『沈黙のパレード』福山雅治×柴咲コウ×北村一輝、関係性の変化も楽しむチーム「ガリレオ」の結束力

インタビュー

『沈黙のパレード』福山雅治×柴咲コウ×北村一輝、関係性の変化も楽しむチーム「ガリレオ」の結束力

「この作品の中に皆さんの心を引き込むことができたら、それはエンタメとして正しい」(福山)

――2007年からドラマがスタートして、15年経ってもなお、新作が待ち望まれているという状況はすばらしいことだと思いますが、『沈黙のパレード』を経て、新たにどういうフェーズに入ったと思いますか?

「いまの私にしか出せない内海薫がある」と語る柴咲コウ
「いまの私にしか出せない内海薫がある」と語る柴咲コウ撮影/湯浅亨

柴咲「その年代に求められるもの、表現できる範囲というのがあって、いくら背伸びをしても、テレビシリーズが始まった時の20代のころの私には、“新人刑事・内海薫”しか出せることがなかったと思います。いまだからこそ、キャリアを積んで、きっと痛い経験もして、それで戻ってきて、懸命にいい仕事をしたいなと思っている内海薫がいて、その姿はいまの私にしか出せないもの。自分の経験によって役柄が変化して行くことをすごく楽しめているなと感じています。


テレビシリーズの時の湯川先生のあのポップさはすごい発明だと思うんです。原作はあるけれど、いろいろな世代の人から真似されるような印象的な演出もあって、福山さんが演じることでキャッチーなものができあがった。そこからより心の“深度”を上げて、深みを増して行くことが本作ではできたと思っています」

北村「僕も同じような意見です。不定期ながら歳月をかけて作品を作ってきて、“チームガリレオ”というものが出来上がっていると思うんですよ。そのチームが、いま自分たちに出来る最大限の力を出したものが『沈黙のパレード』。10年後に次があれば、またその時に出来るものが高まっているだろうな。だから、関わっていて心地の良い場所ですね」

「この作品の中に皆さんの心を引き込むことができたら、それはエンタメとして正しい」と語る福山雅治
「この作品の中に皆さんの心を引き込むことができたら、それはエンタメとして正しい」と語る福山雅治撮影/湯浅亨

福山「これは東野圭吾先生がおっしゃったことですけど、文学がどうだこうだと言う前に、僕の仕事は小説を読んで楽しんでもらうことが第一だと。その姿勢は、すなわちこの映画にもつながっています。描かれているテーマに関して、ズシンときましたとか、メッセージが刺さりましたということがあったにせよ、この作品自体を楽しめてもらえて、作品の中に自分の心を持っていかれたっていうことが、エンタメの楽しみ方の一つの正解だと思うんですね。『沈黙のパレード』を観て、悲しい想いを抱いたり、心になにが残るかは皆さんそれぞれ違うと思いますが、少なくとも映画を観てもらっている2時間ほどの間は、この菊野市という街を旅して、なみきやという定食屋でご飯を食べて、登場人物の気持ちに触れたような感覚になったりして。この作品の中に皆さんの心を引き込むことができたら、それはエンタメとして正しいと。そういう様々な魅力が東野さんの作品にはあり、『ガリレオ』シリーズにはたくさん散りばめられているんだなと僕は感じています」

【写真を見る】いい笑顔!福山雅治&柴咲コウ&北村一輝のチームワークを感じさせる撮り下ろし
【写真を見る】いい笑顔!福山雅治&柴咲コウ&北村一輝のチームワークを感じさせる撮り下ろし撮影/湯浅亨

取材・文/金原由佳

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