ラストシーンは『ローグ・ワン』とリンク?最愛の人の訃報に涙…「キャシアン・アンドー」第11話レビュー
ディズニープラスで独占配信中の「キャシアン・アンドー」。『ローグ・ワン/スウォーズ・ストーリー』(16)で活躍した情報将校、キャシアン・アンドー(ディエゴ・ルナ)を主人公に、彼のバックグラウンドと反乱軍の誕生の裏側を描いたファンの間でも話題沸騰中のドラマシリーズを、MOVIE WALKER PRESSでは、映画メディアの編集長やライターたちによるリレーレビュー連載で毎週追っていきます。第11話のレビューはMOVIE WALKER PRESS編集長の下田桃子がお届けします。
※以降、ストーリーの核心に触れる記述を含みます。未見の方はご注意ください。
「先はともかく、やり遂げた」。そうやって、いくつもの修羅場をくぐり抜けてきた“逃亡者”キャシアン・アンドー。いまだ大義を手にしているようには見えないながらも、逃げ続けるなかで、人々の心に火を付けてきた。
第7話、13年間身を潜めて生きてきたキャシアンの母マーヴァ(フィオナ・ショウ)は、惑星アルダーニでの要塞襲撃事件に心を動かされ、“逃げずに闘う”という彼女なりの選択をした。「金が手に入ったんだ」と脱出を持ちかけてきた目の前の息子が、銀河中を騒がせた蜂起のヒーローであるとも知らずに。
キャシアンは、第8話から第10話をかけて描かれたナーキーナ・ファイブからの脱獄劇では、苦痛に耐え、刑期が終わるのを待つだけだった現場監督のキノ・ロイ(アンディ・サーキス)を奮起させる。「道はひとつ!」と雄叫びをあげたロイは、収監されていた囚人5000人をも奮い立たせ、反乱を成功させる。
脱出して、脱獄して、ふたたび逃亡者となったキャシアン・アンドー。いよいよシーズン1も残すところ2話。第11話は、マ―ヴァの存在の大きさを知る回となった。
SWいち人間らしいドロイドかも。マーヴァの死に戸惑う“ビー”がせつない…
冒頭、ドロイドの“ビー”ことB2EMOの“眼”を通して、マ―ヴァが亡くなったことが伝えられる。彼女が「穏やかな顔で亡くなった」ことが示唆され、観ているこちらも安堵する。惑星フェリックスに残ると決めたマーヴァは、誇りを持って死ぬことが出来たのだろう。第1話でキャシアンのアリバイ作りに協力したり、マーヴァを見舞ったりとなにかとアンドー家を気にかけてきたブラッソ(ジョプリン・シブテン)が、落ち込むビーに声をかける。
第11話のタイトルにもなっている、“フェリックスの娘たち”を手伝えとアドバイス。この“フェリックスの娘たち”とは、マーヴァが会長を務めていたという反乱分子グループのこと。しかし、マーヴァの死を受け止められずにいるビーは殻にこもってしまう。「マーヴァといたい」と言ったかと思えば、ブラッソに「一緒に行く」と言ってみたり…。涙こそ見せないが、哀しむビーの姿がせつない。
キャシアン・アンドーは、クワッド・ジャンパーでふたたびニアモスへ!
そのころキャシアンはと言えば、メルシと2人、まだ惑星を脱出できていなかった様子。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(15)でも見覚えのある機体クワッド・ジャンパーを奪って逃げおおせようとするも、地元住民にあっさり捕まってしまう。そこで、ナーキーナ・ファイブが遠くの海まで汚し、魚を殺していることを告げられる。「帝国だ、俺らじゃない」「帝国の施設だ!」と喚くが「なんでも帝国のせいか」と一蹴される。
なぜかクワッド・ジャンパーを譲ってもらえたキャシアンが、咄嗟に選んだ逃亡先は「ニアモス」。以前、バカンス先として訪れた地だ。このキャシアンの“行き当たりばったり”に見える行動が、このドラマのスリルを持続させている(実際には、バスルームに隠していたブラスターやアルダーニの報酬2000万クレジットをしっかり奪還!)。