妻夫木聡&窪田正孝の親密度にジェラシーの安藤サクラ「ボクシング再開します!」
『ある男』(公開中)の公開初日舞台挨拶が18日、丸の内ピカデリーにて開催され、妻夫木聡、安藤サクラ、窪田正孝、清野菜名、小籔千豊、坂元愛登、石川慶監督が登壇した。
原作は平野啓一郎の同名ベストセラー。妻夫木演じる弁護士の城戸が、かつての依頼者の安藤演じる里枝から、窪田演じる亡くなった夫、大祐の身元調査という奇妙な相談を受けたことをきっかけに、大祐の正体に迫っていく様子が描かれるヒューマンミステリー。撮影は2年前。海外で一足早くお披露目された本作がいよいよ日本でお目見え。妻夫木は「初日を迎えるのはうれしくもあり、我が子が巣立っていくようで少し寂しいものがあります」としみじみ。「映画は観客に観てもらって完成すると話し、「本当にうれしいです」と満面の笑みを浮かべていた。
2年にわたる宣伝活動を振り返り、「窪田くんとは共演シーンはないけれど、宣伝活動を通して窪田くんを知ることができています」と笑顔の妻夫木。映画祭で訪れたイタリアではクライマックスで笑い声が聞こえるなど文化の違いを感じ、釜山では盛大な拍手から「認められた証拠」を体感でき、「いっぱい、いい思いをさせていただきました」と感謝していた。
安藤は本作の現場が久しぶりの映画撮影で不安でいっぱいだったと振り返る。しかし、映画祭や宣伝活動を通じて撮影以外の時間を妻夫木、窪田、石川監督と過ごすことで「いま、すごく安心感をもらっています」と微笑んだ。
窪田は妻夫木と親密なったことを心からよろこんでいる様子。「撮影では一瞬しか会えなかったけれど…」と前置きしつつ映画祭などでの飛行機移動に触れ、「一緒に飛行機に乗るなんてなかなかないこと。(みなさんの)私服や、飛行機のなかでの過ごし方などが見れるすごく貴重な時間でした」とニヤニヤ。「結構、チラチラ盗み見してました」と告白し、笑いを誘っていた。
安藤は妻夫木と窪田が共通の趣味、ボクシングでよりプライベートでも仲を深めていることをうらやましがり、「現場で仲良くなった2人が、プライベートでボクシングをするようになって、なんかすごくうらやましい。なんならうちの夫(柄本佑)と3人でボクシングしてるから…私ももう一度ボクシングを始めようかなと思いました!」と身を乗り出して語り、決意をみなぎらせていた。
妻夫木の同僚役を演じた小籔は撮影を振り返り、「(妻夫木が)めっちゃしゃべってくるんです。僕はセリフ覚えなきゃでパンパン(の状態)だったから、できれば話しかけないでと内心思っていました(笑)。ギリギリ(の状態)で…」と告白。タイトルにかけて「あちら(妻夫木)は余裕の『ある男』、僕は余裕の『ない男』でした」と話すも、客席からの反応がイマイチと感じたようで「手応えのない男ですね。すべりました…」と反省する場面もあった。
イベントではタイトルにちなみ「気になっている、ある○○」を発表するコーナーも。妻夫木が、清野と撮影した新幹線でのシーンがカットされたことがずっと気になっていると明かすと、石川監督は「すごくいいシーンでした…はい…」と苦笑い。清野が「私は出番が少なかったので、全部カットはちょっと悲しかったです」としょんぼりすると、「今回、自分だけが楽しんだシーンがいっぱいあるなといま、思い出しました。でも、作品としては今回はこの形がいいと思いました」と釈明する場面もあった。
最後のあいさつで妻夫木は「この作品でダメな自分を認めてあげることも大事だと気づかれました。そうすることで、意外と幸せはそこら辺に転がっていると気づくようにもなりました」と自身の感想を伝え、「みなさんにとってもそういう作品になったらうれしいです」と呼びかけ、イベントを締めくくった。
取材・文/タナカシノブ