”極悪ヴィラン”になったソン・ソック「最も血気盛んで、鬱憤が溜まっていた時期を思い出しながら役作りを」
演技から脚本、演出まで!止まらないソン・ソックの挑戦と成長
『犯罪都市 THE ROUNDUP』のハイライトシーンともいえる、バスでのアクションシーンは3日かけて撮影を行ったという。共演したマ・ドンソクについて、ソン・ソックは「さすがアクション演技の専門家だなと、感心しました」とコメントした。
「何回もリハーサルを行ったので、本番はとてもスムーズでした。いままでアクションシーンを撮る時は、いつも思いっきり力を入れている感じだったんですが、力を抜いてリズミカルに演技した方が、より強くて慣れているように見えるということを今回初めて学びました。リアルすぎたせいか、”マ・ドンソクさんの打撃感はどうだったの?”という質問を何回か受けましたが、勿論本番では安全対策に万全を期すので、実際打撃感を味わう機会はなかったです(笑)。モニタリングする時、“これが現実だったらいくらカン・へサンでも既に気絶しているんでしょうね、とんでもないしぶとさですね”という話をしながら、マ・ドンソクさんと爆笑した記憶があります」
ソン・ソックはオムニバス映画『UNFRAMED/アンフレームド』(21)の短編映画『再放送』で監督と脚本を務めるなど、俳優だけでなく、演出家としても活躍している。同じくマ・ドンソクも、『犯罪都市』シリーズを含め、多数の映画企画や製作に参加しているため、初共演だったにも関わらず、2人は強い絆を感じたという。
「演技以外の楽しさや可能性を初めて見つけた気がして、挑戦してみて本当によかったと思っています。今後も挑戦し続けるつもりです。マ・ドンソクさんは演技が上手いのは言うまでもなく、製作者としての能力値もとても高い方だと思います。責任感も強くて、撮影現場でも常に色んなところを管理監督されていましたね。暇さえあれば“お前と俺が同じ血が流れているんだ。役者から演出まで、映画人としてできることは全部やっているからな”と言いながら、色んなアドバイスをしてくれました。まるで個人レッスンを受けている感覚で、とても貴重な経験でした(笑)」
映画『ブラックストーン』(15)でスクリーンデビューした以来、役を選ばず色んな作品に出演し、俳優としての立場を固めてきたソン・ソック。人間味ある俳優、ありのままの自分を表せる俳優になるのが彼の目標だ。
「飾りのない演技をしたいです。なので、撮影をする時も、虚構のキャラクターを作り出すよりは、そのキャラクターに自分自身を投影するようにしています。あとは、少し認知度が上がってきているからって、浮かれないように気を引き締めています。初心を忘れる瞬間、自分自身も失ってしまうと思っていますので。これからもずっと、真率な俳優として覚えて頂きたいです」
取材・文/柳志潤