デヴィッド・O・ラッセル監督が振り返る、クリスチャン・ベールら盟友と作り上げた映画『アムステルダム』「まるで小説のような日々」

インタビュー

デヴィッド・O・ラッセル監督が振り返る、クリスチャン・ベールら盟友と作り上げた映画『アムステルダム』「まるで小説のような日々」

世界にひとつのプレイブック』(12)や『アメリカン・ハッスル』(13)などで知られるデヴィッド・O・ラッセル監督が、豪華キャストを迎え手掛けた7年ぶりの新作『アムステルダム』(公開中)。世界の歴史を変えた陰謀の裏側を描くという、実話に基づく本作のプロジェクトが始動したのはおよそ5年前。それからの日々についてラッセル監督は、「まるで小説のような日々だった」と充足感たっぷりに振り返る。

本作の舞台は1930年代のニューヨーク。かつてアムステルダムで出会い、固い友情で結ばれたバート(クリスチャン・ベール)とハロルド(ジョン・デヴィッド・ワシントン)、ヴァレリー(マーゴット・ロビー)の3人は、ある殺人事件に巻き込まれ容疑者の濡れ衣を着せられてしまう。なんとか疑いを晴らそうとする彼らだったが、思いがけずに全世界に渦巻く巨大な陰謀へと巻き込まれてしまうことに…。

「僕がなによりも大切に思っているものは、このキャラクターたちの友情です」

「僕とクリスチャンは自分たちが一緒に時間を過ごしたいと感じるようなキャラクターを作るところから始めました。彼にとっては演じたいと感じるような、僕にとっては友だちになりたいと感じるようなキャラクターをです」。ラッセル監督は、製作も兼任したベールと共に、これまで見たことがないような魅力的なキャラクターを見つけだすことから本作をスタートさせたと明かす。

【写真を見る】クリスチャン・ベールやマーゴット・ロビー、デ・ニーロも!鬼才の7年ぶりの新作に“ありえないほど超豪華”なキャストが集結
【写真を見る】クリスチャン・ベールやマーゴット・ロビー、デ・ニーロも!鬼才の7年ぶりの新作に“ありえないほど超豪華”なキャストが集結[c]2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

「クリスチャンが演じたバートというキャラクターは、ドクター・シールズという実在の人物に基づいています。僕らはあの時代に大きなダンスホールで開かれたパーティに集まった人々の写真を見て、彼と一緒にダンスをしている2人の人物を見つけました。しかしその2人のことを知らなかった。誰も記録などしていなかったからね。歴史には記録されていないことがたくさんある。そこで僕らは、記録された歴史を少しだけ使い、記録されなかった人たちのとてもおもしろい友情をドラマチックに作り上げていったのです」。


アムステルダムで出会った3人が、世界の歴史を変えた陰謀に巻き込まれていく…
アムステルダムで出会った3人が、世界の歴史を変えた陰謀に巻き込まれていく…[c]2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

さらにラッセル監督は、物語の根底にあるテーマについて「友情と愛」であると説明する。「僕がなによりも大切に思っているものは、このキャラクターたちの友情です。特にバートとハロルドの間にある友情が大切で、お互いを守り決して見殺しにはしないという契りは、後にヴァレリーを含めた3人のものになる。自分の最もいいところを知ってくれているからこそ、自分を忘れそうになった時にそれを思い出させてくれて、最もいい自分を取り戻させてくれる。そういう友情は、誰もが憧れるよき友情だと思います」。

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