「マジェプリ」「弱虫ペダル」プロデューサーが振り返るTOHO animation10年の歩み「チャレンジングなスタートだった」

インタビュー

「マジェプリ」「弱虫ペダル」プロデューサーが振り返るTOHO animation10年の歩み「チャレンジングなスタートだった」

「『こういう作品もあるんだ!』というところを、皆さんで一緒に1日楽しんでいきたい」(下山)

――「10周年大感謝祭」のプロジェクトは、いつごろから考えられていたのですか?

9月25日(日)に配信される「TOHO animation 10周年 大感謝祭」には、ファン垂涎のイベントがもりだくさん!
9月25日(日)に配信される「TOHO animation 10周年 大感謝祭」には、ファン垂涎のイベントがもりだくさん!

下山「昨年くらいから、弊社内で、『そういえば2022年って、もう10周年になるよね』という話はしていて。アニメのレーベルという面で言うと、10年ではまだ新参者だと思いますし、10年くらいでおこがましいよ、という気もしないでもないんですけども(笑)、やはりこの10年走ってこられたのはファンの皆さま、視聴者の皆さまのおかげなので、『感謝を伝えましょう!』というのが、このプロジェクトのテーマになります。

僕らとしては、より多くの人に伝えるという意味で、配信を中心としたイベントをやりたいという想いがありました。おかげさまで、YouTubeのTOHO animationのチャンネルが200万人を突破するなど、ご好評を得ていますので、そこを媒体として、しっかりやっていこうと考えています。いま、まさに内容、細部をつめている真っ最中です。
たぶん、レーベル全体で見ている方よりも、やっぱり作品単体で見られるお客さんが多いと思います。だから、今回はTOHO animationというレーベルを媒介として、いろんな作品を知ってもらう機会にもなればいいなと。『あ、こういう作品もあるんだ!』というところを、皆さんで一緒に1日楽しんでいきたいと思っています」

芥見下々の同名人気コミックをアニメ化した「呪術廻戦」
芥見下々の同名人気コミックをアニメ化した「呪術廻戦」[c]芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

――多彩なコーナーがあるなかで、お2人が特に楽しみにしているものは?

山中「いまは現場に任せているので、僕自身は『弱虫ペダル』を担当していないんですけれども、だいぶ間が空いて5期が始まるので、久しぶりのキャストさんのトークやお客さんの反応を非常に楽しみにしています。」

下山「うちのレーベルの歴代の作品で言えばコレ!というのを視聴者の皆さんからTwitterで投稿していただくコーナーをリアルタイムで設けているので、どんな声が届くんだろうとか、皆さんが好きなアニメはなにかなとか、すごく興味があります。懐かしの作品でも、現在進行形の新作でもいいですし、ぜひ熱いメッセージの投稿をお願いします!」

「製作、宣伝共に、“真心込めて、丁寧に”という感じですね」(山中)

――作品によってカラーは違ってくると思いますが、TOHO animation全体として、アニメ製作、宣伝で、それぞれ大切にしていることはなんですか?

山中「大事な作品をお預かりして、それを世のなかに広めて、より大きなムーブメントを起こすというのが、映画配給会社としての務めだと思っています。そして、同じDNAはTOHO animationのなかにも当然強くあります。製作側としては、原作ものであれば、作品のエッセンスを理解して、いいものを、どこまでよく作れるか。クオリティには非常にこだわって作っていくべきだと思っていますし、そこはこれまでも意識してやってきた部分ではあるかなと思っています。」

「大感謝祭」では10周年の「PSYCHO-PASS サイコパス」シリーズを振り返るイベントも開催される
「大感謝祭」では10周年の「PSYCHO-PASS サイコパス」シリーズを振り返るイベントも開催される[c]サイコパス製作委員会

下山「宣伝面では、クリエイターのみなさん、プロデューサーの皆さんが作ったものを受け取って、それを発信するという考え方が僕は強いんです。宣伝の難しいところは、決まった正解がないことなんですよね。それぞれの作品によって色や違いがあって、例えば、宣伝の施策の数や物量が多いほうがいい作品がある一方で、わざと施策を少なくしてポイントを抑えていく、という作品もありますし。一番心掛けているのは、まず作品を丁寧に扱うということですね。
それにプラスして、テレビアニメや映画は、作品を見るだけで終わるものではないんです。そこから派生したグッズ、イベント、宣伝でもTwitterを使った企画、各媒体での記事などパブリシティの部分…様々なものを通して、作品にどんどん没入していってもらう。宣伝も楽しむポイントのひとつとして捉え、どんどん楽しんでもらおう!と考えています」

山中「製作、宣伝共に、“真心込めて、丁寧に”という感じですね(笑)」

――これからのTOHO animationが目指していることを教えてください。


これからのTOHO animationにも期待が高まる!
これからのTOHO animationにも期待が高まる![c]堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会

山中「我々は映画会社でもあるので、やっぱり最終的に劇場で上映するという目標は常に持っていたいなと思っています。あとは、全体の数としてはまだ少ないオリジナルのアニメーションをもっと世に出していきたいですね。次の10年でチャレンジしていければいいなと思っています」

下山「この10年で、アニメを楽しむ環境はどんどん変化していますよね。テレビだけだった時期、Blu-rayやDVDが活性していた時期があり、いまでは配信で観られる方が本当に多いです。スマホゲームでキャラクターを楽しんでいただいている方もいらっしゃいますし、アニメのいろんな楽しみ方が出てきている。いまはアニメが大衆娯楽として、どんどん広がっている真っ最中なんだと思います。
また、環境の変化としては、世界中がボーダーレスになったなと感じています。より多くの人に楽しんでもらいたいという点では、海外のファンのことも制作、宣伝共に意識していると思いますね。たぶんこの先もどんどん変化があると思うので、その変化のポイントを見逃さず、しっかり適応しながら、TOHO animationとして提供する作品のおもしろさを、正しく、丁寧に伝えていきたいと思っています」

取材・文/石塚圭子

「TOHO animation 10周年 大感謝祭」
配信日:2022年9月25日(日)10:30~20:30 (予定)
配信URL:https://youtu.be/-W_Y-xNwR38
イベントHP:https://tohoanimation.jp/10thanniversary/special/event5/
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