オリヴィア・ワイルド監督の話題作が北米初登場1位!再上映の『アバター』は“全世界歴代1位”の貫禄を見せる

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オリヴィア・ワイルド監督の話題作が北米初登場1位!再上映の『アバター』は“全世界歴代1位”の貫禄を見せる

例年以上に閑散とした状態で迎えた9月最終週の先週末(9月23日から25日)。北米興収ランキングを制したのは、監督デビュー作『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』(19)で大成功を収めたオリヴィア・ワイルドの監督第2作『ドント・ウォーリー・ダーリン』(11月11日日本公開)だ。

批評家からはそっぽを向かれてしまった『ドント・ウォーリー・ダーリン』
批評家からはそっぽを向かれてしまった『ドント・ウォーリー・ダーリン』[c]Everett Collection/AFLO

『ミッドサマー』(19)や『ストーリー・オブ・マイ・ライフ/わたしの若草物語』(19)のフローレンス・ピューと、ワン・ダイレクションのメンバーであるハリー・スタイルズが共演した本作。4113館という大規模で公開され、3日間の興行収入は1935万ドル。製作費が2000万ドルほどであることを考えると特別に悪い成績ではないものの、4000館以上で公開された作品のオープニング興収としては『ナッツジョブ リバティパーク奪還作戦!!』(17)、『アダムス・ファミリー2 アメリカ横断旅行!』(21)に次ぐワースト3位のスタートに。

『ブックスマート』で叶わなかったオスカーへの参戦を期待されていた作品ではあったが、ヴェネチア国際映画祭でのお披露目も微妙な反応に終わり、現時点で批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば批評家からの好意的評価は38%と不発。撮影時から飛び交っていたワイルドとスタイルズの熱愛報道などのゴシップはラジー賞の大好物なだけに、そちらへの警戒が必要になってくることだろう。それでも観客からの好意的評価は77%と悪くなく、なんとか興行的な成功を目指したいところだ。


12月公開の続編に向けておさらい!『アバター:ジェームズ・キャメロン 3Dリマスター』がランクイン
12月公開の続編に向けておさらい!『アバター:ジェームズ・キャメロン 3Dリマスター』がランクイン[c]Everett Collection/AFLO

一方3位に初登場を果たしたのは、言わずと知れた全世界歴代興収No. 1映画『アバター』(09)の特別版となる『アバター:ジェームズ・キャメロン 3Dリマスター』(日本公開中)。12月に控えている続編に向けた期間限定の興行ではあるが、13年前の映画の再上映とは思えないほどの盛況ぶり。1860館で1052万ドルの興収を記録し、全世界興収でも3000万ドルを突破。もちろんこの数字は、これまで積み上げられてきた『アバター』の成績にそのまま加算されることになる。

初公開時に全世界興収27億4357万ドルを記録した『アバター』は、『タイタニック』(97)の約18億4300万ドル(当時)を大幅に上回り、史上初の全世界興収20億ドル超え映画に。翌年公開された特別版の興収を加算するものの、2019年に『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19)に抜かれ2位に転落。ところが2021年の中国公開で興収5770万ドルを加算し、首位を奪取。今回の上映でどこまでその差を広げることができるか注目しておきたい。

スタジオジブリの『ハウルの動く城』が期間限定上映で存在感!
スタジオジブリの『ハウルの動く城』が期間限定上映で存在感![c]Everett Collection/AFLO

ベストテン圏外ではあるが、13位にも再上映作品がランクイン。「Studio Ghibli Fest2022」として4日間限定で上映された宮崎駿監督作品『ハウルの動く城』(02)が、868館で興収76万ドルを記録。平日の興収を加算すると2019年の再上映の成績を上回っており、興収100万ドルを突破。あらためてその人気の高さを窺うことができる。ちなみに10月下旬には『千と千尋の神隠し』(01)の上映も控えているようだ。

文/久保田 和馬

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