『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』はジェームズ・キャメロンが執筆した“1500ページのメモ”から生まれた。“アバター・ブルー”へのこだわりも明かす!
「自分たちの体験をなるべくリアルに再現したいと思っていた」
脚本に着手した段階でランドーが脚本家たちにリクエストしたのは、思い思いにアイデアを持ち寄ることではなく、前作の『アバター』を鑑賞し、成功した理由を徹底的にまとめることだったという。「彼らがまとめた資料を読み、僕が言ったのは『これらすべてが、1500ページのジムのメモのなかにある』ということ。すでになにを脚本に入れればいいのか、ジムはすべて分かっていたのです。必要なことはジムの膨大なメモを脚本として組み立てていくことだったのです」と解説してくれた。
また、集めた脚本家には、映画だけでなく小説を書く人、『アバター』に登場する地球から遠く離れた惑星パンドラについてのウィキペディアを手掛けているライターもいたという。「そこから脚本家とジムが集まって、約5か月で(今後順次公開予定の)4作のストーリーを制作しました。その後、ストーリー別に脚本の担当を振り分け、それぞれのストーリーを脚本家とジムで一緒に考えてきました」とライティングのプロセスを明かした。
海を舞台にすることもキャメロン監督のメモのなかにすでにあったそう。「海を舞台にし、家族をテーマにすることも書かれていました。自然を大切にし、守っていくことは僕たちにとってとても重要なテーマです。1作目では森、2作目では海の世界に人々の目を向けたい想いがあります」。
前作と最新作とでは、ナヴィの肌色は同じブルーでも、印象に違いがある。また、海の中で透けて見える青は一層美しい。青色の演出のこだわりについては「前作は森に住む生命体としてのブルー、今回はサンゴ礁に住んでいる生命体なので、同じ青でも違う色味を採用しています。実は、前作では森もすべて青にしようというアイデアもありましたが、それではあまりにも観客の目に異質な世界に映ってしまうということで、リアリティを持たせ、あくまでも青はアクセントとして使う結論になりました。今回は肌色だけでなく、“海の青”の表現もあります。
ジムも僕も水中でたくさんの時間を過ごしているので、水の色についても、水の中で肌の色がどう変化して見えるのかも、よく分かっています。自分たちの体験をなるべくリアルに再現したいと思っていました。深く潜れば潜るほど、水中に光は届きません。だんだん色が消えていくんです。そういうところの再現にもこだわりました」と説明した。
前作でグレイス・オーガスティン博士を演じた73歳のシガニー・ウィーバーが、物語のカギを握る14歳のキリ役を演じていることも話題だ。「若い人が歳をとった役をやることはよくあるけれど、その逆はあまりないですよね。でも、やはりこの話ではシガニーにやってもらうことが、キャラクターに説得力を持たせるうえでも重要でした。シガニーが偉大な女優であることは言うまでもありません。加えていまはテクノロジーもあるので、70代のシガニーが14歳を演じることも可能になっているとも言えます」。