福島第一原発事故に迫るNetflixドラマ「THE DAYS」配信決定、主演の役所広司によるコメントも到着
<キャスト、スタッフコメント>
●役所広司
「最初は題材が題材なだけに『これをエンターテインメントにしていいのか?』という気持ちがありましたが、プロデューサーの話をお聞きして意義を感じ、出演を決めました。私が演じた役は、チェルノブイリでさえ経験しなかった全電源喪失といった極限状況下でも信念を持って指揮をとるリーダーですが、英雄として描かれるわけではありません。原子炉が落ち着いた後も続く、事故に対する彼の終わりなき問い、そこにこそ本作の意義があるのだと思います」
●増本淳(プロデューサー)
「勇気ある者たちが日本の危機に立ち向かったという美談、英雄譚にはしたくありませんでした。原案のタイトルにもあるとおり、4機の原子炉が同時に暴走するという、まさに死の淵に立たざるを得なかった人々が味わった恐怖と不条理をできうる限り事実に忠実に伝えることをテーマとしました。そして、十年以上が経過したいまもなお終わりの見えないこの事故の存在を世界の人々に忘れずにいてもらいたいという願いから制作に至りました」
●西浦正記(監督)
「映像化には苦労しました。3.11のニュース映像は世界中が目にしている。現実の映像が持つ迫力にどれだけ迫れるかは大きな挑戦でした。とは言え、空撮を多用したハリウッドのディザスター映画のようにはしたくなかった。地を這う者の目線にこだわり、被災した人々の恐怖を少しでも自分のものとして感じてもらえるようにしました。また、役所さんをはじめ、普通の人として演出することも挑戦でした」
●中田秀夫(監督)
「目に見えない放射線への不安や恐怖感をどう描くか。それが演出上、最重要な点でした。吉田所長以下、現場の方々が知恵と体力を振り絞り、その恐怖に立ち向かって行く。それでも容赦無く放射線量は増大していく。彼らが経験した極限状態の緊迫感を身近に感じてもらうため、我々も事前に実際の建屋内に入り、セットに反映しました。尋常ではない不安や恐怖を抱えつつ『これは仕事だ』と職務を続けた彼らの内面に肉迫したいと常に考えていました」
文/鈴木レイヤ