全15話を収録したブルーレイコンプリート・ボックス(3枚組)として本日発売される。
本作は、スーパーマンことクラーク・ケント(タイラー・ホークリン)が妻のロイス・レイン(エリザベス・トゥロック)と共に、思春期真っ只中の双子の息子、ジョナサン(ジョーダン・エルサス)とジョーダン(アレックス・ガーフィン)に向き合い、地球と家庭の平和を守ろうとするSFアクション・ヒューマンドラマ。ヴィランと戦い、人命救助のために忙しく世界中を飛び回って来たクラークは、母の死をきっかけに自身が育った地方の町、スモールビルに家族を連れて戻って来る。そんな時、ジョーダンがスーパーパワーを受け継いでいることが発覚し、息子たちに初めて自身がスーパーマンであることを明かす。さらに、ジャーナリストであるロイスと敵対する実業家のモーガン・エッジ(アダム・レイナー)がスモールビルでなにやら怪しい動きをし、クラークの前にも“キャプテン・ルーサー”と呼ばれるアーマー姿の謎の存在が現れる。
「地球を守り、家族も救え!」というキャッチコピーのとおり、無敵であるはずのスーパーマンが家庭生活に思い悩むという、これまでになかった斬新なストーリーが展開される「スーパーマン&ロイス」。その魅力をひも解くため、MOVIE WALKER PRESSではアメコミ好きの著名人を集めた座談会を実施。アメコミ映画系評論家で東京コミコンのアドバイザーも務める杉山すぴ豊、アメコミ系YouTuberのコウスケに加えて、マーベルファンだけど「スーパーマン」に関しては実はビギナーだというタレントのIMALUが、本作の見どころはもちろん、有名すぎて意外と知られていない、スーパーマンのバックグラウンドやほかのDC作品とのつながりについて語った。
※以降、ストーリーの核心に触れる記述を含みます。未見の方はご注意ください。
「スーパーマンの弱点を“家庭”に振ったところにおもしろさを感じる」(すぴ)
杉山すぴ豊(以下、すぴ)「スーパーマンって、最初に誕生したスーパーヒーローであり、アメコミ史上最強のヒーローなんですよ」
IMALU「なんでそんなに最強なんですか?」
すぴ「スーパーマンの故郷である惑星クリプトンが地球とは異なる太陽構成だから。という設定がありますが、実際はアメコミの歴史における最初期のヒーローということもあり、空を飛べて力持ち、不死身で目からはレーザー光線も放つなど、人類の理想をすべて詰め込んだからなんです。完全無欠のヒーローになってしまったばかりに、以降に登場するヒーローたちをそれ以上の強さにできない。なので、生身の人間であるバットマンや女性版ヒーローのワンダーウーマン、海を舞台に戦うアクアマンなど、スーパーマンと差別化できるヒーローが次々と誕生していった経緯があります」
コウスケ「スーパーマンのような最強かつオールマイティなキャラクターを最初に登場させてしまうと、次に出すキャラクターに困りますよね」
すぴ「物語的な観点からしても最強すぎると話が続かず困るので、“クリプトン星の放射物質クリプトナイト”と“ロイス・レインとの恋”の2つを、おもな弱点として展開されてきました。『スーパーマン&ロイス』ではその弱点を“家庭”に振ったところにおもしろさを感じます。それにより、これまでのスーパーマンを扱ったどの作品と比べても、一番生活感があっていろんな悩みを抱えている(笑)。ロイスから『地球と家族、どっちが大切なの?』と言われたり、息子たちから罵られたり…。最強のヒーローなのに家庭のなかでは立場が弱いんですよね。IMALUさんから見て、この作品はどう映りましたか?」
IMALU「DC作品もいくつかは観ているのですが、よくよく考えると、スーパーマンの知識がほぼゼロの状態だったんです。『鳥だ!飛行機だ!いや、スーパーマンだ!』という有名な言葉しか知らないレベル(笑)。そもそもスーパーマンのことを人間だと思っていたんですよね。普通の人間がスーパーパワーを手にしたと思っていたら、まさかの宇宙人で生まれつきスーパーパワーを持っていた。スーパーマンって私が思っていた以上に“スーパー”で、その設定から引き込まれました!」
「最低限の情報が頭に入った状態で物語に入り込めるので、スーパーマンに関する知識がなくても観やすい」(IMALU)
すぴ「IMALUさんみたいに、名前やビジュアルは知っていても、どういうキャラクターでどんな設定があるかまでは把握していない人は多いかもしれないですね」
コウスケ「そういった方たちに向けても、宇宙から赤ん坊のカル=エル(スーパーマンのクリプトン星での名前)がやって来たことや、大手新聞社のデイリー・プラネットで働き始めたクラークがロイスと出会って恋に落ち、結婚するまでの物語が、第1話の冒頭でダイジェスト映像として紹介してくれるのはうまい構成ですよね。過去作でじっくり描かれてきた要素をわずかな時間で振り返ることができて、とてもありがたいです」
IMALU「たしかに!最低限の情報が頭に入った状態で物語に入り込めるので、スーパーマンに関する知識がなくても観やすいと思います。一方で、最初は誰でも観られる感動もののファミリードラマを想像していたのですが、家族やスモールビルの住人を取り巻く物語だけでなく、マルチバースの要素があったり、クリプトン星の人も関係してきたりと、実は複雑で奥行きのある作品ということに驚きました。もっとスーパーマンのことを掘り下げたい!と思わせてくれて、キャラクターたちにもどんどん愛着が湧いていきました」
コウスケ「僕は本作も含まれる『アローバース』シリーズ(『ARROW/アロー』や『THE FLASH/フラッシュ』などで構成される実写ドラマシリーズ)をずっと追いかけてきていたのですが、『スーパーマン&ロイス』を観るまで、このシリーズにおけるスーパーマンの印象があまり強くなくて。スーパーガールの従兄として、『SUPERGIRL/スーパーガール』や『エルスワールド』『クライシス・オン・インフィニット・アース』など、年に1度放送される『アローバース』のクロスオーバーエピソードで登場する“特別ゲスト”というイメージでした。この『アローバース』のスーパーマンとの関係は明確ではないのですが、演じているのがどちらもタイラー・ホークリンだったこともあり、ロイスや息子たちとの触れ合いで見せる笑顔など、こんなかわいらしい一面もあるんだ!と知ることができたのもよかったです(笑)」
発売中
価格:14,000円(税込)
発売元:ワーナー・ブラザーズ ホームエンターテイメント
販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント
■杉山すぴ豊
アメキャラ系ライターの肩書で、アメコミ映画・ドラマの情報発信やコラムを様々なメディアで展開。「スーパーマン&ロイス」のNHK放送時には解説も務めた。2021年のDC展アンバサダー。東京コミコンのアドバイザー、MCも務める。
■コウスケ
アメコミ作品を始めとする映画情報を独自の視点から紹介・解説し、多くの映画ファンから支持を集めるYouTubeチャンネル「コウスケアメコミチャンネル」を運営。
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■IMALU
1989年生まれ、東京都出身。高校時代には語学を学ぶためカナダへ留学。帰国後、ファッション誌でモデルデビューし、タレントとして幅広い分野で活躍中。2022年8月から東京と奄美大島の2拠点生活をスタート。
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