『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』はジェームズ・キャメロンが執筆した“1500ページのメモ”から生まれた。“アバター・ブルー”へのこだわりも明かす!

インタビュー

『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』はジェームズ・キャメロンが執筆した“1500ページのメモ”から生まれた。“アバター・ブルー”へのこだわりも明かす!

「映画はとてもユニークなものだし、劇場で映画を観る体験は永遠に存在する」

インタビューなどで、今後の作品の監督を次の世代に託す可能性も示唆しているキャメロン監督。事実かどうかは別として、ランドーはキャメロン監督の発言をどのように捉えているのだろうか。「映画作りには情熱の炎、そして炎を燃やす燃料も必要です。過去3年を振り返ると、予想もできないことが起きることを私たちは知りました。こんなパンデミックになるとは誰も予想していなかったでしょう。予想できないことが起きるかもしれない、なににも頼ることができないこともあるからこそ、あらゆる状況に準備しなくてはいけないから、様々な考えが生まれると思うんです。いろいろなことを考える時期でもあったと思います。パッションがあればやるだろし、情熱の炎がない人は映画を作るべきではないと思っています」。

同じブルーでも、前作とは違った印象の肌色の『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』
同じブルーでも、前作とは違った印象の肌色の『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』[c] 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』が映画館の大スクリーンで観るべき映画であることは言うまでもない。しかし、前作の公開は2009年。いまとは映画を観る環境や手段にも大きな変化が出ていることも事実だ。この変化がキャメロン監督やランドーの映画作りにどのような影響を与えているのか? 質問すると、ランドーはニヤリと笑った。

お茶目なポーズも見せてくれたジョン・ランドー
お茶目なポーズも見せてくれたジョン・ランドー

「昔、ニューヨーク・タイムズの記事に『家でエンタメが楽しめるようになった、映画は死ぬだろう』と書いてありました。1983年3月のことです。その時といまとで、僕が感じていることはまったく変わりません。配信で観るのもそれはそれで楽しいと思います。でも、僕は、映画はとてもユニークなものだし、劇場で映画を観る体験は永遠に存在すると思っています。音楽をヘッドホンで聴くのも楽しいけれど、ライブに取って代わることはできないですよね。映像世界において、ライブにあたるのが映画館で映画を観ることだから、やっぱり特別だと思います」。

ジェームズ・キャメロンとの長年の信頼関係を見せる
ジェームズ・キャメロンとの長年の信頼関係を見せる

最後に、プロデューサーという仕事をどう捉えているのか教えてもらった。「プロデューサーはシリーズ全体を見る人。映画制作では、脚本、キャスト、編集、宣伝、マーケティングなど見るべきことがたくさんあります。僕は映画だけでなくゲームや出版にも広がる『作品のオーナー』という立ち位置です。そしてなによりもジムが望んでいることを形にすることこそが、僕の果たすべき役目だと思っています」。

取材・文/タナカシノブ

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