トロント国際映画祭でサーチライトの新作4本がお披露目!賞レースへの期待がかかる豪華作がずらり

イベント

トロント国際映画祭でサーチライトの新作4本がお披露目!賞レースへの期待がかかる豪華作がずらり

8月末のヴェネチア国際映画祭(イタリア)、そして9月のテルライド映画祭(米・コロラド州)とトロント国際映画祭(カナダ)で秋の映画シーズンの幕が開ける。サーチライト・ピクチャーズは、毎年この3つの映画祭に照準を合わせ、秋〜春にかけて映画界を賑わせる作品のプレミア上映を行う。2022年は、ヴェネチアとテルライドでそれぞれプレミアが行われた作品と、トロントで世界初上映が行われる2作品を合わせた、計4作品をトロントでお披露目した。

マーティン・マクドナー監督『イニシェリン島の精霊』
マーティン・マクドナー監督『イニシェリン島の精霊』[c]2022 20th Century Studios. All rights reserved. 

マーティン・マクドナー監督・脚本の『イニシェリン島の精霊』は、アイルランドの孤島イニシェリン島で暮らす男たちの友情の物語。近所のパブに入り浸り、相棒のようなロバを愛するパードリック(コリン・ファレル)は、長年の友人のコルム(ブレンダン・グリーソン)に突如、絶縁を告げられる。理由もわからず狼狽するパードリックは事態を好転させようとするが、コルムの決心は堅く…。

マーティン・マクドナー監督とケリー・コンドン
マーティン・マクドナー監督とケリー・コンドン[c]2022 20th Century Studios. All rights reserved. 

2017年の第74回ヴェネチア国際映画祭で脚本賞を受賞、トロント国際映画祭で観客賞を受賞した『スリー・ビルボード』に続く演劇界の鬼才マクドナーの新作で、第79回ヴェネチア国際映画祭でも二度目の脚本賞(マ―ティン・マクドナー)と主演男優賞(コリン・ファレル)の二冠を達成。ヴェネチアでの公式上映では、会場から終始笑いが起き、約15分間のスタンディングオベーションで讃えられた。今作は、10月24日(月)より開催される第35回東京国際映画祭ガラ・セレクション部門で上映される。日本での劇場公開は2023年1月27日(金)を予定。

【写真を見る】マーティン・マクドナーとサム・メンデス、サーチライト監督2人の貴重なツーショット!
【写真を見る】マーティン・マクドナーとサム・メンデス、サーチライト監督2人の貴重なツーショット![c]2022 20th Century Studios. All rights reserved. 

ヴェネチアと時期を同じくして行われていたテルライド映画祭は、コロラド州のスキーリゾートで行われるエクスクルーシブな映画祭。その立地や時期から、近年はアカデミー賞候補作のプレミアが行われる映画祭として知名度を上げている。パンデミック最中の2020年には、ヴェネチアで上映されたばかりの『ノマドランド』(20)の北米プレミアが、テルライド映画祭と共催でロサンゼルス郊外のローズボウル特設のドライブイン・シアターで行われた。

サム・メンデス監督『エンパイア・オブ・ライト』
サム・メンデス監督『エンパイア・オブ・ライト』[c]2022 20th Century Studios. All rights reserved. 

今年のテルライドでは、サム・メンデス監督の最新作『エンパイア・オブ・ライト』の上映が行われた。2019年の賞レースを賑わせた『1917 命をかけた伝令』以来の新作で、1980年代イギリスの静かなリゾート地の映画館を舞台に、人と映画のつながりを描く。出演はオリヴィア・コールマン、マイケル・ウォード、トビー・ジョーンズ、コリン・ファースほか。北米公開は12月9日、日本公開は2023年2月予定。

マーク・マイロッド監督『ザ・メニュー』
マーク・マイロッド監督『ザ・メニュー』[c]2022 20th Century Studios. All rights reserved. 

トロント国際映画祭でワールド・プレミアが行われたのは、『ザ・メニュー』と『シュヴァリエ(原題)』の2作品。ドラマシリーズ「サクセッション(「メディア王〜華麗なる一族〜」)」の監督として知られるマーク・マイロッドによるサスペンス『ザ・メニュー』は、孤島にある超一流レストランで腕を振るうカリスマシェフ(レイフ・ファインズ)の絶品料理に舌鼓を打つカップル(アニャ・テイラー=ジョイ&ニコラス・ホルト)ら、選ばれし客が体験する驚愕の展開を描く。「メディア王〜華麗なる一族〜」も手掛けるアダム・マッケイが製作総指揮を務めている。11月18日(金)に日米同時公開が予定されている。

スティーブン・ウィリアムズ監督『Chevalier』
スティーブン・ウィリアムズ監督『Chevalier』[c]2022 20th Century Studios. All rights reserved. 

もう一本の『Chevalier』は日本公開未定だが、『ザ・メニュー』同様にテレビシリーズで手腕を発揮したスティーブン・ウィリアムズが監督している。ウィリアムズが手がけた作品には、「LOST」(04-10)、「PERSON of INTEREST 犯罪予知ユニット」(11-16)、「ウォッチメン」(19)などがある。『Chevalier』の舞台は、18世紀のフランス。作曲家、ヴァイオリン奏者、そして剣士として名を馳せたジョゼフ・ブローニュ・シュヴァリエ・ド・サン=ジョルジュの実話を映画化している。シュヴァリエことブローニュを演じるのは、『WAVES/ウェイブス』(19)、『シカゴ7裁判』(20)、『シラノ』(21)、『エルヴィス』(22)と話題作に続々と出演しているケルヴィン・ハリソンJr.。マリー・アントワネット役を、『ボヘミアン・ラプソディ』(18)のメアリー役で大ブレイクしたルーシー・ボイントンが演じている。北米では2023年公開予定だ。

『Chevalier』チーム
『Chevalier』チーム[c]2022 20th Century Studios. All rights reserved. 

毎年、アカデミー賞の主要賞で数多くのノミネートを受けるサーチライト・ピクチャーズ作品。2022年のラインナップも、例年になく強力で豪華な作品が揃った。11月公開の『ザ・メニュー』、東京国際映画祭でプレミア上映される『イニシェリン島の精霊』など、日本でも早々に鑑賞できるのもうれしい。サーチライト作品の賞レースでの動向にも期待が募るばかりだ。

文/平井伊都子

関連作品

  • エンパイア・オブ・ライト

    3.8
    220
    サム・メンデス監督×サーチライト・ピクチャーズが80年代イギリスを舞台に“映画”の奇跡を描く
    Prime Video Disney+
  • イニシェリン島の精霊

    3.7
    328
    『スリー・ビルボード』マーティン・マクドナー監督×サーチライト・ピクチャーズの再タッグ最新作
    Prime Video Disney+
  • ザ・メニュー

    3.6
    332
    なかなか予約の取れない高級料理店で不気味なサプライズが始まるサスペンス
    Prime Video Disney+