ドウェイン・ジョンソンがDC参戦の『ブラックアダム』が北米No. 1発進!ハロウィンホラーの主役争いは熾烈な三つ巴に

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ドウェイン・ジョンソンがDC参戦の『ブラックアダム』が北米No. 1発進!ハロウィンホラーの主役争いは熾烈な三つ巴に

“ロック様”ことドウェイン・ジョンソンが規格外のパワーを持つアンチヒーローを演じ、それを迎え撃つのは5代目ジェームズ・ボンドことピアース・ブロスナン。実にワクワクする組み合わせのDC最新作『ブラックアダム』(12月2日日本公開)が初登場で1位を飾った先週末(10月21日から10月23日)の北米興収ランキング。

DC作品歴代11位のオープニング成績をたたき出した『ブラックアダム』
DC作品歴代11位のオープニング成績をたたき出した『ブラックアダム』[c]Everett Collection/AFLO

『ブラックアダム』の初日から3日間の興行収入は6700万ドル。この成績はDC作品としては『アクアマン』(18)に僅差まで迫る歴代11位、ジョンソンの主演作としても『ジャングル・クルーズ』(21)や大ヒットを記録した「ジュマンジ」シリーズをも上回る数字。

これでひとまず、サマーシーズン後半から長く続いた北米興行の低迷期から脱したと考えてもいいだろう。今年8月中旬から10月前半にかけて、毎週末3日間の総興収の平均は6000万ドル前後。『ブラックアダム』は1作だけでそれを上回るだけの興収を叩き出したわけで、週末の総興収が1億ドルを超えるのは実に3か月ぶりのこととなった。

DCの今後を占う重要作として興行的成功に期待がかかる
DCの今後を占う重要作として興行的成功に期待がかかる[c]Everett Collection/AFLO

とはいえ『ブラックアダム』の製作費は2億ドル近く。宣伝費などを考慮するとそれ以上の金額がかけられていると推察でき、どこまで回収することができるかという大きな課題が残されている。批評集積サイト「ロッテン・トマト」では批評家からの好意的評価の割合は40%と酷評が先行しているが、観客からの好意的評価は90%と高め。アメコミファンの強い後押しとロック様のスターパワーで、DC作品の今後を占う重要作がどこまで健闘するのか注目が集まるところだ。

2位に初登場を果たしたのは、ジュリア・ロバーツとジョージ・クルーニーが共演した『チケット・トゥ・パラダイス』(11月3日日本公開)。娘の結婚を止めるために奮闘する元夫婦の姿を描くコメディ作品であり、いまだ人気の衰えない2大スターの共演と、リゾート地バリ島のロケーションをふんだんに活かしたシチュエーション。近年では少々めずらしいタイプの小粋な娯楽映画のにおいが漂っており、批評家からの厳しい言葉とは対照的に観客からの評判は上々のようだ。


残虐ホラー『Terrifier 2』の順位がさらにアップ!ハロウィンの主役をブギーマンから奪えるか…
残虐ホラー『Terrifier 2』の順位がさらにアップ!ハロウィンの主役をブギーマンから奪えるか…[c]Everett Collection/AFLO

また前週初登場で1位を飾った『Halloween Ends』は、前週比わずか20%の興収しかあげられずに4位まで急降下。ハロウィン当日を前に早くも暗雲が立ち込めている模様。またアメリカで大きな話題となっている残虐ホラー『Terrifier 2』は前週比170%の興収で7位にランクアップ。今年のハロウィンのホラー映画の主役争いは、この2作品と、公開4週目もトップ3を守り抜いた『Smile』の三つ巴といったところだろう。

【写真を見る】『スリー・ビルボード』の監督がサーチライトと再タッグ!『イニシェリン島の精霊』限定公開ながら存在感を発揮
【写真を見る】『スリー・ビルボード』の監督がサーチライトと再タッグ!『イニシェリン島の精霊』限定公開ながら存在感を発揮[c]Everett Collection/AFLO

18位にはマーティン・マクドナー監督が再びサーチライト・ピクチャーズとタッグを組んだ『イニシェリン島の精霊』(23年1月27日日本公開)が初登場。4館での限定公開ながら、1館あたりのアベレージは46113ドルで、3日間の興収は18万ドルを突破。4館でオープニング興収32万ドル、館アベレージ8万ドル超というインパクトを残したマクドナー監督の前作『スリー・ビルボード』(17)に興行面では及ばなかったが、賞レースの主役候補の一角であることを証明する良いスタートとなった。

文/久保田 和馬

※記事初出時、一部の表記に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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