ついに明かされる『ONE PIECE FILM RED』制作秘話!プロデューサー陣が振り返る、“100億円”の先への挑戦
「谷口監督のイメージを元に、アーティスト皆さんが解像度高く、作詞に取り組んでくれた」(高野)
――本作が多くのお客さんに受け入れられていった過程を通じて、『ONE PIECE』というコンテンツの持つ力を、改めてどう感じたられましたか。
梶本「まだまだ余地があるのだなと実感しました。『ONE PIECE』ファンとして一番うれしかったのは、映画をきっかけに『ONE PIECE』作品に触れようと思ってくれた人が増えたこと。世界一売れている漫画家が描く物語ですから、おもしろさは十分承知していましたが、もっともっと広がっていくことは素直にうれしいです。最終章に突入したことに関しては、いずれやってくるものと覚悟はしていましたが、正直一ファンとしては寂しさもあります。でも最後がどうなるのかすごく楽しみにしています」
高野「映画が公開されてから、TikTokやYouTubeなどいろいろなSNSでウタやウタの歌を見聞きするようになりました。原作コミックスも既刊が1巻からすさまじい勢いで重版になり、映画を通してまた新たな広がりが出来たと確信しています。さらには、毎週ジャンプが発売されるたびに『#(ハッシュタグ)今週のワンピ』で自由に感想をつぶやいてもらっていますが、それが毎週のようにトレンドに入るのを見ると、日本中でちゃんと『ONE PIECE』が盛り上がっているのを実感させられます。現在進行形ですごいコンテンツだと改めて思っています」
――貴重なお話をありがとうございました。リピーターの方、そしてこれから本作を観る方それぞれへ向けて、お二人からおすすめの楽しみ方を教えていただけますでしょうか。
梶本「初めて観る方には、まず純粋に楽しんでいただきたいです。何度も観た方には、ウタの歌う楽曲の歌詞を読んでいただくと、より気持ちに寄り添えると思います。本作はIMAX、4DX、そして爆音上映とさまざまなスタイルで上映されていますが、僕の個人的なおすすめはIMAXです。少し前の方の、目の前にスクリーンが目一杯広がる座席だと、音の力も加わって臨場感を存分に味わえます。また、尾田先生と谷口監督が対談した副音声付きの上映もとてもおもしろい試みだなと思いました」
高野「これから観る方には、映画の前にぜひ『ウタ日記』をじっくり見ていただきたいです。ウタがなにを考え、どういう気持ちでライブに臨んでいるのか。映画でウタは凶暴化していますが、本当は心の優しい子だと分かると思います。物語の見え方も違ってくるので、余裕があったら読んでから映画を楽しんでほしいです。梶本さんもおっしゃったように、歌詞の解像度が高いので、歌詞を読んでいただくのも(物語を理解するうえで)すごくいいことだと思います。谷口監督が書いた歌詞のイメージをベースに、アーティストの皆さんがウタへ解像度高く取り組んでいただけたことを感じていただける楽曲、歌詞になっています。まだまだ上映は続きますので、是非劇場でお楽しみいただければと思います」
取材・文/タナカシノブ
※高野健の「高」は「はしごだか」が正式表記