菊池風磨がパンイチ姿で逆ギレ!?千葉雄大らによるどこか憎めない沼なクズ男たち
劇団、月刊「根本宗子」を主宰する劇作家の根本宗子による舞台を、前田敦子主演で映画化した『もっと超越した所へ。』(公開中)。4組の男女の恋愛とその崩壊が、同時進行で描かれていく本作で目を見張るのが男たちのクズっぷりだ。「こんな人いるいる」と思わせるような絶妙にリアルなキャラクターたちを紹介していきたい。
ナルシストですぐ泣く…菊池風磨が憎めないヒモ男に
4組の男女のそれなりに幸せな日々がささいなきっかけから崩れ、それぞれの本音と隠されていた過去が明らかになっていく本作。クズ男ばかりを引き寄せてしまう4人の女性の恋愛模様とそんな彼女たちの意地と根性が引き起こすミラクルな展開が、面倒な感情とともに赤裸々に綴られていく。
4人の女性を前田敦子、伊藤万理華、黒川芽以、趣里が演じ、それぞれの相手となる男たちには菊池風磨、オカモトレイジ、三浦貴大、千葉雄大が扮している。そのなかでも気持ちいいほどのクズ演技を見せているのが菊池だ。
菊池演じる怜人は自身の生活の様子を配信するストリーマー。とは言いつつも視聴者数はわずかなため、彼女の家に居座って生活するヒモ男。中学時代の同級生で衣装デザイナーの真知子(前田敦子)とも、SNSでの交流をきっかけに再会すると、あれよあれよとアパートに転がり込み、いつのまにか恋人となっていく。
再会して間もないにもかかわらず、図々しくも家に上がり込んだかと思えば、「ちょっと、横になる?」「キスしますか」と自信満々。その後も「オリジン弁当で最も高級なものを、今日は俺が奢って“あげます”」と偉そうにアピールするなど、なんとも押し付けがましい男だ。
かと思えば、ケンカの際に「あんた」と言われて「あんたって言わないで」と反応したり、しまいには黙りこくってやり過ごそうとしたりと、その性根は筋金入りの意気地なし。「本人的にはキメているつもりなんですけど、言っていることはしょうもないんです。なのである種のかわいさがないと、ちょっと見ていられないようなところがあるんです」とプロデューサーも語るような痛さも持っている。
ジャニーズにもかかわらずバラエティ番組でいじられまくるなど、イケメンなのにどこか残念なキャラクターが板についている菊池。そんなイメージを生かした振り切った演技でクズ男になり切っており、ナルシストな笑顔でトンチンカンな言葉を放ったり、パンツ一丁で怒りだしたり…。イラッとするようなクズ男にもかかわらず、間抜けな姿にはどこか憎めなさを覚えるはずだ。