當真あみ、『かがみの孤城』で初の舞台挨拶に緊張!原恵一監督は「高倉健みたい」と北村匠海の役者魂を絶賛
2018年本屋大賞を史上最多得票数で受賞した辻村深月のベストセラー小説を劇場アニメ化した『かがみの孤城』(12月23日公開)のプレミアイベントが11月24日に丸の内ピカデリーで開催され、當真あみ、北村匠海、吉柳咲良、板垣李光人、横溝菜帆、梶裕貴、宮崎あおい、原恵一監督が登壇した。
本作は、学校で居場所をなくし、部屋に閉じこもっていた中学生のこころ(當真)が、見ず知らずの中学生6人と一緒に“鏡の中の城”で経験する出来事を描くファンタジーミステリー。
こころ役の當真は、「こういう舞台挨拶が初めてで、とても緊張しています。でもキャストの皆さんと、たくさんのお客さんに来ていただいて本当にうれしいです」と緊張の面持ちで挨拶。當真をはじめとするフレッシュな面々が顔をそろえたイベントとなり、宮崎は「私は梶さんと同じ85年生まれなんですが、今日は若いキャストの方がとても多いので、お母さんのような気持ちで参加させていただいています」と微笑み、梶も「僕も父親みたいな気持ち」と見守るような心境だと話す。完成が遅れてしまっていると苦笑いを見せた原監督は、「大変な映画ができそうなので。もう少しで完成しますのでお待ちください。申し訳ありません」と謝罪して周囲の笑いを誘いつつ、「すごい眺め。よくぞこの人たちがやってくれた」と声優陣について「誇らしい」と称えていた。
1000人を超えるオーディションを勝ち抜き、こころ役に抜てきされた當真は「原作が元々好きで、小説を読んでいた」そうで、「アニメも好きなので、好きな作品で声優として関われたことが本当にうれしい」と感激しきり。
原監督は「原作のこころのイメージと、當真さんの“いま”というものがピタッとクロスした」と抜てきの理由を告白。「當真さんとしても、いまだからできる仕事だなと思います」と太鼓判を押す。當真は「原作を読んでいても、自分と似ているなと思う部分があった。こころちゃんも少し引っ込み思案な女の子で、私もそういう部分がある。自分の思ったことをパッと伝えることができなかったり」と共感する点も多い様子で、「監督にはオーディションの時のままの感じでやってほしいと言われたので、“変わらないように”というのを意識していました」とアフレコを振り返っていた。
サッカーが得意な少年、リオンを演じた北村は「サッカーが得意なリオンを演じました。日本勝ちましたね。すごすぎますね。きっとリオンもこの世界のなかで昨日の勝利をとても喜んでいたと思います」とワールドカップカタール大会での日本代表の勝利を祝福。現在25歳にして中学生のリオンを演じることには不安もあったというが、「監督が『そのままでいてくれればいい』とおっしゃってくれた。この映画には、ありのままというか、自分のままの瞬間も入っている」と自身も投影されているという。
原監督は「北村くんのアフレコで印象的だったのは、『休憩を取りたくない』と言っていたこと。普通は2、3時間くらいで1回休憩を入れるんです。『そろそろ休憩をしますか?』と投げかけたら、(北村は)『このまま続けます』と。緊張やリオンの気持ちを切らしたくないんだなと、役者魂を感じました」と北村のまっすぐな姿勢に惚れ惚れ。北村が「この作品は、止まってはならないと思った。最後までやりきるまで一度も座らず、そのままマイクとずっと戦いながらやらせていただいた」と明かすと、原監督は「4時間くらい続けてやったと思います。機械の調整をする時に『お座りください』と言ってもずっと立っていました。高倉健さんみたい」とにっこり。北村は「光栄です」と笑顔を浮かべていた。
また劇中で「どんな願い事も叶える鍵」が登場することから、「叶えたい夢」について回答するひと幕も。當真は「誰とでもコミュニケーションが取れる、鬼のようなコミュニケーション能力がほしい。人に話しかけるのが苦手」とコメント。
「最近身長が伸びたと言われる」という北村は「小栗旬さんくらいのたっぱがほしい」と願い、そのために「牛乳を飲んでいる」と明かす。すると板垣も「この間、僕も身長を計ったら、身長が1センチか1.5センチくらい伸びていた。165センチになっていた。168とか169ぐらいあれば、170と言ってもバレないんじゃないか」と画策すると、北村が「バレない、バレない」と背中を押していた。
取材・文/成田おり枝